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〈限り無い攣を束ねて〉セルフキュレーション

 「溺れる鯨と猿の座礁」を書き終えた後、一つの作品を思い付き、それを断念しました。作品をボツにするのは、私にとっては珍しい事ではありません。本作はその前後からあった幾つかのメモ、幾つかの文的スケッチを元に書き進められています。3~4万字程度の中編になる予定でしたが、それは大幅に変更され、目算でそれの四倍程になるかと思います。

 本作は官能小説です。性的表現が多く含まれ、場合によっては不適切な表現が現われるかも知れません。

 本作の表紙は前作と同様深沢久美さんによるセルフポートレートです。

 彼女の作品にはとても刺激を受けました。時にフィクショナルで、時にドクメンタリックで、時に挑発的で、時に誠実な写真を撮る方です。

 深沢さんの展示のお知らせ

 10/18-10/20 gallery40(名古屋・金山)
女性によるセルフポートレイト展 sosso
10/30-11/4 デザインフェスタギャラリー原宿EAST
噂の写真展2019
11/16-11/24 gallery幻(東京・千駄木)
個展「彼女の話は信じるな」


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 本作は基本的に喜劇的で悪趣味な冗談の様なものです。深い意味はありません。ただ、意味がないと云う言葉がどれ程伝わるものなのか私には判りません。

 本作は「幻想官能小説集」の一端として書かれています。

 作中人物が比較的多く、補足が必要になったら別途で書こうかと考えています。

 稀に、私は純文学の同人作家と間違われるのですが、広い意味でも狭い意味でもその様な作を殆ど書きません。〈純文学〉と云う呼称と概念は日本独自のものであり、飽く迄メディア主導の一ジャンルと私は捉えています。それは幾つかの条件を満たした独自の畑であり、世界的に見ればその様な区分は少ないでしょう。

 所謂、芸術性の高い文学、娯楽性の高い文学、と云う様な意味で、純文学と娯楽文学、と述べるのは的確ではないかも知れません。

 ですから、私は純文学と云うタグと使用しません。私自身意味が分からない訳ですから。

 となると、自分で自分の作品を説明するのが難しいのですが、簡単に云えば幻想小説かと思います。と云っても「ファンタジー」を剣と魔法の世界とは異なります。

 このシリーズのイメージとして〈マジックレアリズム〉をエロティズムによせた〈マジックエロティズム〉と述べるか否か、考えた末に控える事にしました。

 この辺りは様々な意見を伺いたい所ではあります。

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