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「はじめまして、の後ってどうやって仲良くなるんだっけ?」を考えてつくった授業

※沖縄国際大学キャリアデザイン論(第2回)授業を終えてのひとり振り返り

ここ数年、10月は特に過ぎるのがはやく感じる。私的には10月が師走な感覚で、先への準備と実践が一気に押し寄せてくる。目まぐるしいけど生きている感じがして、ふつふつと熱くなる。ただ、久々に場づくりをして前に立つときは楽しくなって浮き足立ってしまうことが多いから、地に足ついてるかな?を数分に一回くらい確認しながら進む。昨年までは浮足立ってるよな、って気づいてすらなかったと思うから、最初ふわふわしてたんだろうな〜と今になってちょっと笑える。

水曜日の3限が沖縄大学、木曜日の2限が沖縄国際大学という授業日程なので、両方の学生の反応をそれぞれにフィードバックしながら進んでいけるのが面白い。先に実施した沖大の授業はこちらで振り返っています。

もちろん一人一人が異なる人間なので、十人十色で違うことが前提なのだけれど、やはり学校という空間には色やにおいがついていて、大学や学部という決められた括りの中で特徴というものがあるよなと感じる。どんな特徴があるのか?という質問にはまだ答えられない。まだ言語化できるほど学生たちと触れ合っていないから、この振り返りを重ねていった先に、私の主観で受け取ったみんなの空気の色やにおいが言語化できるといいなと思う。

あなたが座った場所のはなし

コロナの影響でオンラインがほとんどだったから、対面での授業ができることが本当に嬉しくて、受講を決めてくれた学生との学びが楽しくなるように、いろんな仕掛けを考えていた。結局、毎回なにかを手放したり、単純に忘れてしまったりして授業は当日に完成するスタイルなのだけれど、今回も見事にやろうと思っていたことを忘れていた。
せっかくの対面、友達と一緒に授業登録している学生もいたけれど、教室内に友達がひとりもいない学生も少なくない。学年を越えて話すきっかけを作るためにも、初回はくじびきで席を指定してみようかなと思っていた。
…けど、それを忘れていて授業に突入、教壇の横に立って教室内を見てみると、一番後方には暖かい視線を送ってくれるゆりりん応援団の講師陣。そして、そのすぐ前の列から学生が座っていて、私の前の席一帯はガラ空き。私と学生の距離感が物理的に示されいて、とっても自然な景色だった。まだ言葉を介していない時点での非言語なメッセージを受け取った気がして、とっても嬉しかった。まだまだこの教室内の心理的安全性は低くて、空気も混ざっていない。私のスイッチが入る瞬間だったな。できあがっていない人と人との隙間は、わたしの心を震わせるなぁと改めて実感した。
そしてもう一つの気づきは、このスタイルだと遅れてきた学生が必然的に私の近くの席に座るということ。近くにいると声をかけやすいから、配布物を手伝ってもらったり、授業中の対話に入らせてもらったり、遅れてきた時間を少しコミュニケーションの濃さで埋めやすいなと感じた。(もちろん遅れてこないのがベストだけど、欠席するより最後の10分でも来てほしい!)

授業の流れと意図

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わたしが作る学びの場は、相手が小学生でも大学生でも同じ。できるだけみんなが「え、、、」と思いながらやってみたら楽しめちゃった、という状態を目指す。最初は乗り気じゃなくて良くて、そんな自分がゆりりんにYes,andして踏み出した先に、少し授業前と違うことに気づいたり、自分の可能性に期待ができたり、これから一緒に学ぶ仲間のことを知りたくなっていたら良い。
緊張と緩和、共感と違和感、能動と受動の時間を過ごしながら、自分のことを語るための材料が増えていくことが大切だと思っている。


グランドルールの中でも特に重要な [3.ノンジャッジメンタル] について

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1歳前後の赤ちゃんを見ていると、人はみんな好奇心を持って生まれてきているんだろうなと感じる。食べ物かどうかは関係なく口に入れるし、水は全身で浴びてびしょびしょになろうとする。大人のわたしは、油断するとすぐに「ちょっと、汚れるからやめてよ」「危険だからダメだよ」「早く帰らないとダメだから…」と色んな理由をつけて、NOを突きつけてしまいそうになる。でも、本当はその行動をやめさせる正当な理由なんてないかもしれないな、とも思っている。
赤ちゃんの話?と思ったかもしれないけれど、目の前にいる学生だって最初は赤ちゃん。たぶんこれまで生きてきた中で、納得のいかない「NO」に悲しんだり、怒ったり、傷ついたりしながら成長してきたんじゃないかなと思う。少なくとも私はそうで、親にも先生にも優等生でいれる自分が好きだった。

