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913回目:【心理】嫌われる勇気〜強敵は承認欲求〜

2024年03月22日の備忘録

本日、後輩と飲んだ。その時に「承認欲求」という人間の第6の隠れた欲求の話を彼に紹介した。しかし、後輩に教えたのは良いけど、私自身がもう一度自分が説明した理論を整理すべく過去のブログを読み返した。これは、2021年03月15日私自身がメモに残した当時の記憶。その記憶を掘り返し、後輩に教えた理論を私も忘れないようにここに残しておくことにした。この理論は「アドラー心理学」に基づいた名著「嫌われる勇気」を元に書いてある。

【1】一旦落ち着け

長い出張、リモートワーク、インド人とのやり取りと、日々の生活の中で、時にはイライラしたり、ムシャクシャしたり、つい八つ当たりしたくなることもある。 冷静に相手の話を聞いていて「むむ?」と心で思って、今にも殴りかかってやりたくなることもある。でも、それをグッと堪えて、実務的にどうやって物事を解決してやろうかと、冷静さを保ち続ける為には、核となる自分の信念や考え方が必要だ。

目の前であーだこーだごちゃごちゃいってるけども、ここで僕が感情的に拳を振り上げるよりかは、冷静にその物事を捉え、「果たしてそれは俺が解決できることなのか? 誰かに頼むべきことなのか」と実務的に考える視点がとても大切だ。感情剥き出しで、相手に言い返しても何も解決はしない。さらに言えば、相手の言ってることに対して、感情論で不意に落ち込んだとしても、それが自分が到底解決できないことであれば、それは単なる落ち込み損となる。

まずは「事実」と「自分が対処可能なことなのかどうか」を冷静に捉えろ。

2018年インド駐在前、自分の中で冷静に物事を捉える為のヒントになったのがこの本『嫌われる勇気』。今のところ私の中でのベスト本。本書は心理学の三大巨頭であるアドラーの心理学を日本人カウンセラーが対話形式で説明してくれている。アドラー心理学を知ることで、今までの人生に対する価値観が変わり、日々感じるストレスが軽減されるかもしれない。 それでは3ポイント紹介する。

【2】①人はいつでも変わることができる

まず生きる前提として、「人は変われる」という考え方がある。多くの人は、過去の経験を原因に、未来の行動や目的を決めてしまう傾向がある。しかし、過去と未来は全く別物。過去のいじめが原因で引きこもり生活を送っていたり、親の離婚が原因で自分も離婚しやすいと考えるのは、過去を言い訳にして現状を維持したいだけだ。「昔はこうだったから」「今まではこうだったから」という理由で、「未来もこうなるはずだ」と決めつけてしまうのは、過去の体験や歴史を理由に、変わるはずの未来を変えることを諦め、現状を維持するための言い訳のようにも思える。まるで悲劇のヒロインのように振る舞っている。過去を言い訳にすることは、自ら可能性を閉ざすことになる。

過去に辛い経験や大きな失敗があったとしても、行動次第でいくらでも好転させることができる。過去は過去、未来は未来。過去に起きたことは言い訳にならない。未来に何が起こるかは誰にもわからない。唯一分かるのは、今できることだけだ。

【3】②すべての悩みは対人関係である

本書の中で特に重要な考え方である。人間すべての悩みの根源はすべて対人関係であるという考えである。そしてそれは、相手に認められたいという承認欲求が逆にストレスを増大させる。では、解決策はどうすればよいのか? 

【3-1】課題を分離して考えるべきである。

多くの課題は自分に関係ないものである。自分の課題と相手の課題を明確に分けるべきである。他人から認められたいという承認欲求を捨て、自分の課題にのみ向き合うべきであるという考え方。

例えば、目の前で自分に文句を言ってくる人がいるとしよう。その言葉をすべてそのまま受け取る必要はない。その相手が言っている内容をよく聞いて、「自分が対応できること」と「自分ではどうしようもないこと」を明確に分離する必要がある。自分が認められたいという承認欲求が、その課題の分離をする上での判断を鈍らせる。

