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小惑星・ジュノー

小惑星を重要視しない占星術師さんも多いと思いますが、ユリシスは重視しています。小惑星は主要天体に比べると働きが小さなものですが、現実的でより具体的な事象や心の動きとしては、とてもわかりやすく働くものと言えます。そして、多くの小惑星たちが無意識領域とも深く関わっていると感じます。


この世的な吉凶を占う占星術ではなく、意識を深く掘り下げていく「心理占星術や月理論を取り入れた占星術」に興味がある方でしたら、小惑星も取り入れるとグンと幅が拡がると思います。まずは、ジュノーに注目してみます。


その人が普段使いをしている「具体的な才能」がパラスに表れているとすると、具体的な「譲れないポイント」として現れるのがジュノーだと思います。ジュノーは男女関係やパートナーシップにおいて「何を相手に望むか」を示しているとされます。


また、ジュノーが運命的な出会いとパートナーシップについての課題を表す小惑星であることは間違いなさそうです。実際に、12室にジュノーが在る方で「まだ若い段階で、配偶者との死別を経験された」方もおられます。(勿論、すべての方が当てはまるわけではないですので、不安にならないでくださいね!)12室のジュノーはパートナーシップに運命性が強く、別れを体験して学ぶという意味があります。


愛するパートナーとの今生の別れは、体験した人にしかわからない深淵なものです。その深淵な体験を経た人にしか至ることができない境地があり、ジュノーが示すパートナーシップについても、この世的な物差しではない視点でお受け取りいただければと思います。(体験していない私が言及するのはおこがましいことです。その点、お許しいただければと思います。)



さらに、ジュノーにはもっと大きな意味がありそうです。ジュノーが示しているのは、人生で「権利を主張したくなる事柄・権利を主張せずにはいられない事柄」です。そこが脅かされると「自己存在への脅威を感じて、強く反応してしまう」場所です。



これ・・・月の衝動や恐れとも非常に似ていますよね。深いところでは関連していると言えそうですね。ユリシスは山羊座3室のジュノーです。山羊座ジュノーの解説を転載させていただきます。「人間関係に長期的な安定性や確実性を求める傾向があり、確実性や自身のプライドが脅かされると、パートナーをコントロールして服従させようとします」ーー蠍座の月に翻弄されている時代、まさにこれをやっていました!


また、3室のジュノーは「知的で、言葉やコミュニケーションによって人間関係を作り出します。言葉にして伝えることで、相手がこちらの本音や本質を理解してくれます。日々のコミュニケーションによって重要な人間関係が形成されます」ーーこれも、まさに!そのままです。



私たちは、ジュノーのあるサインとハウスの事柄において「正当性や権利を主張したくなる」わけですね。3室ならば、コミュニケーション、言語表現ですので、かつて、私が小説を書いていたことなども、当てはまるでしょう。太陽で「書く」ことと、ジュノーの影響を受けて「書く」ことの間には「違い」があります。権利を主張したくなる<その理由>に気がついていることが大切だと思います。


ゆえに、どちらかと言えば、ジュノーはマレフィック的で月的な存在だと思います。ジュノーが示している課題や恐れや主張とは、超えていかないといけないもの・カルマ的なものだからです。ジュノーが示しているのは「一旦、権利を主張することによって、そこに真の幸せがないことを悟らせる」働きです。



ジュノーが強いてくるものは「平和・安寧」を求める気持ちゆえですが、それ自体が本物の平和をもたらすことはありません。平和とは、自分自身と相手への全き信頼からのみ生まれるーーそれを教えようとしています。


「平和」が「権利の主張」にはないことを、権利を主張することで直接的に学ぶ。平和は心の純粋さとともにある。心が純粋であるとき、喜びは持続する。そのことを知るとき、この星のエネルギーは進化し、純粋な喜びを広める星になります。

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