優等生でいることは悪くない。でも、他者評価を意識しすぎることで、本当に自分が感じていることや考えていることに見て見ぬふりをしたり、受け入れられないからといって捨てたり、押し殺すことは不健全だと思う。
特に、今回の授業のようにチームをつくって活動していく場合、それぞれの気づきや意見、アイデアを出すことが難しい関係性だと協働しているフリで終わる。違うことを表現しても大丈夫だし、むしろそれを楽しもう。(意図して卑下したり傷つけること以外)すべての声にウェルカムな場であるということを全員で体現することができれば、この教室でおもしろい化学反応がたくさん起きるはず。

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↑LINEオープンチャットを活用 質問へ学生からの回答(一部抜粋)


グランドルールの実践をしまくる

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気づく力を高めるワークとしてのボディスキャン。頭の上から輪っかが通るイメージで、自分の体の感覚に集中を向けてみる。どんなことを感じたのか、実施後の共有はまだ緊張感が解けない様子でガチガチな学生も多い印象。友達ではない人と話し始めるのって、とても勇気がいることだよね。頑張ってくれたなぁ。

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ジョハリの窓について紹介した上で、自己開示することでフィードバックをもらうことができ、新たな自分への気づきがあるという話を。そのあとは、お楽しみの「第一印象祭り」でゆりりんの印象を書いてもらった。(これ、ほんと毎回嬉しいので全部書いちゃう)

1番好きな季節、夏っぽい
ソフトテニス部にいそう
ケーキが好きそう
大好物はお寿司
走るのが好きそう
バスケしてそう
おでん好きそう
カレー作るの上手そう
焼肉屋でバイトしてそう
海が好き
部活はバドミントン
秋刀魚の塩焼き好きそう
男兄妹っぽそう
パン屋で働いてそう
黄色が好き
海に行くのが好きそう
ゲームが好きで、兄弟の真ん中の方
好きな食べ物:焼き鳥、部活:ソフト、兄弟:長女そう
メロン毎日食べてそう
長女っぽい
ひとりっこそう
ママチャリ乗ってる
自然が好きそう
中学生時代は陽キャ系ハンド部かサッカー部そう。
アルバイトは家庭教師そう
いろんな人に話しかけれそう
英語好きそう
小学校の夏休み、グランドでギリギリまで男子とドッチボールしてそう
3人兄弟で1番上っぽい
おばあちゃん娘っぽそう
誕生日2月っぽい
ボランティア沢山してそう


関われる相手がいるという喜び

入学してからのほとんどを、校舎での対面授業ではなくオンライン授業で過ごしていた学生は少なくない。初めましての人と話すことは緊張もするし、学生によってはかなり挑戦度の高いことかもしれない。でも、信じて無茶振りをしてみると、本当にすごいエネルギーを感じられる場になっていた。どんどん動きが増えて、ぎこちない会話から少し緊張が解れる様子が見えたり、口数は少ないけどコメントをしっかり書いていたり。人と関わることは時にめんどくさいこともあるけど、やっぱりすごくエネルギッシュで、喜ばしいことなのだろうなと感じられる空間だった。

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一人ひとりが持っているA4用紙には、初対面の人からもらったコメントが増えていく。印象を書くことが難しいと感じる人もいれば、書けたけど渡しに行くハードルが高くて動けないもいる。すぐ書いて渡したけど、実はちょっと相手が喜ぶようなことを書いちゃった人もいるはず…。ただ印象を書いて渡すだけ、されど、ノンジャッジメンタルの実践として、自分のこころと行動のクセに気づくことができる大好きなワーク。楽しんでもらえたかな?

最後は2〜3名でのミニ対話。
Q .パッと思いつくのはどっち? A:長所 B:短所
Q.学生生活の間にエネルギーを注ぎたいと思えることが A:ある B:ない

問いに答えながら迷いがあるような表情もあった。自分について、まだまだわからないことは沢山あると思う。何歳になっても自分は常に変化しているのだから、わからないことは尽きない。
自分は何者か?どんな人なのか…
その答えをひとりで見つける必要はないし、自分だけでは見えないくらい多面的なものが人間だと思うから、ここぞとばかりに自己理解に仲間を巻き込んでほしい。


来週は企業からのミッション提示もあるし、再来週にはチームづくり。
人生のターニングポイントとなるかもしれない、そんな時間にするつもりでつくるよ、次回もお楽しみに。

サポートしていただくと、やる気が爆発します!(笑)甘いものを食べながら、言語化頑張りますので、応援してもらえると大喜びです✌︎('ω'✌︎ )