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さよなら。

それは、突然だった。

悲しくて、悔しくて、辛くて、

何で気づけなかったのか

何でこうなってしまったのか

混沌とした想いが頭の中を駆け巡っていた。


でもここで取り乱してはいけないと

必死に 耐えて、堪えて、


相手と向かい合って

我儘だとは分かっていたけれど

一言呟いた。


「お願い、私の名前を呼んで」


他の誰かではない。

今だけは、私を見て。


「                    」


その時、私は泣きながら笑っていた。

自分でもよく分からないけれど

きっと、あの時 「幸せ」だった。


そう、幸せだった。


他の誰かが何かを言おうと

間違いなく。


夜景の見える最上階のレストランじゃなくていい。

洒落た服を身にまとっていなくてもいい。

決め台詞なんていらない。


名前を呼んでくれた。


それだけで、幸せだった。



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久しぶりに下書きを見てみたら、2019年9月に書いたこの文章が残っていた。今は2022年1月。

あまり積極的に思い出したい記憶ではないから消しても良かったんだけど、記録として残しておきたかった。

一生懸命生き抜いた証として。

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あの頃の私へ。

辛かったね。よく頑張ったね。

途中で逃げ出さずに最後まで耐え抜いて、

大嫌いと言われたヘラヘラした笑いを貼り付けて、

私はその手を振り払った。

ひとり泣いた、秋晴れのトーキョー。

こんなに人で溢れた場所で

私はぽつんとひとり。

ただ踏切の音だけが鳴り響いていたのを

鮮明に覚えている。


ありがたいことに友達に恵まれていて

朝早くからずっと話を聞いてくれて

すぐにひとりではなくなった。

その友達には今でも本当に感謝している。

救い出してくれてありがとう。

いつも味方でいてくれてありがとう。

あなたはこの先もずっと私の親友です。


名前を呼んだあの人は

きっと今もトーキョーで

器用に生きているんだろうな。

元気にしていますか。

そちらの世界はどうですか。

私はあの頃とは違う。

あなたが嫌っていた世界にいるよ。

そしてわたしは今、

あの頃よりも間違いなく


幸せ


です。


あなたがいないこの世界でも

私を認めてくれる人がいる。

私のことを愛してくれる人がいる。

色鮮やかで大好きな世界なんだ。


言いたかったことはそれだけ。

ありがとう。さよなら。

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