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土星くらいなんどでもいってやる

Primeビデオはすべての作品がずーっと無料配信されるわけではなく、一定の時間がたつと有料配信に切り替わるばあいが多い。

というわけで、いまぼくは「まもなく配信終了」の映画を見るのに凝っているのである。今日はタダで見れたのに明日になったら300円かかるのだ。翌日、再生ボタンに300円と表示されているのを見て「ふふトクしたな・・」とほくそえむのが快感だ。昨日もそうするつもりだった。

昨日で配信終了したのは『スティーブ・ジョブズ』(2013年版)である。見ようとおもってページを開くとタイトルの下に上映時間が書いてある。2時間7分だ。まあまあである。だがその下に「あと28分で配信終了します」とある。。。

28分で2時間の映画は見れない。長湯しすぎた。クソ、見たかったのにな・・と、いったんそこで心が折れたのだった。そして仕方がないから『007』でも観ようと思ったそのときひらめいたのだ。

「まてよ・・メンタルの強い人はここで心が折れないのではないだろうか?スティーブ・ジョブスなら、たとえ28分しか見れないとわかっていてもまよわず2時間7分の再生ボタンを押すのではないだろうか?」

よし、ひとつ気分を変えて『スティーブ・ジョブス』がプツッと切れる瞬間をみようではないか。そう考えてページに引き返すと「あと26分で終了します」と出た。かまうことはないメンタルだ!

そうおもって見始めると、世間ではあまり評判がよくないが良い映画だとわかる。まもなく26分がやってくる。。まだ「Apple II」も完成してないのにここで切れてしまうのか・・いやいやメンタルが大事。

しかし、30分たっても40分たっても映画はとぎれることなく再生され続けた。なぜだろうか?

そこで気づいたのである。ぼくのようにプツッと切れる瞬間を見たいとおもうのは変人だけである。「まもなく終了」の表示に気づかないで見始める人もいるだろう。そういう人に対して映画がプツッと切れたらどういうことになるだろうか。「Primeビデオってクソだな」と思うはずだ。

90年代からずーっとアマゾンを応援してきたのにこの仕打ちかよ。
Primeビデオ最悪!

などとnoteに書かれる。そういう人が数百万人SNSにあふれたらどうなるかというと、ずばりベゾスは二度と宇宙に行けなくなるのである。

いま確認したところ『スティーブ・ジョブス』(2013年版)のレンタルは204円である(作品ごとに変動します)。

つまり、ぼくは冒頭の26分でだいたい50円ぶんは見ていた勘定になる。そしてアマゾンがのこりの154円をケチってしまえばお客さんを1人を失う。

「のこりの154円分をみせてやれ。その方が安くつく」ということなのだなあと思いなおして最後まで観た。つまり「宇宙なんかなんどでも行ってやるぜ」ということなのだろう。

ジョブスも生きていれば「土星くらいなんどでも行ってやるぜ。しかも一瞬でな」くらいのことは言ったかもしれない。というわけでPrimeビデオは配信終了直前に見はじめても途中で再生を止めないかぎりは最後まで見れるということがわかりました。


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