フィギュアスケートに恋して ~その4~

フィギュアスケートに恋して ~その3~ の続きです。

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このシーズンの彼は、本当に魅力的だった。
一試合毎に成長が目に見えて、全く同じ失敗は繰り返さないようにしているのが見ている方にも伝わってきた。言葉にするのは簡単でも、結果をもって見せるのは簡単な事じゃない。

客観的な視点がもたらす細かな分析や、合理的な対処ができる頭の良さ。そして人を惹きつけるパッション。その2つを兼ね備えているように見えた。気持ちと思考のバランスの制御の仕方が上手い子だな、と思った。

そして迎えるシーズン最後の大舞台、世界選手権で…彼の伝説は始まった。


羽生君の前期ファンは大まかに分ければ「ジュニアから目をつけてました」「ニースで落ちました」「ソチでやられました」「怪我の中国杯で…」辺りがメジャー処だと思うのだけれど。

それくらい、印象に残る演技をこの時の彼はした。

演技中盤に氷に引っかかるように崩れ落ちたくずおれた事、それでも集中を切らさず何事もなかったかのように演技を続けた事、体力が明らかに無くなってきているように見える終盤でも溢れる気迫。

場内がどんどん彼の演技に引き込まれていくのが、傍目にもわかる。

演技終盤のステップからの、この動画を見て欲しい。
演技終了後の、爆発するような場内の歓声…

五輪金メダルを持つ日本中に知られた存在である今なら、当たり前に思われるかもしれない。でもこの日の彼は、そのネームバリューやファンの多さではなく…彼の演技ひとつでこの会場を揺るがしたのだ。

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余談だけれど。フィギュアにおける表現力では、魅力を外に放つ華やかなパフォーマータイプ。それから気がつけば無心に集中してしまっているような、内に引き込んでくるタイプの選手がいて…個人的に彼は後者だと思っている。

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こうしてシーズン初のジャンプノーミスをやり遂げ観客の心を掴んだこの演技で、彼は若干17歳で世界選手権の銅メダルを手に入れた。

そしてこのシーズン、彼を見続けたファンは自分同様に思ったに違いない。本命はピーク年齢ジャストの2018平昌五輪かと考えていたけど…もしかしてもしかしたら。ソチのメダルも、手が届くんじゃない!?と。あわよくば…金にだって…と。


(その5に続きます)

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すっかり涙腺が緩くなり、この動画を見るだけで涙がこぼれる程。
それくらい、彼の演技には何度も感動させられてきた。

もし、もしもこの秋のNHK杯のチケットが取れたなら。マスカラもアイラインもしていけないな…と思う今日この頃。だって去年、台湾で四大陸を見た時も。パトリック・チャンのフリーの演技に感動して涙が滲んだし…。羽生君の生の演技はアイスショーで1度見たことがあるだけで、試合を見たことはまだない。だからこれは涙腺が危険よ、かなり。


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