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私の中には「複数の私」がいます~月は未消化の恐れ


右脳と左脳は全く別々の働きをしていて、基本、それぞれ単独で機能しています。左脳は言語や論理的思考を司り、右脳はイメージや抽象思考を司ります。大きく分類すると、左脳は自我(エゴ)と肉体的自己保存のために働き、右脳は全体性と生命そのものに直結しています。



占星術的に言うと、左脳のネガティブ部門が月です。無意識層の最も深いエリアにある「魂の中で未消化になったままの恐れ」です。その恐れは無意識層から常に作用してきます。ですから、私たちの自我はその恐れから自分を守ろうとして(自己防衛反応)、どうしても月のサインとハウスに囚われてしまうのです。



しかし、私たちの中には複数の自己がいます。左脳のネガティブ部門に主導権を握らせると、愛、喜び、一体感、達成感、自己実現感、躍動感など、私が私であるという誇りや喜びから遠ざかるのです。太陽意識により統合された全惑星意識=全人格的自己に複数の私を統括させなければ、人生は苦しく逃げ出したいものになります。



たとえば、月が牡羊座であれば、私は有能な存在として認知されたい、ナンバーワンになりたい、重要な存在でいたいという心の欲求を持っているでしょう。月が牡牛座であれば、私の安全を確保していたい、自分が満たされる生活環境を維持したい、物心両面で安定したいという欲求をもっているでしょう。月が蠍座であれば、私は信頼されたい、真実を見抜きたい、正しい判断ができる人だと思われたいという欲求を持っているでしょう。月が魚座であれば、私はあらゆるものと共感していたい、一体感を感じていたい、目には見えないものに感応できる優しい人だと思われたいという欲求を持っているでしょう。



恐れを回避するための「そう思われたい、そうであってほしい」という切実な願いが、月の根底にあります。自我は自分を守ることがお仕事なので、月が示す深い恐れが具現化しないよう、常に戦々恐々としています。そして、月の欲求が脅かされると感じると、即座に脊椎反射を起こし、強い感情的反発をひき起こします。



だからこそ、月牡羊座の人がすぐにカッとし、月蠍座の人がすぐに疑いの念を抱き、月天秤座の人が瞬時に自分を抑え付けて見せかけのバランスを図ろうとしてしまうのです。それらの感情反応のすべては具現化してほしくない恐れ、触られたくない暗部に抵触してしまったからです。まさにどうにもならない脊椎反射です。だからこそ、気づくこと、深く深く自分に気づくしかないのです。



ですから、従来の月の解釈も間違いではありません。殊更そこに拘る、どうしても守り大切にしたいと感じる拠り所ーーが月であると定義すると、全くその通りです。しかし、そこを大事にし過ぎると、自我は肥大化し、自己防衛反応としての恐れも益々拡大していくということなのです。しかも、月は7歳で卒業していくものですから、そこを自分の本当の拠り所としたり、幸運をもたらすものとして殊更重要視することは、真逆の反作用を強めることになります。



出生時の月が強い囚われである以上、反転の位置にある「本当の月・恐れを持っていないもうひとつの月」を満たすことが、圧倒的に得策であることは間違いありません。私自身は勿論、実践してみた方々から共感の声をいただいています。
反転の位置にある「本当の月」を満たす|ユリシス (note.com)




そして、出生時の月は「魂の中で未消化になったままの強い恐れ」ですので、それを満たして守ろうとするのは、大きな視点で捉えると間違いです。私たちは霊的成長を果たすために、あらゆる体験をするために、太陽を顕現させるために生まれてきたからです。



そして、何より木星意識を獲得して、社会全体を、世界全体を幸せにするために、私たちは生まれてきたのですから。月を握りしめていると、自我を明け渡して、世界と一体化することはできないのです。アクエリアスと言う前に、やはり月を見破らなくてはならないのです。



出生時の月が教えてくれる「無意識の恐れ」と向き合い、それを見破り、自我を手放していくことが求められています。月の囚われに拘り、その幻影に魅せられると、最終、自ら死を選ぶことも、少なからずあるのです・・・そのお話はまた機会があれば・・・




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