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「たぶん薄いニーズだろう顧客群」に対して向き合う時に読むnote

情報過多のこの時代にも関わらず、アクセスいただき本当にありがとうございます。本noteでは下記の方を特に対象としております。

対象:ど新規顧客からの商談&発注をいただく必要性に迫られている人(営業全般、FS、BDR、経営陣、マネージャー、マーケティングチームの方々)

ウェビナーバブルも一巡し、いよいよ「ニーズが薄い方々」にも本腰で向き合わないといけない方、過去実施したけど成果が出なかった方、ド新規商談経験が乏しく、情報を探していた方などのお役に立てたら幸いです!

自己紹介

改めまして、Skilled Workers株式会社代表取締役の相川雄輔と申します。

主なキャリアとしては、2017年までの10年間、東証1部のトランスコスモスWebマーケティング部門で大手法人営業に従事しておりました。2013年から課長代理として、プレイングマネージャとして奔走しておりました。

当時は、自社サービスをほぼ持たない会社でしたので、顧客の様々なニーズに合わせて都度提供するものが変わる、コンサルティングセールスがメインの「無形商材型の新規開拓&既存拡大」が専門分野でした。

時代や顧客にも恵まれて、全社表彰含む多くの実績は良き思い出です。
とはいえ、当時は「WebSNS」がまだまだ脇役の時代。

顧客側も「Webを活用したい」というニーズはあれど、どの様にやるのか、どんな効果があるのか、はたまた、そもそもの問題点や課題すら明確ではないケースが多くありました。

そんな顧客に「サービスや機能紹介」をしても、暖簾に腕押しです。

まずは潜在的な課題を一緒に掘り起こし、気づいてもらい、一緒に提案書を作り込み、先方社内での稟議を通すにはどうすればよいか作戦会議をし・・

この様な原体験が本noteを書く上で、非常に大きなポイントになっております。

その後、2018年からアライドアーキテクツにて、ソリューション&プロダクトセールスに従事。

Twitterキャンペーン支援ツールのフィールドセールス&ソリューションセールスチームの部長職を務めた後、2021年1月に独立&7月に起業しました。

いまは、WebSNSマーケティングの施策立案&実行支援と、企業のセールス&マーケティング支援を主に行っております。

「たぶん薄いニーズだろう顧客群」って誰?

さて、ここからが本題です。

本noteでは「たぶん薄いニーズだろう顧客」を以下の様に定義させていただきます。

こちらからアプローチして「ようやく商談合意」に至った方

もう少しかみ砕くならば、

全く接点がなくて、電話アプローチして商談合意した方

ウェビナー等のイベント参加者でアンケート未記入or商談希望しないと回答した興味が薄い層に、電話アプローチして商談合意した方

つまり、新規開拓型のアプローチで商談合意した方と定義させてください。

そして、新規開拓型のアプローチをした方々は、商談を合意しているとはいえ「具体的なニーズが高まっている」ケースは非常に少ないのが現状です。

急に電話して「ちょうどよかった!貴社の検討していたんだよ!」なんて事もありますが、まぁ稀。①なら出現率は0.3%未満といったところでしょうか。

つまり、多くの方が「逼迫したニーズがない」状態であるものの、会話を通じて「この人(会社)の話なら聞いておいた方が得」という判断に至り、商談の合意をするわけです。

課題が明確ではない状態で、商談合意している事も多い「たぶん薄いニーズだろう顧客群」

無料トライアルなどを踏まえて、課題が明確でサービス選定に入っている「濃ゆいニーズだろう顧客群」

上記を切り分けて考えずに、一色淡に向き合って「たぶん薄いニーズだろう顧客群」からの成果が出ている方は、いまだ耳にしたことがありません。

落とし穴①たぶん薄いニーズ群の「BANT情報」

「商談したら、インサイドのヒアリング情報と違った」

これは分業あるあるの鉄板ネタですが、「たぶん薄いニーズだろう顧客群」の商談になればなるほど、乖離が大きくなる傾向にあります。

私自身もお恥ずかしい話、FS&BDR双方の立場で失敗談が多々あります。まさにトスアップしたら「全然違った」なんてフィードバックも、FSからのヒアリングメモが「全然違って即失注」なんてのも経験済です。

そして、その様な事案が発生すると「ヒアリングスキル」の向上や「連携強化」に向けて、各種チェックシートの見直しやヒアリング項目の徹底の指示を出すのが通例かと思います。

