遊走人

新宮市生まれ。大学卒業後PR会社等を経て28歳で家業の漢方薬店を継承。全国連合清心会副…

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新宮市生まれ。大学卒業後PR会社等を経て28歳で家業の漢方薬店を継承。全国連合清心会副会長。家業の傍、2018年まで作家中上健次氏の「熊野大学」元事務局長。2010年「熊野しんぐうフィルムコミッション」設立。「軽蔑」(中上健次作 廣木隆一監督)、「溺れるナイフ」等にロケ協力。

最近の記事

身体と心を考える。聖地熊野の漢方薬屋12 三英傑と病

私は歴史が好きで、歴史小説も読み、大河ドラマもよく観ます。日本人の多くが戦国時代の英雄と挙げる三英傑、信長、秀吉、家康。それでも病に悩まされていたのではと思われます。今回はそんな彼らの健康状態について。(参考:「病気が変えた日本の歴史」 篠田達明著 NHK出版) 短気で激高しやすい織田信長の場合   近世日本の偉人と言えば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が挙げられることに異論のある方はいらっしゃらないと思います。特に、織田信長は、戦国時代を生き抜く中で、様々な改革や斬新な

    • 身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋11 体温と現代人 

      体温調節と自律神経  体温調節は、自律神経に支配されています。 自律神経は大別して交感神経と副交感神経に分けられ、我々が意識しないところで、体温、消化、代謝、免疫などの機能を自動で調整する働きをします。この自律神経の働きが低下して、エネルギー代謝にも影響、疲労が蓄積したり、ダイエット効果が減じられたりして太りやすくなったりします。また、皮膚の新陳代謝が低下すれば、シミやシワ、くすみが出来やすくなります。同様に免疫系に影響が及ぶと、風邪を引きやすくなったりします。ホルモン系の

      • 身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋10 目からわかるあなたの健康

         「目は口ほどに物を言い」「目の上のたんこぶ」「目から鼻に抜ける」「目が曇る」など、ことわざや表現に目が多く使われるのは、目は人体の中では小さいパーツでありながら、その重要性は古くから認識されていたことの証左でしょう。実際に人間が得る情報量の9割以上が目から得るとも言われています。目とその周辺にも健康状態の変化が現れます。五臓で言うと目は「肝」と「腎」との関わりで考えます。※過去投稿第7回ご参照 ● 目の下のクマ 目の下のクマには ①血行障害 ②五臓のうち「腎」の衰えとい

        • 身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋⑧爪でわかるあなたの健康 

           しばらくお休みしておりました。かっこよく申せば「構想」していたわけですが、前回の「腎」に関するお話に力が入り、ちょっと脱力しておりました。反省として、私も読んでいただける皆様はもちろん私も肩に力の入らないお気楽な内容をも盛り込んでいただきたいと考えています。 ネイルアートとアスリート  さてそんな今回は「爪」。  近年では、ネイルアートなど爪に時間とお金をかけることもあり、これまでに見られなかったファッションポイントとなっています。そうそう、アスリート界でもメイクはもち

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        • 身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋11 体温と現代人 

        • 身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋10 目からわかるあなたの健康

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          身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋7最近気になる「腎」 

          私自身が還暦を超えてすでに数年になったためか、ここ最近肉体・精神の衰えが気になります。漢方医学では老化は「腎」の衰えととらえます。近年N H Kの「ヒューマニエンス」や「NHKスペシャル」などで最新の情報を元に「腎臓」を取り上げています。 漢方で「腎」と言う概念があり、最新の研究で明らかになった働きがすでに近代医学が成立する以前からその事実に気が付いていたのではと思ったりしています。今回はそんな「腎」と「腎臓」について。 「水毒」と気候 いきなり「水毒」という漢方

