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アナログで映画を見るとなぜか感動する

レーザーディスクというのはレコードくらいのデカさのDVDみたいなものである。左側のやつだ。DVDと同じく映像を記録する。

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日本独自の技術であり、バブル期の勢いを象徴するテクノロジーだった。DVDはデジタルだがLDには実はアナログ信号が入っている。しかし説明がめんどくさいのでそこはカットします。

ところでレーザーディスクで不思議な体験をよくする。発端は『もののけ姫』だった。ぼくは『もののけ姫』のLDとDVDを持っているのだが、DVDは見始めて30分で飽きる。そして「あとで見よう」と思って一度も最後まで見てない。

しかし、LDは見始めると毎回一気に見てしまう。そして途中でかならず泣く。何度もためしてみたが過去20年間にわたり同じである。LDとDVDでいったいなにがちがうのだろう?

そして最近『スターウォーズ帝国の逆襲』でも同じことが起こった。この作品は小学校6年ではじめて一人で見に行った作品でありぼくの映画人生の原点だ。ながくLDを持っていたのだが、最近なんと4K版を買ってしまったのである!やったぜ!しかし前半(ヨーダに出会うあたりまで)を見て

・・こ、こんなにつまらない映画だったのか・・

と落胆したのである。初恋の人に再会したら「青春を返せ」になった感じである。ガーンである。ところがそのあと思い直してLDで見直すとやはり傑作だったのだ!

じつはケビンコスナーの『ボディガード』でも似た体験をした。LDはもってないが妻の会社からもらったVHSビデオがある。福利厚生で社員に貸し出していたものらしくケースに貸し出しカードがはさまっている。いろんな人の名前が書かれているのがほほえましい。

そのVHSでボディガードをみるのがすきで10数回見ているのだが最近アマゾンプライムでフルHD版を見る機会があった。そうしたら・・つまらないのである。がっかりして途中でみるのをやめてしまった。しかし、気を取り直してVHSで見直したらやっぱり面白い。なんなんだ?

こたえはわからないが『エイリアン』は逆だ。アナログではまあまあだったがフルHDで感動した。『地獄の黙示録』もフルHDのほうがいい。後半に暗い画面が多くなにをやっているのかわからないことがおおかったがフルHDではぜんぶわかる。

たとえばフレデリック・フォレストが無線で爆撃要請をする直前に「ねすごしちまった」とつぶやいて体を起こすのだが、これまでは本当にねすごしているのだと思っていた。しかしフルHDでみると寝転がっているあいだも目が光っている。つまり「ねすごした」というのはウソでほんとうは空軍を呼ぶかどうかずーっと悩んでいたのがわかる。

がっつり作りこんでいる映画ほどデジタルリマスターで輝きを取り戻すのかもしれない。『帝国の逆襲』や『ボディガード』はフルHD でみてしまうと粗が目立つのかも?

だがそれでは『もののけ姫』を説明できないのである。デジタルでは入り込めないがLDで見ると確実に泣く。しかし原因をつきとめるまえにアナログの時代そのものが終わってしまった。ネッシーが発見される前に死んでしまったようなものである。

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