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リリスと天王星~原初の傷・分離の根源と和解



あらゆる問題の根源は男性性と女性性の分離であるーー
上記の動画の中でお話されているこの言葉・・・私もまさにそう思います。そして、占星術もその他のあらゆる事象も、メタファーとして残された神話とそれに共時する自分自身の意識をひも解くところからしか解明できないと感じています。



日本には「鬼」という存在がいます。神話的に、伝承文化的に語り継がれ、今も各地にその名残があります。特に「女性が化けた鬼」とブラックムーンリリス(月の遠地点)のイメージが重なります。そして、般若なるものと神話に残された女性性の悲しみが激しく重なります。般若とは「不本意ながら鬼になってしまった恥の意識、情念に取り込まれてしまった悲しみと切なさ」を表しているのでしょう。



鬼なるものの正体とは何か?それは女性性の究極の情念、根源的傷に翻弄された意識です。恨み、悲しみ、憎しみ・・・それを突き詰めると、失われた半身と一体化できなかった悲しみと絶望にたどり着きます。つまり、神話的な男性性と女性性の分離であり、あらゆる二元性から生じる分離です。そして、それは、この地上においては「男と女の決別」であり、「男と女の間に流れる深い分離の川」です。



根源にある神話的な男性性と女性性の分離とは、やがて、ありとあらゆる事象の分離に至りました。それはイコール物質と霊性の分離のことです。善と悪、能動性と受容性、光と闇、お金と精神、右と左、思考と感性、アトランティスとレムリア、拡大と縮小、賞賛と卑下、愛と拒絶・・・



それらすべてが、この地上においては「存在としての男と女」に集約されています。集約というよりも、肉体を持った男と女の融合、つまりはパートナーシップの成就を通じてしか、あらゆる分離を統合できない仕組みになっているのです。(パートナーを持たない場合は内なる男性性と女性性の統合)少なくとも、ユリシスの実体験ではそうです。私の真実では、そうであるーーと断言できます。(あくまで私の意見です)




冒頭にあげた動画の中で「愛情でもって一体となったのに、一方は、性的対象として一体となる。その時、男女の間に深い恨みが生じる・・・」といった内容のお話がでてきます。まさに、その通りだと思います。私自身はこれまで、どんな大変なことがあっても、死にたいとは微塵も思いませんでした。けれども、愛した人から裏切られた時、自らの存在をかけた愛を失った時、衝動的に死の世界へ飛び込みそうになりました。死にたい(すべてを無に帰してしまいたい)なんて思えるのは、私個人は愛の問題についてだけでした。



この情念(一体となりたいという強い願い)自体がメタファーとしての神話に描かれている神髄の部分であり、地上の男女の分離における根源的要素ではないでしょうか。神話というものは事実そのものではないと感じます。事実というよりもあらゆる意識の働きをメタファーとして表現したものです。故に、すべてを額面通りに受け取っては思考の混乱を生むでしょう。そうではなく、自らの意識と照らし合わせて、掘り下げていくことです。そうしなければ真意は理解できない構造となっています。



ひとつ誤解してはいけない点は、男性性(男性)と女性性(女性)は対等であるということです。なにも、女性(性)だけが傷ついているわけではありません。男性(性)も同じように傷ついています。ただ、現在は女性性が失われた時代であるため、女神ティアマトの神話に隠喩されているように女性性の復活が求められているのです。それは冥王星のノード軸が山羊座と蟹座に位置することからも理解ができます。



また、魚座の示す「本物のアイビリーブ」が失われることによって発展してきた過去二千年に亘る魚座時代は「信じること、個々の命が自分が自分であることを受け入れる意識」が失われた時代です。それはすなわち「暴走した男性性によって、命そのものに根差した女性性」が傷つけられ虐げられてきた時代を示しています。確かに、社会的にもセクシャリティーの面でも、女性(性)が虐げられてきた社会であったことは間違いないと言えるでしょう。


長い地球と人類の歴史においては、女性性(霊性)が優位になり、男性性(物質性)が傷つけられ、虐げられてきた時代もあったことでしょう。どちらが正しいとかどちらが傷ついているとか、そんな問題ではありません。男性性と女性性とは等しく尊いものであり、このふたつの融合と調和を得ない限り、新しい時代は始まらないーーということなのです。



直接的には夫婦間、恋人間での融合と調和ということになります。男女のパートナーシップは「全受容、許し」がないことには永続化できません。その成就に至るには、多かれ少なかれ痛みを伴います。大抵は辛く苦しい過程を踏むことになります。それは自分の正しさを全面的に手放すことだからです。そして、原初の傷、根源的愛の傷を超えていくことだからです。




男と女の性差と根源的違いの前で、私たち人類は長い間、為す術もなく立ち尽くしてきたのでしょう。全存在をかけて男を愛する女(霊性)と性的対象として女を愛する男(物質性)との間には、深い冥界が横たわっていました。けれども、その傷を超えて、元通りに統合する方法が開示された時代が到来しました。その答えは女性性の復活ーーです。



男性も女性も、自らの内側に存在している「女性性・女神性」を呼び覚まし、地上に復活させなくてはならない、そう思います。アクエリアスの先駆けの時代に生まれた私たちは皆、気がついた者から先に心を開かなくてはならないと思うのです。男性(性)により与えられた生々しい傷を癒し、そして、許さなくてはならない・・・あい別れたものをひとつに戻すために。



目の前の男性(或いは女性)を愛して包み込む。これは全く理屈ではありません。ただそれが女性性の本質だからです。死にたいくらいに傷つけられた原初の傷を携えて、この時代に生まれてきた存在。それがセクシャリティーとしての女性というものであるのかもしれません。すべては新しい時代のために・・・二元性を超えて、あい別れたふたつの魂が再びひとつになるために・・・

占星術における天体の象意は時代と共に変化します。私たちの意識が進化すれば、星もその隠されていた姿を見せてくれます。今回起こった天王星の食とは天王星の刷新なのでしょう。改革、革命、希望、理想、ニュートラル、平等と自由・・・その天王星の本質が「男女の和解にある」、天王星(水瓶座)の司る本質が「男性性と女性性の融合、許しである」と説いた占星術師がいたでしょうか。マドモアゼル愛先生のこの目の覚めるような解説に、私は度胆を抜かれました。



まさにその通りです!天王星がパートナーシップの成就をも示しているという視点で自らのホロスコープを読みなおし、私は震えるほどの感触と確信を得ました。新しい時代における天王星、本当の天王星がその姿を開示してくれたのだと感じます。



すべての人が同じプログラムや課題を持っているわけではありません。(すべての人がそうであると断言するわけではありませんので、もし、拒絶感を感じる方がおられたらお許しくださいね・・・)ただ、このテーマ(男女の融合と許し、パートナーシップの成就)は多くの方にとって「悲願」であると感じられてなりません。この時代に生まれてきた大きな意味がここにあるのではないかと思っています。

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