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子どもたちの手荒れを救いたい!ユースキン製薬が行う取り組みとは。

こんにちは!ユースキン公式noteにようこそ。
ユースキン公式noteアカウントを開設して半年ほど経ちました。
少しでもユースキン製薬の取り組みやその想いが読者の皆さまに伝わっていたら嬉しいです。

さて今回は、小学校に提供しているハンドケアの授業について紹介します。

「小学校にハンドケアの授業?!」と思われた方もいると思います。
なぜ小学校に提供したのか?
どんな授業なのか?
授業の様子などを紹介します!


養護教諭から届いた一通のメール

2021年1月に当社のお客様相談室に、一通のメールが舞い込んできました。それは、中学校の養護教諭の方からでした。

「学校の保健室に勤務している者です。コロナ対策で日々子どもたちに手洗いと消毒を徹底させています。しかし、最近子どもたちのひどい手荒れが気になります。目を逸らすほどの手荒れの子もいます。これまで手洗い指導はしていても保湿やケアの指導はしたことがなかったと反省しています。何か良い手立てはないでしょうか?」

私たちは、子供たちの手荒れが想像以上に切実だと感じ、すぐさま上記養護教諭の方に連絡を取りました。そして、ハンドケアに役立つ素材一式とサンプルを送り、手荒れの子供たちにケアをしてもらいました。

調査で分かった若年層の手荒れの実態

新型コロナウイルスが猛威をふるい、手洗い消毒が私たちの新たな習慣となりました。皆さんも経験があるかもしれませんが、手洗いや消毒をし過ぎると、手の皮脂や保湿成分が奪われ手荒れを起こします。コロナ禍で、性別年代を問わず手荒れに悩む方が増加したことは、当社にとって大きな出来事でした。そこで、正しく実態を把握するために、インターネット調査を行いました。すると、下の図のように、コロナ前と比較して若年層の手荒れが特に増加していることがわかりました。

また、手荒れ経験者におけるハンドクリームの使用率は、若年層になるほど低くなるという結果も出ました。思った以上に、子供たちの手荒れが深刻だと感じた瞬間でした。

そもそも、子供の手荒れが深刻になった理由(わけ)

子どもの肌は、いつもすべすべでうるおっている、と感じている大人は多いかもしれません。ですが、子どもの肌は、大人よりも皮脂の分泌量が少なく、皮膚のバリア機能が未熟と言われています。
コロナ禍で手洗いや消毒が励行されましたが、学校での手洗いは基本「水」になります。冬の寒い時期に「水」だけで手洗いするのは、非常に過酷です。冷水は皮膚の温度を下げ、手荒れの原因にもなり、さらには、しもやけを引き起こすこともあります。
そして、手荒れが深刻な状態になると、手洗いや消毒の際に痛みを生じてしまい、その行為自体がおろそかになってしまいます。だからこそ、日ごろからのハンドケアが重要になってきます。

子供たちがハンドケアを楽しく実践するには

当社が2000年から効果的なハンドケア方法を啓発してきたことは、以前のnoteでも述べました。この効果的なハンドケア方法のポイントは「量」と「塗り方」と「タイミング」です。このことを、子どもの頃から楽しく実践できれば、きっと歯磨きのように習慣化できるのではないか、と考えました。
2018年にアニメクリエイターの東京ハイジさんと一緒に「ちやほやおててさま」という、ハンドケアを楽しく実践したくなるアニメ動画を制作しました。手を大切にして、ハンドクリームを塗り塗りするんだよ、という内容です。

■「ちやほやおててさま」(2018年制作)

そして、翌年には実践編として効果的なハンドケア方法を歌に合わせて実践できる動画「ちょんまげさんがにげた!」を制作しました。

■「ちょんまげさんがにげた」(2019年制作)

