みみみ

わたしの話かもしれないし、わたしの話ではないのかもしれない。

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最近の記事

幸せな女どもに指図されている私。

これは私の周りの人がそうかもしれないが、 恋人がいる、伴侶がいる人に限って私にケチをつけてくる。 私は28歳、Eカップで全体的にムチムチしているけど太っているわけではない体型。男友達がいうには「たまらない体」をしている。 たれ目で二重、まつ毛は長い(まつ毛美容液頑張ってるから) 指も長く、唇はぷっくりしている。 私は男性から見てとても魅力的な女性らしい。 10人いると8人は私のことが好きになる見た目。 私は全員の2番目になれる女だけど、誰かの1番にはなったことがない。

    • 【短編小説5】お嫁

      高校の時の同級生に「佐竹しおり」さんという女の子がいた。 同じクラスで出席番号は私の次。 バレー部でいわゆる陽キャ。彼女がいるだけでパッと場が明るくなり、周りのみんなが笑顔だった。 友達でもないので特に話をしたことはないけど、出席番号が次なのでクラスでの班分けは大体一緒だった。 家庭科実習の日に、みんなで作って最後は食べる時間があった。 私と佐竹さんは同じ班で、みんなと同じく「大変だったね」とか「家庭科実習楽しいからずっとしてたいね」とか話をしているときにふと佐竹さんは私の

      • 【短編小説4】プール

        プールがすき。 ちょうどいい温度、プールの中だけで起こる小さな波のうねり。 海にはない感覚。 海も同じじゃないと聞かれるけど全然違う。 海は彼方まで続いているけど、プールは25m先しかないし、プールの中で漂流する心配もない。 プールに潜って泳いでいると、胎内ってこんな感じなのかなと思う。 温かくて、程よく圧力がかかり心地いい。 子を身ごもったお母さんのお腹の中は海に例えられるけど、どちらかといえばプールだと思う。 ゆらゆら、ゆらゆら泳いでいると雑念が無くなり無の感情になる

        • 【短編小説3】花粉症

          私は花粉症だ。種類はスギ花粉。 春とともにくしゃみ・鼻水・目のかゆみ・充血も訪れる。 それはそれは毎年壮大で、幾度となく会話が中断されるレベルでくしゃみをしている。 一説によると体内に花粉が蓄積されて、ある日発症するらしい。 それを私の花粉症を大変だねと笑っている彼に伝えると、「花粉症なんて、体の弱い人がなるもんじゃないの?」とひどいことを言い出した。 「やっぱり体のつくりから違うからね。俺は運動をして体には気を使っているから風邪も引いてないじゃないか。俺を見習ってもう少

        幸せな女どもに指図されている私。

          【短編小説2】ブラジャー&ショーツセット(2,750円)

          全然趣味じゃないブラを友達とノリで買ってみた。 水色のフリルの、セーラーマーキュリーみたいなブラ。 カップが厚いので、Eカップの私がつけると大胸筋のようになってボディビルダーみたいになってしまう。 男の人ってブラの価値がまっっっっったくわかっていない。 効きブラしたら全戦全敗だと思う。 あんたがこの前ベッドの外に放りなげたカラシ色のブラは、ワコールで9,000円したんだぞ。 そのショーツは4,000円だし。 誕生日に心機一転で買ったのに。 その次につけてたピンクのブラは少

          【短編小説2】ブラジャー&ショーツセット(2,750円)

          マッチングアプリ

          28歳・独身・女性。 久々にマッチングアプリをした。 理由は特にないけど、なんとなく新年に相応しく心機一転してみようと思っただけだ。 登録をして、「あ、この人いいな」と思ったらいいねを押して相手に自分の存在を知らせる。 お互いにいいねをするとメッセージが送り合えるという仕組みだ。 私は受け身で待っていて、いいねを貰った方の中から選ぶことにした。 どんな人からいいねをされたかをみるのが面白い。 自分の為人をプロフィールや写真で各々表現をしていく。 一番印象に残った人は実業家の方

          マッチングアプリ

          【短編小説1】チャーシュー

          好きな人とラーメンを食べに行った。 12月の雨の日に。 彼が見つけた家の近くのラーメン屋さん。 家から近いというので土砂降りの中歩いていくことにした。 一人ずつ傘を差しているのに、手を繋いでいるのでその部分だけ濡れている。 食べたラーメンはチャーシューが2種類乗っていた。 お互いに美味しいねと言い合った方のチャーシューを、彼が一枚くれた。 これは私の持論だが、自分が食べて美味しいと思うものを渡す行為は愛だと思う。 ここがおいしいと父からもらった魚の頬の部分。 母が自分の

          【短編小説1】チャーシュー