見出し画像

どうやって防ぐ? スモールビジネスの支払い・請求業務で起こりがちなミス

こんにちは。yup代表の阪井優です。
今日は、小さな会社で起こりやすい支払い・請求業務のミスについて、話します。
僕は、yupの経営者として、支払い・請求をミスが起こらないように、もっと簡単にするため、スモールビジネスの挑戦を後押ししていく立場です。と同時に、スタートアップを経営していく中で、スモールビジネスで起こりやすい支払い・請求業務のミスのリスクを当事者として抱える立場でもあります。
そんな僕から、こんなミスがある、こうしたら防げる、を僕なりに伝えられたらと思います。

■ スモールビジネスを悩ませる支払い・請求業務

中小企業の経営者、営業、経理担当者のみなさん、フリーランスのみなさんは、月末月初になると、請求業務に振り回されていませんか?

ビジネスにとって絶対に必要なお金。そのお金を扱うために必ず存在する「支払い」と「請求」という2つの業務、とってもストレスフルですよね。スタートアップを経営する僕自身も悩まされているトピックです。

日本のビジネスにおける中小企業・個人ビジネスの割合は98%です。
そんな日本の経済を支える、多くの中小企業では、見積書や、請求書の発行・管理が属人的になっていたり、担当者が個別にExcel等の表計算ソフトで作成し管理しているケースや、いまだに手書きの請求書を発行しているケースが非常に多く見られます。

そのため請求業務に関して、こんなミスが起きませんでしたか?
例えば、

・受注金額と請求金額が違っている
・取引先の求める期日までに請求書を発行出来なかった
・既に請求済みの費用を請求してしまった
・発行すべき請求書が発行出来ていなかった
・取引先毎に請求書の告知、送付に関するルールが異なるため、ミスが多い

などなど。

これだけでも課題は山積みなのに、この問題をさらに複雑化させる要素があります。

例えば、物販等、客先への納品を伴う業態の場合は、納品書をもとに請求書を作成するケースが多いと思います。その際、納品時に欠品や、返品が発生した場合、請求書の調整が必要になるため、請求業務は複雑化します。

また、あるあるなのが、お客様によって一定のフォーマットで請求書(指定請求書)を求められ、なかなか手書きを辞められなかったり、請求書を月末最終日までに届けないと、翌月の締め扱いになったり、「先にメールかFAXで知らせて欲しい..」等々、取引先から様々な要望やルールがあるため、請求業務はどんどん繁雑に。

ほんと、困っちゃいますよね。
しかし、困難はまだまだ終わりません。

請求後の入金管理にも課題があります。

発行した請求書に対する入金を確認する際、請求金額と異なる金額が振り込まれている時があります。はて?と思い調査してみると、振込手数料分の金額が差し引かれて入金されていたり、一部の金額しか入金されていない、期日までに入金が無いなど、未収金が発生したり。。
現在では、中小企業でも、パソコン・ネットを利用したインターネットバンキングを活用することが増えてきましたが、入金管理をデータ上で実施しても、この課題は解決しません。

※ インターネットバンキング
パソコンやスマートフォンを使ってインターネット上で銀行のシステムにログインし、銀行口座の引出・預入、振込・振替を行える金融サービス

こんなにもたくさんの課題があり、それが複雑化している支払い・請求業務。
これを行うのは骨が折れますが、いい加減に処理してしまうと、期末の決算時に数字が合わなくなってしまい、頭を悩ませる事になりかねません。

数字が合わないことに気づき、数ヶ月以上経過してから請求漏れや、入金漏れが発覚しても、そのタイミングでお客様にお願いするのは難しいだけでなく、信頼も失いかねません。

きっと、今経理担当者やスモールビジネスの経営者、フリーランスの方がこの記事を見ていたら、「こんな苦労もあった!」「あの時は大変で、、、」と続々と支払い・請求業務の苦労話が出てくると思います。

さて、数多くの困難とそれでもきちんとやらなければならない危機感をお伝えした上で、皆さんの気が滅入る前に解決先に入りたいと思います。
気を取り直して、支払い・請求業務に活路を見出せればと思います。

■ 支払い・請求業務のミスを減らすために、スモールビジネスができること

支払い・請求業務の肝は請求書管理です。
請求書管理における目標は2つあります。
① ミスがないこと
② 効率的にすること

です。

では、この目標を達成するために請求・入金管理業務等のバックオフィス業務に専任担当を置くのが良いのでしょうか?

これができたらまだ楽ですが、中小企業や個人事業主の現状として、難しいと思います。他の業務との兼任でなんとか業務を回されているところが多いのではないでしょうか。

では何をしたらいいか。
必要なことは、受注から納品、請求、入金の流れを一元管理出来る仕組み・体制です。

人的リソースが限られる中で、ミスを最小限にし、信頼を永続的に得ていくためには、請求・入金を中心としたお金に関する業務について「仕組み化」と「ルール化」を行い、これを推進する「体制の構築」が重要です。

この「仕組み化」「ルール化」「体制構築」のポイントは以下の6つです。


・ 仕組み化

① 受注~納品~請求~入金の流れを仕組み化にする。
→ 担当者個人でのデータ管理(Excel等の使用)の禁止する
▶︎ データの所在を一元化することにより、ミスや不正を抑止
→ 受注で入れた情報を請求まで利用する
▶︎ 二度手間、三度手間を無くす
→ システムは独自に構築するのでは無く、自社の業務にあったシンプルなパッケージシステムを活用する。クラウドサービス等も有効。
▶︎ 仕組み化する事で属人化も防ぐ

② 請求書の電子化を検討する。
→請求書をpdf等の電子データで発行する。
▶︎ 取引先側も早く支払予定が立つというメリットあり

③ EB(エレクトリックバンキング)の利用を徹底する。
▶︎ 入金確認業務が軽減
▶︎ 未収金も迅速に把握可能
▶︎ ①の仕組みとつなぎあわせる事で売掛金の消込業務も迅速に進められる

・ ルール化


④ 取引先との請求の締めと発行タイミング、支払サイトを整理し、システム上で管理する
▶︎ システムが締め日や発行タイミングを管理
▶︎ 請求漏れや御請求等のミスが軽減

⑤ 極力、イレギュラー対応を減らしていく。
→予め何通りかの請求パターンを決め、そのいずれかに当てはめていただくよう、取引先と交渉・検討し、イレギュラー対応を減らしていく
▶︎ 業務効率化をはかる

・ 体制構築

⑥ 業務が属人的にならないよう、請求・入金管理業務を2名体制で行えるようにする。
▶︎ 相互でチェックする事でミスや不正の防止にもなり、結果的に業務時間の短縮に
▶︎ 担当者の突発休、退職等による業務停止リスクの軽減にも


■ まとめ

これらの「仕組み化」「ルール化」を行い、それを運用する「体制」を整える事で、社内のお金に関するミスや不正を防ぐ事が可能になります。

これによって、お客様に対する信頼と安心感を高められると同時に、支払い・請求業務の精神的ストレスを軽減させ、生産性も向上させていくことができるのではないでしょうか。

以上のtipsが少しでもスモールビジネスの成長を後押しできたら嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?