おかげさまで、それぞれの動画はYouTubeで100万回以上再生されました。
 
そして、コロナ禍の子供たちに、このアニメ動画を活用すれば、楽しく元気にハンドケアを実践してもらえて、肌も心も元気にできる!そう思ったのでした。

ハンドケアが小学校の授業に

「ちやほやおててさま」「ちょんまげさんがにげた!」のアニメ動画をどう活用すれば、ハンドケアを習慣化してもらえるか、色々と熟考しました。数々のアイディアが出てくる中で、私たちは、あの一通の養護教諭からのメールを思い出しました。「もしかすると、教育現場での意識づけが一番効果的かもしれない!」そう考えました。偶然にもその時に、企業がもつ知見をオリジナル授業として学校に提供している「株式会社ARROWS」という会社と出会う事になりました。ARROWSさんからは、学習指導要領にも基づき、体のしくみや健康についての勉強をはじめる小学校3年生の保健体育の授業として、当社の動画を使いながらハンドケアの授業を先生に実施してもらうことが最適なのではないか、と提案を受けました。そして、2022年7月、ハンドケアをテーマにしたオリジナル教材を制作し、日本全国の小学校の先生向けに提供することが決定しました。先生方の準備の負担をなるべく減らせるように、アニメ動画の他にスライドやワークシート、先生用の台本もセットでお届けすることになりました。


授業を提供するにあたり、大切にした3つのこと

ハンドクリームを塗る習慣がない子どもたちに対して、いきなりハンドケアの重要性を説いても意味がありません。わたしたちは、授業を提供するにあたり3つの大切なことを決めました。
一つ目は「子どもたちがワクワクできる内容」であること。二つ目は「アニメ動画(ちょんまげさんがにげた!)を活用してクラス全員で楽しく実践すること」、最後に「授業中に振り返りを行うこと(ワークを行う)」です。
 
一つ目の「ワクワクできる内容」というのは、子どもたちとって肌の仕組みやハンドケア方法を学ぶことは、初めての体験に近いので、できるだけワクワクするようなスライドにしよう、となりました。当社のキャラクター「A太郎」と一緒に学ぶ形式にし、クイズを交えながら進めるスライドづくりを行いました。当然、授業のタイトルにもこだわりました。子どもたちは、何かを成し遂げたあとに、称号を手にするととっても喜ぶという話を聞いていたので、「めざせ!ハンドケアマスター」というタイトルにして、始まる前からのワクワク感を大切にしました。

二つ目の「アニメ動画(ちょんまげさんがにげた!)を活用してクラス全員で楽しく実践すること」ですが、これは、いうまでもなく授業の中でアニメ動画を放映し、全員で楽しみながら実践することです。とても簡単に歌いながら実践できるので、つい口ずさんでしまったり、人に教えたくなります。そうすると授業のあと友達同士で歌ったり、家族にも伝えることができます。実際の授業では、子どもたちのアンコールに応え、なんども繰り返し歌って実践してくれたクラスもありました。

※写真協力(所沢市立椿峰小学校)

最後の、「授業中に振り返りを行うこと(ワークを行う)」については、学校の授業として提供している以上、要点をしっかり覚えてもらうことが大切だと考えました。そのため、授業で習ったことを楽しみながら振り返ることができるワークシートを用意し、子どもたち一人ひとりが、学びの中でのハンドケアを意識できるようにしました。そうすることで、先生も子どもたちの理解度を図ることができます。

※写真協力(所沢市立椿峰小学校)

こうして、3つの大切なことを柱に据え、授業を展開していきました。

実際に授業を提供した小学校の様子

実際にどのような授業が行われているのか。授業を提供してくださった「横浜国立大学教育学部附属横浜小学校」の見学レポートでご紹介します。
 
■横浜国立大学教育学部附属横浜小学校

今回授業を見学したのは、「横浜国立大学教育学部附属横浜小学校」3年1組の35名の生徒たち。開放的な校舎に子どもたちの楽しそうな声が響いていました。手洗い場には消毒液が設置されており、コロナ禍で小学校にも手洗い消毒の習慣ができたことがうかがえました。

■めざせ、ハンドケアマスター!

授業では、まずは自分の手に興味をもつことからはじめます。担任の田嶋先生の「手を洗っていますか?」という質問にはほとんどの生徒が手をあげました。外遊びをしたり給食を食べる前など、手洗いの習慣は根付いているようです。まずは「自分の手を見てみよう」ということで手を観察してみます。自分の手をまじまじと見つめる生徒たち。指先はカサカサしていないか?傷はないか?「ガサガサしてる!」という声も聞こえてきました。


その後、「手を洗うと、どうして手が荒れるのか?」「肌にやさしい手の洗い方は?」など、クイズを交えながら授業は進んでいきます。先生が尋ねると、多くの生徒から答えが飛び交いました。ワークシートを記入しながら学んでいきます。

