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菊、あじさい、ハイビスカス

お笑いにはあまり興味がない人生だったが、このコロナ禍で初めて「面白い」「ライブを観に行きたい」と思える芸人さんと出逢った。

その名も「エレガント人生」
吉本興業所属の男女コンビで、主戦場はYouTubeやTikTok等のSNS。
いわゆる賞レースには参加しないしTVにもほとんど出ないので、知名度はあまり高くないだろう。


ヲタクからギャルから幼女からおばあちゃんまで、時には性別すらも超えて変幻自在にあらゆるキャラクターを2人でこなす。
男女コンビならではのリアルなカップルのあるあるや、こういう人いるよね〜(会ったことないけど)という絶妙なポイントを突いてくる癖強キャラ等、その着眼点と解像度の高さ、そしてそれらを見た目から滑舌から目線の配り方から、よくもまあそんなに見事に演じ分けられるな、というくらいの演技力で表現する2人。


そんな2人の、去年に引き続き2度目となる単独ライブ開催。
去年は現場のチケットが即完で行けず、今年は日程的に「お盆休みの初日」という、「電車に乗って東京に行く」のが個人的に躊躇われる日程だったため、去年に引き続き今年も配信チケットを購入して視聴した。



エレガント人生のネタは基本的に、強烈なキャラクターが出てきても、それらは「愛すべき対象」として描かれている。
なのでとんでもないヤバいキャラ(笑)でも、最終的に「おもしれえ、、!」みたいに好意的に受け入れられる構図が多い。

そしてただ単に面白いだけではなく、泣けるようなメッセージ性や複雑に絡み合う相関図、壮大な伏線回収等、ひとつの映画を観たかのような充実感を得られる。
(実際配信チケットの値段は映画1本分の値段と同じなので、むしろ1回きりしか観れない映画より、配信期間中何度も観れるのでお得だ)



今回の主軸は、幼少期から「親が求める高いレベルの限られた範囲内の"自由"」に縛られて生きてきた主人公が、「本当の"自由"」を求めて自分の人生を生きていく、ということ。
何事も「限度がある」と制限されて、親の求める"正解の回答"を選んできたから、自分が本当はどうしたいのか分からない、自分で選ぶことが怖くて、自分では何も決められない。
花束用に好きな花を選んでいいと言われて、菊とあじさいとハイビスカスを選んで、「限度がある」と言われてしまう。

それでも環境や見方を変えれば、それぞれがちゃんとありのまま輝ける場所がある。
リアルな自身の経験と重ねて、「輝くことを諦めないでほしい」というメッセージの詰まった90分のコント。




去年に引き続き、普通に泣いた。
お笑いのコント観て泣くってなんだ、って感じだけど、めちゃくちゃぶっ刺さるんだよなあ、、。
もちろんあくまでも「お笑い」だから、普通に笑える部分ももちろんある。
個人的に今回初登場の磯貝林くんに是非ともレギュラー入りしてほしい(笑)。

90分のコントには及ばないが、ひとまずサクッと雰囲気だけでも知りたい方は、YouTube「エレガント人生」で検索を。
(個人的には「マッチングアプリで出会ったなんらかのキャラに影響を受けている人」、「過去の闇に追われている元ホス狂」、「害悪ファンに禁句を浴びせ続ける不思議ちゃん系地下アイドル」あたりが好き)





好きなものがたくさんあるって幸せなことだな。
来年こそは!絶対!生で観るぞ!!!!
(そして台風の影響を懸念して海を観に行く旅行の予定はキャンセルしました!!!泣)
(でも来月また別の新たな予定を入れたので気を取り直して楽しみます!!!)



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