松尾友雪〈Yusetsu Matsuo〉

詩と小説を投稿しています。 以下関連https://twitter.com/snows…

松尾友雪〈Yusetsu Matsuo〉

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颶 vol.2

5月19日に文学フリマ東京が開催されます。 今回は「フリーテーマ」もしくは「スマホ」というテーマで作りました。 参加作家は、つん、田村美奈、松尾、たくやの4名です。 また、掲げるコンセプトも決めてみました。 幻想的官能と煮えたぎる狂気を映す分裂的ノマドの文芸誌 今後、このコンセプトを育てて行ければと思います。 表紙が出来上がったので、公開します。 まもなく、第三十八回文学フリマが開催されます。 日時は5月19日で 場所は東京流通センターです。 同人も募集していま

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      スナップ風ポートレーmodel希魚/キオ

      • 悪の炭酸割り

        炭酸水に時計草を溶かしてしまおう。無数のエモい言葉。感動と感謝と奇跡も植物と一緒にアイスティーに混ぜよう。そうやって毎日を誤魔化しながら筋肉痛を堪えるのだ。君の欺瞞で植物が萎えてきたら書き溜めた日記を燃やして肥料にするよ。猥褻な言葉や卑猥な日常が、真っ赤な余白と化学反応を起こして憎しみの糧になれば私達の会話にも少しは意味が芽生えるのかも知れない。君はデリカシーに欠け、私は秘密がなさすぎる。悪は凡庸で有り触れているから、君は炭酸水を飲み干していつものように偽善を吹いて踊るだろう

        • 脱主人公

          君を求めて、思想のないポートレートを撮る。ぎこちない笑顔をデータの上に閉じ込めても思い出には届かない。私の中の主人公性は冷却される。「君」と「私」で出来た狭い詩の世界で妙に冷め切った三人称の影が牢獄の外へと逃げ出そうとした。私は影を閉じ込めようとして窓で首をちょん切る。窓には二つの月があって、一つは空中に浮かんでいて一つは窓にあるシミだ。君は見立ての力で月を飲み干そうとして、私はシミを拭き取って眠りについた。何かを成し遂げたいという呪い。偉業を残したいという虚勢の主人公になる

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          写真と言葉展

          千駄木にあるギャラリー幻にて、3月10日〜23日まで写真と言葉展が開催される。私も写真作品と詩で参加している。 今回は「実存に不誠実な重さ」という作品と、「なぜ、青春は世界の終わりなのか?」を展示している。 写真と言葉というのは中々難しいセットである。現代芸術における写真作品は前後の文脈によって読み取るとされている。コンセプトやコンテクストが重要なジャンルなのだ。 そこで再三言われているのは「詩のような、ポエムのようなステートメントは避けよう」というものだ。現代芸術に求め

          病と共存するためのポートレート

          ここ最近、仕事中に気になったワードを検索して論文などを読んでいる。 例えば、「メンヘラ」という言葉。 元来は2ちゃんねるの掲示板に書き込みをしている人を示し、だんだんとその用例は広がっていった。近年は、〈病める主体〉としての自己表記としても使われている。 「私はメンヘラだ」ということで自己の問題や苦しみ、不安定さを言語化しているとも云える。その使用範囲は病的な傾向から、一時的な不安定さまで広範囲だ。 例えば、「生きづらさ」という言葉。 1990年代後半から使われるようにな

          病と共存するためのポートレート

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          スナップ戸山ハイツ

          スナップ戸山ハイツ

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          上野のスナップ

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          初夏から秋にかけて

          初夏から秋にかけて

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          足音についてのメモ

          惑星から滑り落ちる君は 今日はどこにしがみつくのだろう? 私はいつも通り孤独に活字を追っている 休日は途方に暮れ 文字を書くのだが 結局は何も追いかけていない。 あるのはドーナッツのような奇跡と 冷たい足跡だけだ。 どれだけ推敲しても 足音はついてくる。 自分という影を振り切ることはできない 何にしがみつこうと。

          足音についてのメモ

          いくつものモザイクが合わさって 都会の風景はできている 何を尋ねても漠とした答えしか返ってこない空間に 思念は渦巻いて沈澱している。 白い、夜の闇はエロティックで 人々は同時に死を求めている。 生きる事は呪いに似ている。 煙を吐いて歩く中年の男 彼にも仕事があるのだが、 そこにはドーナッツの空洞のような呪いがあり どうして労働を続けるのか 本人にはわからないように 罠が仕掛けられている。 働くことは尊いのであるが、 それが如何なる代価を支払っているのか 一見するとわからない。

          冬の隅っこ

          雨が降るたびに寒くなりある日冬が到来した。冬はカモミールの香りがして私は小さな咳を溢した。点線で繋がれた曇り空をなぞると、綻びからすぐにでも夜空が出てきそうだ。呪ったり呪われたりしながら少女達は走って行く。そうしていくつもの血液が枯れて行き君は生きて行くだろう。 生きることは恐ろしい孤独から孤独へ吸い込まれて行くようだ。水槽にいる生物を根こそぎ食べてしまっても空腹は治らない。君は怒りながら生きて行く。恐怖から怒っているけれど何処にも着地したくない。低空飛行で世界を爆撃して何

          颶 次回文学フリマ テーマ等

          颶第二号について、テーマをお伝えします。 1、自由/フリーテーマ(各自自由に制作してください) 2、アイフォン/スマートフォンから見える文芸/文学(スマフォ/アイフォンの登場する文芸) 二つのいずれか、もしくは組み合わせでも構いません。 切は4月1日とします。 原稿枚数はB5で10ページ程度(前後は受付ます)二段組もOKです。 会費についてですが、今回もギリギリまでページ数が決まらないため、製本の注文の後とさせていただきます。 製本のサイズはB5の予定です。 前回より一回

          颶 次回文学フリマ テーマ等

          文学フリマ出展について

          今週土曜日、11月11日文学フリマが開催されます。それに今回、同人誌颶として参加します。前回の出展が27回だったのでおよそ五年ぐらいのブランクがあると思います。 出展のきっかけは病気で入院して、周囲との関係に色々思うところがあったからでした。作品を作り続けることはできます。しかし、他者との関係を考えなければ芸術活動は孤独なものになってしまいます。 「孤独でも良い、本当に良いものは何時か伝わる」そういう考え方があります。そう考えることにはいくつか誤解があるのですが、何より「

          文学フリマ出展について

          何処かの戦場

          ガラクタを積み上げて  遠くの海へ鼓動を投げた   どこか遠くの戦争へ向けて 何も出来ない私は投げた テンポは遅く、日常は溶けてしまいそうだ 雨の日の明け方 コーヒーを淹れて尋ねる 私は平和だろうか? 色々な銃火器があり、  様々な兵器があり   それら暴力を集めるのが好きな人がいる 安い日常の雨の中  去勢された暴力がムクムクと目覚めて   電車に乗り、ガタンゴトン 学校へ歩いてゆく。