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12ハウス太陽

12ハウスに太陽があるーーそれだけで、とても奥が深いです。12ハウスに太陽があるゆえの生きづらさや苦しみを抱えている方に向けて、この記事を書いています。(太陽魚座さんとも共通点は多いと思います・・・)



12ハウスの太陽は大きく分けると、二通りの発露スタイルがあると言えるかもしれません。ひとつめは「人目に晒されることを好まず、アンダーグラウンドな分野で活躍し、見えないものや内的世界を探求するタイプ」です。これは教科書通りというか、わかりやすい太陽の輝き方です。



ふたつめは「むしろ社会の表舞台で活躍されるタイプ」です。12ハウスの太陽を持つ有名人としてよくお名前があがるのが昭和の大スター・美空ひばりさんです。ひばりさんご自身が強く望んで大スターになられたというよりも、早くから娘の才能に気づき、積極的にそれを売り出していかれたお母様の存在が大きかったようです。



ひばりさんは「宿命・運命=生まれた環境や背景」に強く押し出されて、スターになられた面が強いと感じられます。12ハウスに天体があれば、自分の意志とは別の何か(運命・潜在意識・集合的無意識等)に動かされることが多いのです。ひばりさんも本名のご自身と美空ひばりというご自身との間に、乖離を感じることがあったのかもしれません。



他にも、12ハウスに太陽を持つ有名人には、 山口百恵さん、高倉健さん、ヒラリー・クリントンさん、サッチャー首相など錚々たる方々がいらっしゃいます。(実際に出生時刻を確認しているわけではありませんので、もしかしたら違うかもしれませんが) 12ハウスに太陽がある人は、表舞台で活躍することを好まず、むしろ引きこもり傾向があるとされています。しかし、実際はその限りではありません。



それはなぜでしょう?恐らくは、太陽が魚座にある方もそうなのですが、12ハウスに太陽がある方も同じく「家族や帰属する集団、あるいは社会全体の集合意識を読み取り、知らないうちにそれを反映してしまう媒体としての役割を持つ」からではないでしょうか。戦後、人々は明るさと希望・日々の喜びや活力を必要としていました。美空ひばりという存在は、その集合意識のニーズを無意識的に読み取って、見事に体現してみせたトリック・スターでもあったように思われます。



歴史上に名を残す方の中に、12ハウス太陽を持つ方は少なくないーーと言われています。しかし、たとえ華々しく人前に出るお仕事をされていても、内向的な性格は保持しているはずです。感受性が強く、自己の内的世界と深く繋がる性質。類まれなる共感力や自他の区別が曖昧ゆえの慈悲深さを持っていることでしょう。



魚座太陽を持つ方の中には、一般的な解釈として言われるイメージとは程遠い方がおられます。お仕事ができて非常に有能、現実主義でシニカルで、社会の中を上手くわたっていく処世術に長けた方たちです。むしろ、乙女座的要素や山羊座的要素が美点として輝くことも少なくはありません。これは自我が融解しやすく、自分と世界との境目が曖昧なために、あらゆる要素を自在に使うことができる能力を持つゆえだと感じられます。(カメレオン型・憑依型とも言えます)



12ハウスに太陽があれば、どうしても、トリックスターやスケープゴート的な役割に導かれるのだと思います。たとえ、獅子座や牡羊座のように明確な自我の輝きを持つ太陽であっても、対家族・対知人・対社会の中の役割としてそれが与えられてしまうのが12ハウス太陽です。つまり、巫女的役割や代弁者的役割、極端な表現をするならば「ある種の人柱的役割」とも言えるかもしれません。むしろ、真夜中や夜明け前に輝く太陽です。



12ハウスに太陽がある方は、人とは違うリズムや周期を持っています。家族が困難に陥った時こそ、皆を支えることになるでしょう。周囲がよい運気に乗っている時よりも、大変な時にこそ真価を発揮します。また、多くの場合、配偶者を下から支える縁の下の力持ちに徹しており、普段は自分を押し出しません。しかし、パートナーが窮地に陥ると、ものすごいパワーを発揮します。



12ハウスに太陽が位置しているということは、他の誰にもできないような皆の精神的支えになる役割があり、また、それを見事にやってのける才覚を持っているはずです。生まれながらに自己犠牲の精神を宿していると言ってもいいかもしれません。



ひばりさんの場合、歌うことで輝く人生はご自身の喜びでもあり、また同時に大衆が求めるアイドル(夢を与える偶像)であり、人々の喜びそのものでもあったということ。それはまるで、自分自身が常に何かの媒体・反射・調整役となるように運命づけられているかのようにも感じられます。



12ハウスに太陽を持つ皆様の独特の苦しみの理由は、自分と世界の意志や希望やニーズのその境目がわからなくなるような、自分を全体に捧げることを喜びとできるような、特異な役割を生きることをひとつの使命としているからかもしれません。果たすべき役割としてそこに導かれてしまうのではないだろうか・・・ひいてはそれがご自身の大きな喜びとなるに違いない・・・そう思うのです。



12ハウスの太陽を持つ方は、年齢を重ねるごとに、以下のような性質や方向性が出てくることが多いと思います。
自分の意志とは無関係に自己犠牲の精神を持つようになる。人とは異なるリズムを宿している。周囲の人が逆境に陥った時に本領を発揮できる。周囲の人や社会全体の潜在意識やエネルギーを読み取ってしまう。周囲の人の意識を反映して、如何様にも形を変えることができるカメレオンのような性質を身に着けていく。なかなか理解されないスケープゴートであることの苦しみが存在している。



12ハウスに太陽がある人は「みんながまだ気づいていない事柄」にいち早く気づき、それを提唱しても理解されないことがあるかもしれません。他者よりも深い感性で物ごとを捉えているために、孤独や苦しみや痛みを感じるかもしれません。でも、12ハウスの太陽を持つ人は家族や周囲が苦しい時、絶対的な心の支えとなります。



窮地に陥った家族や大切な人たちに寄り添ってあげてください。これは誰にでもできることではありません。どうか、その尊い役割を誇りに思ってくださいね。自分をないがしろにすることなく、その力を発揮することができれば、太陽が益々輝いていくでしょう。そして、たどり着くべき場所に連れて行ってくれるでしょう。







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