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iDecoの枠を最大活用することは本当にベストな選択なのか?

会社員なら月2.3万円、自営業者なら月6.8万円、これがiDeco掛け金拠出の最大枠。所得控除を最大限に活用したいなら、MAXで掛けるのが当然。 という論を見かける。 確かに、その通りであることも多いが、受給時の税負担を考慮するとこれが最善の選択にならない可能性もある。以下で試算する。 本稿は、私の力量不足でとうてい分かりやすい仕上がりとはできなかった。しかし、個人的にも参考情報として残しておきたいためノートとして掲載する。 結論から 拠出時の所得控除効果を別としても、

    • 積立投資の長期取り崩し

      積立期間とリスクの関係。積立期間が長いほどリスクを下げられる。 さらには。 積立が終了し、それを使うために取り崩す間にもファンドは成長する。 そして、その期間が長ければ、より低リスクでリターンを得られる。 積立期間とそのリターンに関しては多くの記事で解説されており、バックテストでの検証ではおおむね15年以上積み立てればほとんどのケースでプラスのリターンが得られている。 ここで言及している「プラスのリターン」(あるいはマイナスのリターン)は、積立期間終了時の評価額をベースに語

      • iDecoの税効果

        iDecoをどのように活用するべきか、判断材料のひとつとなる「税効果」についてまとめた。ここでの「税」には所得税・住民税に加えて社会保障負担(国民健康保険料)も含めて考慮している。 なお、税率について復興特別所得税は省いて試算する。 iDecoの税効果は大きく分けて三種類  (1) 掛け金を拠出する際の所得控除による税負担軽減  (2) 退職金相当として一時金を受け取る際の税負担  (3) 年金として継続的に受け取る際の税負担 有利な受け取り方 概して、年金受取よりも

        • 新NISA向けインド株式投信(2024年3月)

          新NISA開始に前後してリリースされたインド株式を対象とした投資信託の情報をまとめてみた。掲載している情報は原則として2024年3月時点のもの。 まず、まとめから ・インド株対象の低コストファンドが最近になって続々リリースされた ・インデックスファンドの信託報酬(等)は年率0.5%以下 ・アクティブファンドの信託報酬(等)は年率約1%程度 ・個人的お勧めは iFreeNEXT もしくは eMAXIS のインデックスファンド 最近の動き ここ一年の間に、新NISAの開始

        iDecoの枠を最大活用することは本当にベストな選択なのか?

          【試算】高コスト投信から低コスト投信に乗り換えないほうが良い場合もある

          昔買った投資信託。最近の投信に比べるとコストが高い。  「じゃあ、最近の低コスト投信に乗り換えよう!」 長期で考えるならば大抵は正しい選択となるが、場合によっては乗り換えないほうが良いこともある。 何故か? 乗り換えの際に通常発生する税金がその後の運用成果に影響するからだ。 乗り換えなかった場合、払うはずだった税金がさらに利益を生み出すことになる。 その利益は、  乗り換え時点の含み益 × 税率 × 今後の運用利益率 × ( 1 - 税率 ) となる。 乗り換え時における

          【試算】高コスト投信から低コスト投信に乗り換えないほうが良い場合もある

          NISA枠で日本株投資 低コストファンドの選択

          新NISA枠でのファンド購入が、実質的には本日2023年12月26日から始まった。主なファンドの受渡日は約定の3~4日後であり、受渡日が4日後のファンドについては本日約定分から受渡日が2024年となり、新NISAの対象取引となる。 そんなわけで、日本株インデックスファンドを買うならどのファンドにするか、コストで比べてみた。 結論:どのファンドを選んだか? 私個人としては、「ニッセイ日経平均インデックスファンド」を選択した。 TOPIXをターゲットとするファンドから選ぶ場合

          NISA枠で日本株投資 低コストファンドの選択

          投資リターンの見当をつけるため、S&P500過去推移を評価する

          2023/12/23データの理解に誤りがあったため関係する箇所を追記・修正しています。 ※以下、2023/12/23追記 S&P500のデータを配当込みとみなして分析していましたが、実際は配当控除後のデータでした。実際のパフォーマンスは配当分だけ向上します(およそ年率2%)。対象としたデータについては「備忘録:分析対象データについて」の項にて。 ※追記ここまで 「どの程度のリターンを期待して長期投資を設計すべきか?」 ファイナンシャルプランニングや非課税枠の活用プランにお

          投資リターンの見当をつけるため、S&P500過去推移を評価する

          新NISAでインド株ファンドに投資

          (2024年3月追記) 新しいファンドのリリースなどがあったため、情報を更新した記事を投稿しました。↓をどうぞ。 以下、旧記事。 「今、インド株が熱い!」 このフレーズはBRICSがフィーチャーされていた20年前にも使われていた。 アフターコロナ、そして新NISAを迎えて、最近またそのフレーズが使われている。以前との大きな違いは、BRICSのなかでも中国の経済がいったんピークを迎えてしまった可能性があること、ロシアへの証券投資がほぼ選択対象外となってしまっているといった世

          新NISAでインド株ファンドに投資

          全米・全世界対象の新ファンド

          実績報酬併用型の全米株式・全世界株式ファンドがあらたにリリースされた(2023/11/27設定)。 https://go.sbisec.co.jp/prd/fund/smt_iplus.html https://www.smtam.jp/fund/detail/_id_510221/ https://www.smtam.jp/fund/detail/_id_510222/ 情報をまとめ、買い方について検討してみる。 SMT iPlus 米国株式 運用報酬 年率

          全米・全世界対象の新ファンド

          情報収集:インデックスの情報

          MSCI社だけでもオール・カントリー・ワールド、ワールド、コクサイ、 MSCI USA、MSCI USA IMIなど似たような名称で若干異なる指数を提供している。情報を集めてここに載せておくこととする。(随時更新予定) (最終更新2024/04追加: 日経平均プロフィル) MSCI指数MSCI指数ハンドブック https://www.msci.com/documents/1296102/3556282/2017%E5%B9%B42%E6%9C%88_MSCI%E6%8C%8

          情報収集:インデックスの情報

          AGG米国総合債券市場 ETFについて考える

          概略2023/10現在、米債券の価格低下(金利上昇)により債権への投資妙味が高まってきている。もちろんそこにはさらなる金利上昇のリスクはあるものの、債権への投資ウェートを高めるつもりの人、債権をこれからの投資対象として考える人も増えてきているのではないだろうか。 一般人が債権に投資するには、債券を直接購入する方法と、債権を投資対象とする投資信託・上場投資信託を購入する方法の二通りある。 今回は、後者の上場投資信託としてもっともメジャーなひとつである 「AGG: iシェアーズ

          AGG米国総合債券市場 ETFについて考える

          ファンド/インデックスの時系列データ(ヒストリカルデータ)を取得する

          概略投資対象資産の今までの評価額推移を分析することは、投資への取り組みを検討する上でとても有用。その準備としてファンドやインデックスの時系列データ(過去データ)を取得する。 対象データサンプルとして、米国総合債権市場インデックスをベンチマークとするETFである AGG の時系列データを取得する AGG: iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF ( iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF ) https://www.blackroc

          ファンド/インデックスの時系列データ(ヒストリカルデータ)を取得する