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土星から逃げない生き方~人生の極意

土星は簡単には理解できない天体です。特に、心理占星術的には本当に奥が深く、自分自身の土星の全体像を捉えようとしても難解すぎて、ため息が出そうになります。心理占星術としての土星は「私たちが持っている制限の物語」であり「物語が創り出した心理的ブロック」であり、「本当は何より取り組みたいと願っている課題」でもあります。



土星の課題に取り組むことでこそ、真の自由と達成、生まれてきてよかったという満足感を得られることを、私たちは深い場所で知っているからです。土星の課題から逃げていても、いつか必ず帳尻合わせが行われることを、私たちの魂は知っているのです。土星が12のハウスを通過する時、大抵はそのハウスの事柄において、何らかの圧がかかってきます。それは逃げたくなるような、重苦しくて面倒くさいような感覚として感じられます。



私たちはそのような感覚を得た瞬間、瞬時にそれを回避しようとします。人間は堕落性を持っているからです。実は、土星が私たちの出生図の天体やアングルに対して、0度、90度、180度の角度(ハードなきついアスペクト)を取る時だけ、土星が働くわけではないのです。たとえば土星が60度や120度の角度(ソフトな良いアスペクト)で出生図の天体やアングルに働きかけたとします。その時も、もれなく土星は「かすかな信号や緩めの圧」を送ってきています。



それは非常に注意深く感じ取らないとスルーしてしまうくらいの「微細な圧」として現れます。たとえば、それは歯の痛みかもしれません。微かな違和感や抵抗感かもしれません。または、偶然届けられたかのような誰かからのメッセージとして・・・かもしれません。自分としては決してやりたくないけれど、本当はこれをやっておいた方がいい気がするーーそんな感覚であることも多いでしょう。



大事なことは、この微かな圧の段階でそれをスルーしたり、逃げないことです。この微細な圧を無視してないがしろにしていく、その積み重ねこそがトランジット土星がハードアスペクトを形成した時に、爆発的困難や試練や転落となって現象化するからです。小さな信号に応えていく、真摯に地道に自分を律する努力を重ねていく姿勢を持つことができたなら、土星は私たちに「実のある成功や成果」を必ず与えてくれます。




このように、土星と共に発展・成長していくことが最も安全な生き方なのです。土星が求めてくる課題を無視して成功を手に入れたなら、やがて必ず転落を見るでしょう。人生には一時的に幸運が来ることがあります。突然の昇格や高い評価、力ある人物や組織からの後ろ盾など。しかし、それはある意味、土星が私たちを試しているとも言えるのです。実力や努力に見合わない成功や幸運がきた時、そこで舞い上がったら、終わりです。



土星は着実なものしか後に残さないからです。インスタントな成功や幸運に甘んじていたら、やがてすべてを失うことにもなりかねません。(私は実際にそうなりましたw)取り組むべき重たい事柄や七面倒臭いと感じることから逃げていると、いつか必ず、その対価をドカンと支払う時がやってきます。地球人生の厳しい掟ですね・・・



土星の課題はここまでやれば終わりというものではなく、非常に複層的です。太陽がどこまでものびやかに成長していく時、土星も必ずついてきます。つまり、土星の獲得にも終わりがないのです。現実的に土星の力が作用する時、制限や不自由さとして現れます。私たちの成長に応じる形で、段階的に具体的試練や困難を与えます。そこから逃げ続けるとどうなるか・・・一度体験してしまった私は、もう二度と、同じことを繰り返したくはないのです。地獄のようにしんどいからですw



心理占星術家・リズ・グリーンは「太陽・月・アセンダントに土星を加えた枠組み」を理解しない限り、出生図の核心部を読むことができないーーという旨のことを仰っています。本当にその通りだと思います。土星を無視していると、やがて大きな痛手や崩壊を見ることは明らかだから。そして、MCの実現はおろか、この世に生まれた目的を達成できないからです。



土星から逃げたいーー当たり前の人情ですよね。逃げるも自由、受け入れるのも自由。どちらの体験も味わい深いものですねw私は逃げないで取り組むぞ!と思った方は是非、「自分の土星」について考察してみてくださいね。土星はあなただけのために、オーダーメイドで綿密に創られた課題と働きです。この人生をどこまでも伴走してくれる厳かな先生でもありますし、大木のように見守る威厳あるお父さんのようでもあります。



たとえば、土星が蟹座か4ハウスにあれば、感情に向き合うこと・慈愛がテーマになるでしょう。両親のどちらかから、あるいは人生のどこかで「感情を無視された激しい痛み」を抱えるでしょう。その狂おしい苦しみを糧にして、自分自身と他者の感情に寄り添っていくことが求められるかもしれません。あなたが成長と発展を得るごとに、さらにレベルの高い慈愛とホスピタリティが要求されます。命への慈しみ、思いやりと共感という忍耐強い愛の在り処をどこまでも追及していくように、土星が働きかけてくるでしょう。




たとえば、土星が乙女座か6ハウスにあれば、奉仕の精神・無私の精神がテーマになるでしょう。コツコツと積み重ねる地道な努力こそがあなたを高見に誘ってくれます。乙女座の神話の女神のように、人々に従事して支える精神・全体への奉仕が求められます。その時、自分が認められたい、賞賛されたい、自分の働きとして讃えられたいという承認欲求が顔をのぞかせると、土星は気づきを与えようとして「何らかの苦しみや制限」として働きかけるでしょう。



たとえば、土星が射手座か9ハウスにあれば、自分自身こそが生きる指針となる段階にまで精神性を高めることがテーマとなるでしょう。宗教や神なるものや、権威や目上の存在を生きる指針や判断基準としている限り、土星が試練を与えます。外側に自分を支えるものはないのだ、誰も何も私を裁いたり、私を方向付けるものなど存在しないのだーーその直感的で絶対的な神話的基盤を自らの中に見出すまで、土星はさらなる課題や孤独や不自由さを与えてくるでしょう。




それぞれの土星の信号を無視しないことが大切です。勿論、上記に書いたことは土星の一部です。逃げたいこと、重苦しいこと、できれば回避したいことの中に、皆さまの土星からの信号やメッセージが必ずあります。それを見落とさないように、土星と共に生きることができたなら、最大のギフトを手にすることができます。土星の試練から逃げないように励まし合えるのが、本当の仲間であり友だと思います。本当の友でありたいですね。





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