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二つの世界が背中合わせの地球~2025年に来る土星・海王星合


私は一旦何かに集中してしまうと、力加減が分からなくなります。身体感覚が抜け落ち、寝食を忘れるくらいの状態になります。いわゆる過集中というものです。このような性質は多くの子どもが多かれ少なかれ持っています。私の場合、学校教育で課される「義務」に従うことで、この性質が緩和されました。無理やりにでも時間割や集団行動に合わせないといけないので、そこで随分と「矯正」されましたが、しかし、これは生来の性質なので、年齢を重ねた今もその傾向はなくなりません。




大人になっても過集中の性質を持つ人は意外と多いのですが、私の場合、出生図から分析してみると、思考(水星的働き)とイマジネーション・感受性(海王星的働き)が両方強く働いていて、二つの回路の切り替えが上手くできないことが原因です。水星が休みなく働きだすと思考の回路がノンストップで開いてしまい、神経が過敏になって眠れない。反対に海王星が働きだすと、変性意識状態になり、起きていても半分眠っているような状態になって、今度は延々に眠れてしまう・・・



過集中の傾向が強すぎる子どもたちは、おしなべて発達障害というひとくくりの診断を下されるようです。専門家ではない私が簡単に口に出せることではありませんが、でも、これは占星術的に考えると「個性」です。特に、海王星的性質の強い子どもたちです。そのような性質(宝もの)を持っていることを自覚して、注意の向け方や時間配分や生活様式を工夫することで、上手く活かせることもとても多いと思います。



そもそも、深い芸術性やこの世界の真の美しさは海王星の働きなしには触れることができないものです。優れたセンスや能力が障害という言葉でくくられてしまうことへの危惧と、海王星の美しい側面がどうしてここまでないがしろにされる世の中であるのかーーという憂いを感じずにはいられません。



私の場合、射手座水星が一極集中型の働き方をする傾向が強いので、ぼーっとしている時と集中している時の落差が激しく、切り替えとバランス調整が難しいですが、この性質があるゆえに、占星術の理解においても大いに助けられています。また、射手座太陽が3ハウスにあり、9ハウスの土星からオポジションで常に見張られているような状態のため、書くことや考えること(知的活動)に没頭しやすいのです。



3ハウス9ハウスの軸は神経と関わります。ここに主要な天体や強いアスペクトがあったり、ステリウムの場合、神経過敏で切り替えが上手くできない傾向、あるいは何事も極端な行動に走りやすくなります。3ハウス集中型ですと、興味のあることにはいくらでもお金とエネルギーを費やして、物事の優先順位や加減がわからなくなったりします。



また、12ハウス(潜在意識、心象世界)や2ハウス(感受性・感覚)の状態、水星・海王星、太陽・月・アセンダントの組み合わせなども過集中やその方の集中の仕方に影響があります。でも、偏りこそが個性であり才能なのです。バランスを図ることを忘れなければ、偏りは素晴らしい能力となります。



私はここ最近、海王星のイマジネーション力を如何に上手く使えるか、海王星を現実逃避にならないように使うにはどうしたらよいか、というテーマに意識が向いています。海王星をフィーリング・感性だとすれば、それを調整できるのは現実感覚と理性(土星原理)です。




これはとても難しいテーマです。現実感覚を完全に保ちながら、海王星の感受性世界を見事に発露させることは不可能に近いと思うからです。でも、この世界は二重構造になっていて、心象風景や夢の中の世界は「もうひとつのリアル」なのです。もうひとつのリアルが抜け落ちた世界は無味乾燥で色のない世界です。そこには夢も美しさも芸術性もありません。



夢やビジョンを鮮やかに描く力こそが、本当の魔法なのです。そんなことはありえないという思い込みや常識こそが、夢やビジョンの現象化を阻むものです。子どもたちはみんな魔法使いです。大人たちがよってたかって、その魔法を奪うようなことは止めなくてはなりません。(障害だなんて言わせない!)



