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三人、三十三間堂

11月の半ば頃、父と母と京都の三十三間堂に行った。わたしは初めてだったが、父と母は結婚前に一度行ったことがあるという。

「三十三間堂に行くと、邪気を払ってくれるらしいですよ。もうね、神仏に頼むしかないときありますもんね」

10月の終わり、美容院でなぜか、「どうすれば邪気をとり払うことができるか」という話になり、美容師さんがこんなことを言っていたのが頭に残っていて、「いつか三十三間堂に行けたらいいなあ」とぼんやり思っていたのだ。

三十三間堂は、正式には蓮華王院(れんげおういん)という。中央の巨像(中尊)を中心に、左右に各500体、合わせて1001体もの観音像がまつられている。他にも28部衆像(千手観音とその信者をまもるといわれている),雷神,風神像が有名だ。

阪急電車と京阪電車を乗り継いで、10分ぐらい歩くと、到着。この日は上着がいらないぐらい、暑くて晴れていたけれど、御堂の中は結構ひんやりしていた。靴を脱いだ踵から、じんわり身体の芯が冷たくなる。


堂内は撮影禁止


ー本当に一体一体の観音様のお顔が、少しずつ違うー

見た時にすぐ、そう思った。

テレビなどで見たことはあっても、実際目の前に、1001体の観音さまが手を合わせてこちらを向いている光景は、「あなたが生きている間は、絶対に守ります」と言われているような、そんな感じがした。

帰りに、祖母と自分用に、御守りを買った。
祖母に「幸」と書いた御守りを、自分には「除災招福」と書いた御守りを買った。

髪もバッサリ切ったし、もう邪気は払われた、と信じたい。


この日はまだまだ紅葉が、すすんでいなかった


ありがとうございます。文章書きつづけます。