          身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋7最近気になる「腎」 

          身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋6

          低下している現代人の体温調節機能 ここ数年夏は毎日猛烈な暑さが続き、私は以前から日本は温帯ではなく亜熱帯になったとお客様にも話してきました。でもそれも修正しないといけません。亜熱帯から熱帯になったと。この猛暑の中皆さんはいかがお過ごしでしょうか。  今回は私達の体温について。   体温は自律神経が維持  人には、意識せずに体温、消化、代謝、免疫などの身体の機能を調整してくれる神経、自律神経が備わっています。大別して、「昼の神経」と言われる交感神経、「夜の神経」と言われる副

          身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋6

          身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋5

          睡眠とめまい めまいのパターン  めまいにはいろいろなパターンがあります。  大地がまるで回転し、激しい嘔吐をともない、身体のバランスがとれずに倒れてしまう回転性めまいや、ふわふわする感覚で非回転性の浮動性めまい、血の気が引いていく感覚で、意識が遠のき、失神に至るような起立性調節障害などがそれ。なかでも、最も多いのが回転性めまいだそうで、これは内耳で平衡感覚を司るセンサーの役目をする部分の一部がはがれて三半規管に紛れ込み、神経を刺激しておこるものと言われています。40代か

          身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋5

          身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋4 睡眠時無呼吸症候群について

          睡眠時無呼吸症候群の話 男と女、睡眠にも性差 睡眠パターンや体内時計に個人差があるように、睡眠にも性差は存在します。その背景にある最も基本的なものは、 ○性ホルモン ○その分泌パターンの性差 ○それを管理する脳(性中枢)の違い ○神経伝達物質の分泌 …等、と言われています。 あの横綱も悩んでいた 私の知人に強烈ないびきをかく人物がいます。 ずいぶん昔、たまたま一緒の旅行で同室となり、その凄さというか騒音というか、他人迷惑なというか、とにかく廊下に出てもうるさく

          身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋4 睡眠時無呼吸症候群について

          身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋3

          体内時計と高血圧    以前「時間医学」について興味があり、その関連本を読みました。一日の時間によって病気の発生頻度が異なり、例えば喘息の発作や胃潰瘍の発生は深夜から明け方に集中することが多く、脳血栓は朝方に、急性心筋梗塞は午前中に多くなる傾向にあると言われ、それを研究している学者もいるというお話しです。   体内時計の狂いが健康に影響  10年以上前ですが日本経済新聞に、京都大学の教授らのグループがマウスを使った研究で、日常の生活リズムが乱れると高血圧症状がでることを

          身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋3

          身体と心を考えるー聖地熊野の漢方薬屋2 体温と免疫

          こんにちは。拙文に、早速「スキ」を付けて戴いた方々には心から感謝申し上げます。またそれとは関係なく大事なお時間を使って読んで戴ける方々にも心からお礼申し上げます。 ●低体温症が増加している!    書店へ行きますと、体温を上げて健康になると言う類の本が目立ちます。実際、店頭でご相談に見えたお客様に体温を尋ねると「低いんです。35℃台しかなくて」という方がおおぜいいらっしゃいます。通常、体温は36.5℃が基準となりますし、36.2度以下だと妊娠しにくいとも言われて

          身体と心を考えるー聖地熊野の漢方薬屋2 体温と免疫

          身体と心を考えるー聖地熊野の漢方薬屋①男の更年期

          たいそうなタイトルで恐縮ですが、思いつくまま健康・身体・食事、そしてアタクシ的「熊野」、熊野しんぐうフィルムコミッションで映画やロケについて感じたことなどについてツラツラと記して参ります。  さて第一回目は「男の更年期」。 わかりにくい男の更年期  昔から女性には閉経前後を更年期と名付けていますが、近年男性にも更年期があり、かつその障害も起こることが解ってきました。私自身も時々更年期かなと思うこともあるお年頃となりました。  男性には女性のように、閉経時のようなはっき

          身体と心を考えるー聖地熊野の漢方薬屋①男の更年期