どうしてハンドケアをする必要があるのかを学んだところで、いよいよハンドケアの実践。効果的な「量」「塗り方」をまもって、ハンドマッサージを行います。最後に復習をかねて、歌いながらハンドマッサージができるアニメ動画「ちょんまげさんがにげた!」を視聴。ここが一番の盛り上がりポイントで、口ずさんだり、アニメに合わせて手を動かしたり。この日は「もう一回見たい!」の声が多くアンコール上映されました。

▲教室に設置されたユースキン180gポンプ

最後に、これから手を大切にするためにどんなことをしたいか?ということを1人ずつ考えてワークへ記入。「爪を短く切る」や、「手を洗ったらタオルでやさしく拭く」などの意見があがりました。
授業で使用したポンプは教室に設置し、授業は終了。子どもたちの新鮮な反応を多く見ることができました。

授業を実施した担任の先生にお話を伺いました。

横浜国立大学教育学部附属横浜小学校 田嶋 優希 先生

Q:今回、『めざせ!ハンドケアマスター』を授業に取り入れようと考えた理由を教えてください。
(田嶋先生)ハンドケアの授業というのが自分の中でイメージがつかず、どんな授業なのか興味がありました。生徒たちには手洗いの重要性は教えていますが、「手洗いが手荒れにつながる」ということは結びついておらず、ハンドケアの意識は先生たちも含めてまだ低いと感じています。
「ハンドクリームを持たせても良いですか?」と連絡帳に書いてきた生徒もおり、手荒れに悩んでいる子もいると思うので、大切さを知るきっかけになれば良いと思いました。
 
Q:授業をやってみて、子どもたちの反応はどうでしたか?
(田嶋先生)思ったよりも子どもたちの反応が良く、「やってみたい」という声がたくさん聞けて良かったです。「ガサガサしている」と言う子もいて、手荒れをしている子どもたちが結構いることがわかりました。ポンプも教室に置いてみんなで使ってもらえるかどうか試してみようと思います。
 
Q:授業を受けた子どもたちに、どんな変化を期待しますか?
(田嶋先生)自分のからだを気にかけるきっかけになってほしいです。爪を切ったり、ハンドクリームやリップクリームを選んだり、そういうものにアンテナをはって、自分のからだに必要なものを自分で選択する、ということができるようになってほしいなと思います。

授業の反響について

これまで、この『めざせ!ハンドケアマスター』の授業を受けてくれた子どもたち全員に対して、アンケートを実施しています。
その結果、授業前には「ハンドケアは大切なことだと思う」が全体の66%だったのに対して、授業後には92%に上昇することが分かりました。
(※まったく思わないを1とし、とてもそう思うを6とした6段階評価の4-6を合計)

また、授業を実施した先生からは以下のような感想をいただいています。

▼保健教育としてもハンドケアについての指導は新しい視点だったのではないかと思います。手洗いのみならず、ハンドケアの必要性、大切さを私自身も気づかせていただきました。

▼子どもが普段からユースキンを使用している、と楽しそうに話をしていました。また、手洗いの指導を昨年度に行った後であったため、真剣に取り組んでいました。

未来へ向けて ~子どもの手荒れを無くすために~

小学校への授業提供は2年目を迎え、2年間で227校、17,816名の子どもたちに授業を届けることができました。授業見学やアンケートを通して、この授業が子どもたちのハンドケアの意識の向上に少なからず役に立っていることを実感しました。しかしながら、全国には沢山の子どもたちがいます。今回授業を受けた子どもたちは、ほんのわずかです。わたしたちは、まだ出会えていない子どもたちに少しずつでも「ハンドケアの大切さ」を伝えていきたいと考えています。

「子どもたちの手荒れを無くしたい」そんな想いで始まったプロジェクトですが、わたしたちの力だけでは子どもたちの手荒れを減らすことはできません。まずは、子どもたちのまわりにいる大人たちが、子どもたちの手荒れに気づき、いつも健やかな手肌を維持できるようにサポートしてあげる必要があります。そのためには、大人への情報提供も欠かせません。そのために、やらなければいけないことが、まだまだあります。わたしたちの挑戦は始まったばかりです。

最後に、子どもたちは手をつなぐことが大好きです。手をつなぐことで愛情や優しさが伝わります。その手が、いつもうるおい健やかであれば、もっともっと愛情や優しさが伝わるのではないかと思っています。わたしたちは、そうしたことが「肌と心がうるおう」ということだと考えています。これからも、うるおいに満ちあふれた社会になれるよう、様々な取り組みを続けていこうと考えています。

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