水のグランドトライン~複合アスペクトを読む
カフェ・ティアマトの第3回目。トイレに行けないーーというお悩み。動画の中では、伝えきれていない部分があるので、さらに、こちらで解説することにしました。
3つの天体で形成されるグランドトラインは見つけやすいですね。無料ホロスコープサイトでもすぐに出てくることが多いでしょう。しかし、感受点を含むグランドトラインやオーブが緩めのグランドトラインは、少し注意深く読まないと見つけることが難しいです。
しかし、感受点を含むもの、或いはオーブが少々緩めのものであっても、グランドトラインの影響力は必ずあります。もしかすると、皆様のホロスコープにも、<見つけられていないグランドトライン>があるかもしれません。それは、すなわち、<埋もれている才能や豊かさ>であり、<社会に還元されることを待っている>星たちのメッセージかもしれませんよ♡
さて、上記動画のご相談者様は太陽・火星が獅子座で合(ふたつの天体が重なっている状態)です。自分を肯定し表明することが最も得意な星座が獅子座です。それなのに、自分の意見や意思を表明することが怖い、人からどう思われるかを気にして自由に振る舞えない、人間関係が怖いーーと仰っています。
この部分だけを解釈すると、なんで???太陽獅子座さんなのに・・・と感じますよね。10天体の中でも太陽は特に強い天体であり、それが全く発揮できない場合、ホロスコープのどこかに必ずその理由があります。ご相談者様のケースだと、火のエレメントである獅子座の太陽と火星が発揮できないわけですから、それを「消す要素」があるはずなのです。
※占星術の基本においては、12の星座サインを<四区分・三区分・二区分>という考え方で分類します。四区分とは「火・地・風・水」の4つのエレメントで分類すること、三区分とは「柔軟宮・不動宮・活動宮」という要素から分類することです。また、男性星座・女性星座の二区分に分ける考え方もあります。
ご相談者様の場合、変則型かつアウトオブサインではあるものの「水のグランドトライン」を持っているため、ここにその理由があるなとピンときたわけです。つまり、水のエレメント(感情・情緒・共感性・受容性)がアンバランスに強くなることで、火のエレメント(自我・生命力・情熱・自己肯定感)が消えているということです。
通常、火と風の相性がよく、地と水の親和性が高くなります。火は風に煽られてその力を強くします。水がしみこむことで地は豊潤になります。ゆえに、<火を消すことができるのは水>ということになるわけです。
複合アスペクトの解釈は、それ単独ではかなり表面的になります。あくまで、ホロスコープ全体のテーマの中でそれがどう作用しているか?という視点から読み解かない限り、その真意を掴むことは難しくなります。ご相談者様の場合、アセンダント(蟹座・水)・ドラゴンヘッド(魚座・水)・木星(天秤座・風)でグランドトラインを形成していますので、アウトオブサイン(エレメント違い)のグランドトラインです。
グランドトラインは120度(トライン)が3つ重なる複合アスペクトですので、通常は同じエレメント同士で形成されます。しかし、その中のひとつが星座の境目にある場合は、異なるエレメントを含むグランドトラインができることがあります。
このアウトオブサインにあたる複合アスペクトは、解釈が難しくなります。プロの占星術師さんの見解が分かれる部分でもあります。さらに、天体が3つで形成されるグランドトラインよりも、感受点を含むケースの場合は、その効力が弱くなる傾向があるーーとされます。しかし、ユリシスの経験上、感受点を含むグランドトラインであっても、やはり、その影響力はそれなりに大きなものであるケースが多いのです。
というのも、鑑定を始めた当初、<グランドトラインは幸運の大三角形である>という、一般的な解釈はどうも違うな・・・と感じていました。グランドトラインを持つクライアント様からも「グランドトラインがあるゆえに苦しい」というお話をお伺いすることが何度かありました。
そして、私自身も風のグランドトラインを持っていることがわかり、それを丁寧に検証してみたのです。ユリシスの場合は、12室の冥王星(ベスタと合)・4室の金星(木星と合)・8室のバーテックス(求められる役割を示す感受点)の3つで風エレメントのグランドトラインを形成しています。
風のグランドトラインは「知性の分野」において、何等かの才能や豊かさを持っていることになります。具体的には、コミュニケーション能力・論理的思考・分析的思考・言語的能力などです。しかし、それは生まれつきのものであり、本人にとってはそれが当たり前すぎて「自分が恵まれたものを持っている」事実自体を認識しづらいという盲点が生まれます。
自分で意識していない能力や才能はそれを活かすことも難しくなるのです。ベネフィック同士の合(吉星同士のコンジャンクション)と同様に、それに甘んじてしまい、却って、葛藤や停滞、苦しみを生み出すことが少なくありません。さらに、グランドトラインによって与えられた能力や豊かさに対して、得体の知れない深い罪悪感や羞恥心を感じていたり、それを伸び伸びと発揮することへの恐れを持っていることがあります。
例えるならば、ウサギとカメです。(そんなケースはないですが)生まれつきの能力や豊かさを持っていないカメさんの場合でも、「私はこれが好き」という情熱を持ちつつ努力を重ねると、それはやがて大きく開花します。しかし、元々、恵まれた能力を持っているウサギさんがそれに甘んじて努力もせず、環境にあぐらをかき、感謝もできないならば、結局は、宝の持ち腐れで終わってしまいます。一見、恵まれていない生まれのように見えるカメさんの圧勝ですw
そのような視点からも、ホロスコープに優劣はなく、究極のところ、星に吉凶はありません。生まれつきの才能はただそれだけのことであり、その後、どのようにそれを活かすかという「本人の意識次第」ということなのです。
グランドトラインは「生まれつきの才能や豊かさ」であり、幸運の三角形です。しかし!それを意識的に用いない限り、宝の持ち腐れになり、却って苦しみや葛藤をもたらすことが多くなります。 グランドトラインの強い力に負けないように努力と成長を重ね、世の為・人の為に使おうと決意した時、その素晴らしい才能が花開くことでしょう。
水のグランドトラインを持つ方はエンパス体質、HSP体質であることも多いと思います。優しく受容性が高い方、感受性が鋭い方は生き辛いことが多いですよね。しかし、どうぞ、広くて高い、全体的な視点を獲得してくださいね。それを木星意識、太陽意識と繋げて昇華させることで、その能力をコントロールできるようになります。
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