２期連続の採卵

　初めての採卵は苦労した割に結果が思うようにいかず、そのまま医者の勧めで2回目の採卵に向けて準備をした。1回目と使用する注射を変え、今回こそは成功したいという思いで頑張った。
　夫もシンガポールから採精のために帰国した。しかしここで予想外のことが起こる。

卵胞の成長と採卵

　大体この日に採卵するだろうという日の少し前に帰ってきたのだが、結果卵胞の育ち具合が思うようにいかず、夫の滞在期間中に採卵まで進めないことになった。

夫「仕事があってこの日には戻らなきゃいけないんだよな…」
私「なかなか育ち具合ってわからないもんだね。」

　お互い日本にいれば、なんとかなった問題も海外から通っているとうまくいかない。ただ注射をここまで頑張ったのに採卵できないのでは困る。困っている私たちに、医者からは「もしよろしければ今回は凍結精子を使いましょう」という打診を受けた。

凍結精子って大丈夫なの？

私「凍結精子って受精率が悪くなったりしないんですか？」
医者「凍結精子だと顕微授精になりますが、ゆるりさん夫婦の場合フレッシュな精子だとしても顕微授精になる確率が高いです。それに凍結精子だからといって妊娠しないとかそういうこともないですし、妊娠された方もいっぱいいますよ」

　確かに前回も顕微授精だったし、今回もその確率が高い。それに夫もシンガポールに戻らないといけないので凍結精子を使うのもありだなと思った。

医者「採れる精子量によりますが、分割して冷凍して採卵を今後繰り返すことになっても何回かは使えます。旦那さんも何度も帰国しなくていいメリットがあります」

　私たちのように海外に住んでいて、夫が頻繁に日本に戻ってこられない場合凍結精子はとても役立ちそうだ。今回せっかく日本にいるから冷凍しておいて、もし次回も採卵となった場合は私だけ残って自己注射をすればいい。夫との日程調整の必要もない。
　もしふりかけ法（体外受精）を考えている夫婦ならフレッシュな精子の方がいいかもしれないが、我が家は顕微授精になりそうなので、凍結精子でも問題なさそうだ。

凍結精子の結果

　結果夫は日本出国前に病院で精子を凍結した。凍結本数は10本。保管料を払ったため1年は保管してもらえるようだ。つまり10回採卵をしても大丈夫だ。（もし採れる卵子の数が多ければ一回で凍結精子を2本使ったりもするが、低AMHなのでその心配はなさそうだ）
　とはいえ私も連続採卵2回目で辛いなと思っていたのに連続10回はできないだろうな…と心のどこかで思っていたのだった。

　こうして私は採卵日を迎える。