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生きるってたいへんなこと

つくづく、生きていくって、大変なことである。

生まれてくるのも大変だし、死んでいくのも大変なことで、それだけでも大変なのだが、生きているあいだは、心身のバランスをうまいこと保たなければ楽しい気分ですごせない。

「心身のバランス」というと簡単そうだが、じつはおそろしく難しいことで、ほとんどの人はそれすらできていないし、ぼくなんかも、へとへとだ。

それだけもむずかしいのに、そのうえ世の中では・・

民間軍事会社を創設して、国に反乱を起こし、プライベートジェットで逃げ回って、撃墜される

などというおそろしくめんどくさいことをやっている人たちがいる。しかもうじゃうじゃいる。歴史上この手の人が後を絶たない。

道端の花にも劣る

こういう「かしこい人」の心身のバランスがばっちり整っているかというと、たいていの場合、バランスは大きく崩れており、それが権力欲に化けたりして、結果的に道端の花ほどのプラスももたらしていない。

とりあえず、飛べるジェット機を撃ち落とすだけでももったいないので、撃ち落とすくらいなら「ぼくにくれたらいい」んじゃないだろうか。ヤフオクで売ってこずかいにするので。

一方、この件について、一般人がSNSであーだこーだと知った風な議論をするのも、道端の花ほどの心地よさすらもたらしていない点では同じ穴のムジナだ。

欲しいものはない

今朝つくづく思ったんだけど、ぼくにいま欲しいものはなにもない。ぜんぶすでにあるか、ちょっと工夫すれば手に入るところにある。

飢えてないし、雨露をしのげているし、いまのところ災害も戦争にも巻き込まれていないし、犯罪にも交通事故にも巻き込まれていないし、難病にもかかっていないし、これ以上、なにが足らないのだろう?

ピカピカの車?新しいプレステ?流行の服?おいしいもの?海外旅行?頭が良くなりたい?出世したい?世間の賞賛を得たい?ネットでバズりたい?

欲ボケ

しばらく前にこのnoteでドキュメンタリー映画『精神』というのを紹介した。精神科の診療所を取材したフィルムで、山本先生というエライ精神科のお医者さんがこういうことを言っていた。

こんな欲ボケした時代に、病気を患って生きていくというのはたいへんなことなんじゃ

この「欲ボケ」という言葉がこころに残っており、以来、ほとんどの消費欲は心身のバランスの崩れから来る「欲ボケ」だと思うようになった。

「世界で一番貧しい大統領」が言っていることと同じようなことだ。

命よりも高価なものは存在しません。ハイパー消費が世界を壊しているにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。

唯一この世に足りないもの

僕の考えでは、この世に絶対的に足りていないものが1つだけあると思える。それは難病の治療法だ。もっと多くの難病が治るようになってほしいし、そのためには科学と医療にもっと発達してほしい。

そのためには、科学者と医学者の人たちにがんばってもらわねばならず、一般人にやれることは寄付くらいしかないのだが、そのお金が足りないといえば、足りない。

それ以外の「問題」とされているものは、環境問題も、戦争も、ムヒカ大統領がいっているとおりすべて政治問題にすぎないのだろう。人間の欲ボケを助長する社会が生み出しているだけだ。

もしかして老害かも

ショボいことを言うようだけど、ぼくは今食べているものを食べられて、そして、寝る場所があって、近所の公園を散歩出来て、それで古い映画でも見ていられたら最高である。映画がなければ小説でもいい。

AIを使って自分をかしこそうに見せたいとも、ピカピカのクルマに乗りたいとも思わない。

いい大学に入っていい会社に入ったり、部長に昇進してローンを組んだり、メイド喫茶やキャバクラに通ったり、クラブで踊って、ドラッグをやりたいとも思わない。。

ただし、こういう考えはまちがっているのかもしれない。ぼくはすでに老外化していて、若い人の健全な欲望を理解できないのかも。

正直なところ、わからないのである。ものすごく簡単なことを言っているような気がするんだけど、それは人の業(ごう)をわかっていないだけなのかもしれない。


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