こんな経験はないだろうか。上司や先輩から色々文句や叱咤を受けて、「なんでちゃんとやらせないんだ!」「なんでそれを早くやっておかないんだ!」と言われたとしよう。すると、一見ものすごい怒られている自分が、凄い悪いことをしたかのように凹んでしまいそうになる。上司が怒ってるのは、本当に私が解決できる事なのか?そこでは、冷静に課題を分離し、客観的に今私自身がやれる事は何か明確にしなければならない。

怒られているその内容の中で、「自分がすべきこと」を中心に合理的に物事を捉えられれば、相手の感情に左右されずに、目的に対して、少なくとも自分は迷わずに走り抜くことができる。

【3-2】承認欲求の怖いところ

しかし、課題の分離の思考をを鈍らせる欲求が、「承認欲求」だ。「承認欲求」が勝ると、相手に認められたい思いが強すぎて、「相手の”感情”をなんとかしよう」と画策したり、逆に「期待に応えられなかった自分がすべて悪い」かのように凹んでしまい、本来やるべきことの物事の本質を見抜けなくなる。そして、その本人が導き出す答えは、相手からの評価を気にした行動や返答となり、本筋から逸れたり、的外れな行動をしたりする。「相手から認められたい」という思いが強すぎて、問題のコアや、今できることを見失うケースもある。すると、本当は認められたくて行動したその挙句、本筋から逸れたところしか見えていない当の本人は、一層認められない自分自身にストレスを感じることになる。「自分に自信が持てない」と嘆く人の特徴として、認められたいという「承認欲求」が強い傾向がある。逆に、「他人からの評価なんてどうでも良いや」と、思っている人ほど、結果的に良いパフォーマンスをして、認められることも少なくない。それは、問題の本筋が、感情に邪魔されずに見えているからだ。

「好かれようとする承認欲求を捨てろ!=嫌われる勇気を持て」ってことだ。

【4】③幸福とは他者貢献である


最後に幸福とは他者貢献であると提唱している。なぜなら、他者貢献こそが1番の共同体感覚を得られるからだ。共同体感覚とは何かと言うと、仲間に貢献できている感覚のことを言う。

【4-1】人は誰かの役に立つ事でしか、幸せを感じられない。

どんなお金持ちも仕事を続けたり、支援活動をしているのは、他者に貢献する為だそうだ。そして、他者と競争する事も無しとされている。なぜなら、競争する事は他者貢献する共同体感覚とは異なるため。他者と競争しない為には、まず自分が特別ではなく普通の人間であることを自己受容する必要がある。そうすることで、競争意識が薄れ、他者を信頼でき、他者へ貢献できるらしい。これこそが幸福に生きる為の考え方と。

最後の方は、実は、私もこの意味を心底理解していない。なんか宗教っぽくなって、自分で書いてて怖くなってきた。なので、3番目は、一体この本は何が言いたいんだってのをもっと理解して、分かりやすい例えにできるまでは自分の宿題にしておこうと思う。ただ、自分が得た利益よりも他人に与えた利益の方が、実は幸福度が高いということは理解した。

【5】『嫌われる勇気』自己啓発の源流

今回紹介したアドラー心理学3つの教えをまとめた。アドラー心理学3つの教え ①人は変わることができる ②全ての悩みは対人関係である ③幸福とは他者貢献である。以上が『嫌われる勇気』に示されている幸福に生きていく考え方。先進国の豊かな国でありながら、幸福度の低い私たち日本人がぜひ読むべき一冊。

賞罰教育(偉いね!すごいね教育)を受け、褒められるべく、人の目を気にして生きる私たちには、嫌われる勇気が足りないのかもしれない。もう生まれた頃から植え付けられている。なので敢えて、自由に自分の進みたい道を歩む為にも、ぜひアドラー心理学を取り入れてみては。

『他人の評価なんて、どーだっていーや。んで?実務的に俺が出来ることはどれだろう?』って言う状態が、実は、1番自由で、1番生きてて楽しい状態。そして、1番自分のパフォーマンスが良くなる状態である。これがアドラー心理学『嫌われる勇気』の核となる部分。他人からの評価は、自分が決めることではない。自分のコントロール外のところにある。


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