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身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋10 目からわかるあなたの健康


 「目は口ほどに物を言い」「目の上のたんこぶ」「目から鼻に抜ける」「目が曇る」など、ことわざや表現に目が多く使われるのは、目は人体の中では小さいパーツでありながら、その重要性は古くから認識されていたことの証左でしょう。実際に人間が得る情報量の9割以上が目から得るとも言われています。目とその周辺にも健康状態の変化が現れます。五臓で言うと目は「肝」と「腎」との関わりで考えます。※過去投稿第7回ご参照

● 目の下のクマ


目の下のクマには ①血行障害 ②五臓のうち「腎」の衰えという二つの原因があります。
① 血行障害…目の下の皮膚は他の部分と比べて薄くなっており、血液の色が反映されと考えられます。肉食過多、喫煙、夜更かしなどの生活習慣や、精神的ストレス、過労、貧血、寒さなどが原因です。
② 腎の衰え…生殖器、泌尿器を司る「腎」の衰えは、ホルモン分泌が悪くなることが原因と言えますが、目の下のみならず、皮膚全体が黒ずむ傾向があります。

● まぶたの裏が白っぽい


裏返してみて、毛細血管が無数に走っていますが、全体の印象として白っぽい状態ですと、貧血が疑われます。血液量が不足しているために、目の毛細血管を流れる血液も減ってしまっています。血液検査の如何に拘わらず、漢方では、立ちくらみや眩暈、軽い運動で動悸、息切れをしたり、肌がかさつく、脱毛、爪がもろいなどの症状がしたら貧血とみなして治療に入ります。

● まぶたの黄白色の盛り上がり


目と鼻の間あたりに、小さな黄白色の隆起が現れることがあります。これは、高脂血症のサインです。有名な絵画「モナリザ」右目頭にもこの隆起がみられます。また膝に出たり、アキレス腱が異常に太くなることも、コレステロール過多のサインであることが多いです。

● 白目が黄色い


胆汁がつまった状態で、黄疸の可能性ありです。黄疸は、胆汁が血液中に増加するために、白目だけでなく、目や鼻の周りも黄色くなります。医師の診断を受けましょう。

● 白目が赤い


目の疲労による血行障害が考えられますが、目を酷使したわけでもないのに、充血した場合は、ストレスを受け止める臓器である「肝」のトラブルです。イライラして怒りっぽい、緊張しやすいという不調があるはずです。

● 目が疲れやすい


肝機能の低下。漢方では、「目は肝に養われる」といいます。近代医学でも、肝臓病などに罹ると、視力異常などが起こると言われています。肝機能の数値が正常でも、目が疲れやすくなったら肝臓をいたわることです。

● 目が乾く


ドライアイが増えていますが、パソコンなどの長期使用で、まばたきが減るためと言われています。涙の成分は、油分、タンパク質、酸素ですが、涙の不足するドライアイは、これらが不足しているために、感染症に罹りやすくなっています。漢方では、肝を補って目に栄養を与え、腎を補強して身体に潤いを与え、水分の代謝をする処方を使います。


参考:「顔をみれば病気がわかる」猪越恭也著


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