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身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋5

睡眠とめまい



めまいのパターン


 めまいにはいろいろなパターンがあります。
 大地がまるで回転し、激しい嘔吐をともない、身体のバランスがとれずに倒れてしまう回転性めまいや、ふわふわする感覚で非回転性の浮動性めまい、血の気が引いていく感覚で、意識が遠のき、失神に至るような起立性調節障害などがそれ。なかでも、最も多いのが回転性めまいだそうで、これは内耳で平衡感覚を司るセンサーの役目をする部分の一部がはがれて三半規管に紛れ込み、神経を刺激しておこるものと言われています。40代から50代に中心に、一週間ほどで治まるものが多数のようですが、老人性の非回転性めまいは、長引くことが多いと言われます。老人性のめまいは、めまいと同時に頭重感を訴える方も多く、高血圧や脳動脈硬化など老人特有の疾病を併発しているためと考えられます。
 

漢方の処方や植物性のサプリでは


漢方では、めまいに有効な処方はいくつかありますが、「水毒」(漢方で言う「水」=体液全般の代謝が悪く、身体に偏在している状態)から発生すると考え、その「水」を司る「腎」を正すことで、めまい、耳鳴りを改善・回復させるものがあります。また自律神経系の乱れによるめまいも多く、その場合は動物生薬を含む処方を用いることが多いです。
ドイツなどヨーロッパでは脳血流改善薬として人気が高い医薬品が、めまいや耳鳴りに大変有効で、日本では栄養補助食品として輸入されています。二木耳鼻咽喉科院長二木隆氏によれば、ふらつきがあって、頭が重いという60歳から86歳の男女15人に、他の薬剤を中止した上で、この食品を2週間飲んでもらったところ、ふらつきは86%、頭重感は80%が改善したそうです。さらに、新たに55歳から79歳の男女44名に、この品を飲む前と後の総合的身体平衡の変化を、重心動揺計(器械の上に立ち、身体の重心が揺れると線を記録する。その線が短い程揺れが少ないと言うことになる)という器械で確かめたところ、器械で描かれた線が44名とも短くなり、77歳の男性では、飲む前が総延長291.7㌢だったのが、飲んだ後176.19㌢に縮小したとの報告があります。
 

睡眠は神経の「栄養」


一方で「めまいを予防するには睡眠などの生活習慣の見直しが重要」「睡眠は神経に対する栄養と同じ。睡眠時間が不足したり睡眠のバランスが崩れたりすると、神経に影響し、内耳や脳の細かい血流に乱れが生じ、結果的にめまいを伴う病気の原因となる」(二木隆医師)という指摘もあります。手足の痺れなどが伴うめまいは、脳の疾患が疑われます。脳外科での診察をお勧めします。
 ●ご相談は漢方の森本
電話0735−22−3349またはメールyusojin@gmail. comまで

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