【新アニメ】キャロル&チューズデイが熱すぎる。

やばいアニメ始まりましたね。
キャロル&チューズデイ
17歳の女性ミュージシャン2人が一緒に夢を追う物語です。設定を聞いただけで熱い!

第1話を観て、いろいろと熱いポイントはあったのですが、何より感動したのは「歌」でした。
アニメのために作られた歌は、どうしても「アニメのための歌」になり、「作曲者や歌い手の心から溢れ出た歌」という設定が偽物っぽくなりがちです。
しかしキャロル&チューズデイの歌唱シーンで私は、「これは嘘のない心からの表現だ」と感じたのです。

ここはNY?それともTokyo?

火星の「アルバシティ」という街が舞台の、AIがより生活に組み込まれているちょっと未来の物語のようですが、風景はニューヨークのようであり、文化は現代の日本のようでもあります。

キャロルがアルバイト先で受ける、客からの暴言、セクハラ。
チューズデイが乗る押しつぶされるほどの満員電車。
アンジェラが出演する飲料CMの「私をもーっとギュッとして!絞ってギュギュッと!」というクソダサいセクハラ表現。
ものすごいリアルです。火星に文化が生まれている未来でもこんな状況なのかと思うと絶望感に襲われますが…

しかしこのSF設定は、先進国ぶってるアジアの特殊な国・日本で作るアニメで、人種バイアスやジェンダーバイアスに対抗する表現をするのに、現実社会から少し離れた位置に世界を位置づける必要があったのかも…と思います。
これが現実のニューヨークの設定だったらセクハラ大国の日本がどの立場でこういう表現をする?って話になりますからね。
もしくは、ニューヨークで夢を叶える昔ながらのサクセスストーリーに、日本社会でのジェンダー問題を盛り込みたかったためにSFにしたという説もあるかもしれません。

中の人が熱い

キャロルとチューズデイの歌声にあまりに説得力があったので、これ歌ってるの誰?と調べてみたところ、この作品、歌パートのキャスティングのために全世界オーディションを開催していたそうです。

選ばれた歌声キャストは、アトランタで音楽活動をしているアーティストNai Br.XXさんと、シンガーソングライターのCeleina Annさん。
この2人、ビジュアルまでキャロル&チューズデイのイメージにぴったり。

2人の声のトーンも似ていて、ユニット感もばっちり。
巨大な都会でひとりぼっちの少女たちの心情と、彼女たちのすうっと染み入るような声が実にマッチしていて泣かせます。

そして、もう一つ驚いた中の人事情は、1話と2話の脚本担当である赤尾でこさん。
すごい脚本だな!この人誰?と思ってググったら、なんと三重野瞳さんの筆名だったのですね!認識不足失礼しました…。

アニメは回ごとに脚本家が変わることが多いので、今後どれくらい赤尾さんが書いてくれるかはわかりませんが、自らも女性歌手としての経験がある赤尾でこさんの描くキャロルとチューズデイのストーリーには、自ずと期待せざるをえません…!

アンジェラに注目したい

キャロルとチューズデイの他にもう1人、歌手を目指す少女が、子役出身モデルのアンジェラ。

クソCMの撮影でマネージャーにブチ切れてクビにする強気キャラですが、撮影時は思いっきり振り切ったぶりっ子を演じてみせるプロ意識も感じさせます。
マネージャーをいじめたいと明言する、なかなかにキツイ性格っぽいですが、アンジェラがクソCMにキレるのは正当な怒りであって、わがままではありません。

今後ただのわがままなヒール扱いではなく、キャロル&チューズデイと同じように夢を追う一人の女の子として描かれていってほしいな…と思います。
まあチラッと出た苗字がカーペンターだったので大丈夫かな、と思いますが。
ありふれた苗字ではありますが、音楽がテーマで、しかも主人公が実在の洋楽ミュージシャンを憧れの存在として挙げているこの作品において、名付けの背景にカーペンターズが無関係とは思えないですから…

あと、アンジェラのステージママであるダリアさんがヘアスプレーのエドナママを彷彿とさせるのですが、ちょっと娘を束縛気味なダリアママをアンジェラが「ヘイ!ママ60sへようこそ!」とばかりに新しい価値観へ連れ出したりしたら、むちゃくちゃ熱いな〜と思うんですが、どうかな、そんな展開あったらいいな。

まあ、まだまだ今後の展開はわかりませんが、第1話の時点でかなり熱い気持ちにさせてくれたガールズムービーでした。
曲と歌い手が素晴らしいことは間違いないので、ぜひ一度観てみていただきたいと思います。
第1話を見逃したという方も、Netflixの配信や、BSフジ(無料)で一週間遅れの再放送があるので、まだ間に合いますよ!

文・宇井彩野

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