この世界は神秘と不思議に満ちています。物理次元世界の常識では信じられないような出来事が起こります。(冥王星が水瓶座に入る度に、この物質世界の密度が緩くなり、私自身もいわゆる時空移動なる体験を垣間見ています・・・)



私たちにとって、決して現実逃避をせず、現実感覚を保つということは絶対的に必要なことです。そして、もうひとつ、海王星的世界であるイマジネーションや心象世界を否定しないことも、同じくらい必要なことなのです。その力を否定すると、物理次元(土星までの世界)に閉じ込められて、霊性次元(天王星以降の管轄である水瓶座時代)に進めないからです。



2025年に牡羊座で土星と海王星が重なります。(0度30分の誤差)私はこの土星・海王星合がとても気になっているのですが、だんだんとその意味がおぼろげながらわかってきました。占星術研究家・門馬寛明氏は「土星・海王星合は至福の暗示」と仰っています。また、門馬氏から占星術を学ばれたマドモアゼル愛先生は「土星・海王星合は人間の神性と悪魔性が同時に発露する配置」と仰います。



私たちの内には神なる意識と悪魔的意識が同時存在しています。真理へ向かおうとする意識と堕落性の中に堕ちていこうとする意識です。つまり、低い自我や肉体的欲望を超えて、真我と全体性に目覚めることが神性の発露と言えるでしょう。神性を発露できた時は本当の理想の実現という至福をもたらし、悪魔性に堕ちていった時には自我と現実の崩壊をもたらす。それが土星海王星合の意味するところでしょう。



悪魔性が優位になり自我の崩壊が起こると、広く高い視座、自分を律する力や現実的視点、夢を実現する力や希望を失い、依存症や分裂的状態に陥ります。しかし、神性の発露に向かうことができると、自我を保ったままでより大きな世界(自由かつ秩序に満ちたありのままの世界)へ出ることができます。それは現実感覚と自我を保持した状態で、もうひとつの世界を統合・顕現させることを意味します。



きっと、2025年はひとつの大きな分かれ目です。目が開く、目が醒めるとは二重構造の世界をはっきりと見定めることかもしれません。現実の背後には「無限の内的宇宙」が存在しています。目の前の現実とは「如何様にも変化しうる波動の波」であり、それは広大な意識の世界に支えられて存在しています。そのことを本当に知っているならば、私たちに不可能はありません。どんなことだって、思い描くことを現実化することができるのです。






私はレジン作品を制作するのが好きなのですが、これは「私の不知火海」を表現したものです。かの有名なチッソ水俣病事件により、有機水銀で汚染された不知火海。人間の悪魔性によりコンクリートで封じ込められた姿が「現実世界に現象化された不知火海」です。しかし、不知火海を故郷に持つ私の内的宇宙には「珊瑚が豊かに拡がり、様々な命が躍動する美しく透明な不知火海」が永遠に存在したままです。どちらも真実なのです。ふたつの世界は同時存在しています



きっと、水銀の悲劇を味わった多くの住民たちの内的世界には、同じように美しいままの不知火海が存在していたに違いありません。だからこそ、不知火海は再生できたのです。私の内なる不知火海は一度も汚されたことなどなく、これからも永遠に美しいままです。私たちの内側には「奪われても奪われても、決して穢されないもの」があるのです。それが本当のリアルです。



そして、それこそが希望と夢であり、現実を創造する原動力そのものなのです。イマジネーションの力や内的宇宙(海王星)を否定することは、私たち自身と地球の可能性を封じ込めることです。ひとりひとりの内的宇宙ーー芸術性や創造性を発揮していくことが本当の至福を与えてくれるものなのです。




私たちの内側には「小さな自我や肉体レベルに囚われない、もっと広大で神性を宿した夢や希望」が存在しているはずです。それをありありと鮮やかに描くのです!あり得ないーーなんて誰が決めたことなのでしょう。心象世界やイマジネーション世界はただの空想であり絵空事であるーーなんて全く事実ではないと思いませんか。




海王星の本当の力を使うためにも、私たちは月に囚われている場合ではないのです。信じ込まされている嘘や虚像を超えていくためにこそ、海王星の愛は存在しているのだと思います。目を開き、醒めた意識で現実をしっかりと生きながら、私たちの内的世界を守りましょう。そして、みんなで「至福の暗示」をこの現実世界でこそ体験しましょう。

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