ただ、自身も起業して各社から電話アプローチ&商談を聞く中で、心の中でモヤモヤしていたのものが、確信に変わってきました。

それは、「たぶん薄いニーズだろう顧客群」に向き合う以上、電話アプローチ側のスキルだけでは、どうにもならない部分があるというコトです。

以下、私に掛かってきた電話アプローチを基にした「例」です。


A
「・・で、新規営業リストの管理でお困りの事はありますか?」

「特にないかな。規模が小さいので、スプレッドシートで頑張ってます」
A
「便利ですよね!私も超使ってます。でも、データが重かったり、集計の関数壊れたり、分析面倒じゃないですか?」

(面倒か否かでいったら)正直面倒ですよね。よくフリーズするし。まぁ規模が小さいので粛々とやりますよ。まわってるし。」
A
「よくフリーズしますよね。そして、現場で出来ちゃうのも分かります笑。ただその時間を、本来相川さんがやるべき仕事に使えたらどうですか?」

(使えるか否かでいったら)まぁ使えたら良いよね。
A
「そうですよね。ありがとうございます。ちなみに、もしそれが実現できるとして、いくら位だったら検討できるものでしょうか?

(全然イメージないけど)月額1万円以内とかですかね(棒)
A
「ありがとうございます。じつは、一連の課題を解決できるサービスを、月額5,000円でリリースしまして、モニター企業様を探しております。一度zoomで詳細のご説明できませんか?」

いや、別に急ぎで必要なものではないので・・
A
「そうですか。ただ、本サービスがリリースしたばかりで、まずは何が実現できるのかを、管理画面などお見せしながらお伝えしたく・・」

(情報収集なら)んー、それならいいですよ。
A
「ありがとうございます。ちなみに、もし各種条件が合った場合、導入の障壁ってありますか」

(導入の手間とか知らないけど。そろそろ切りたいな)特にないです
A
「承知しました。では、当日は担当のBから具体的なご提案をさせていただきます。追ってメールにて・・・」


「たぶん薄いニーズだろう顧客群」の方たちにアプローチするという事は、

  • 「電話」に出たくて出ていない方

  • 「ニーズが顕在化」していない方

こんな状況の方に、唐突に電話アプローチして、ガチャ切りされない様にスキルを駆使して会話をつなぎ、「わずかなニーズらしき破片」を拾い、やっとの思いで商談機会を獲得するワケですね。

自社サイトに問い合わせしてくれた方や、商談希望をしてる方とはワケが違うんです。

ですので、一事が万事「強いて言うなら〇〇」になっている事を前提に、準備をしないといけないのですが、多くの企業では以下の様なメモになり展開されていると思われます。

【商談獲得メモ】
日時:(一週間後)木曜日15時~
会社名:Skilled Workers株式会社 
役職/名前:代表取締役 相川様
現状ツール:Googleスプレッドシート
予算:月額1万円以内
スケジュール:条件合えば導入障壁なし
メモ:分析集計に課題。フリーズも多々あり。自身の時間を本来使うべき時間に使いたいとの意向あり。管理画面など詳細に興味あり。

そして、「商談したら、インサイドのヒアリング情報と違った」につながります。

落とし穴②「濃ゆいニーズだろう顧客群」向けの資料&商談準備

さて、Skilled Workers相川社長との商談です。
メモを見る限り、予算も課題もスケジュールもばっちりです(棒


B
「・・・で、分析集計にお困りだとお聞きしておりますが、具体的にはどのあたりでしょうか?」

「あー、具体的にですか。まぁ普通に業務回ってるので特にないですね。」
B
「あれ、そうなんですか・・。フリーズも結構あると聞いてますが?」

「そうですね。リストを追加削除するとフリーズしますが、まぁ頻度も少ないので」
B
「あ・・そうですか。となりますと、本日は..」

「あれ、何かモニター企業を探してるとか、お電話で聞きましたが?」
B
「そうですか。では商品の説明と・・・(メモと全然違っ!)」

「次があるので、30分以内で終わりますか」
B
「・・・!!!」
※半分フィクション、半分ノンフィクションです


いかがでしょう。ワカリミが深すぎる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、私が昔々に同席した完全ノンフィクションのケースでは、従来のサービス資料を延々と説明して、営業が8割喋って終わるケースもありました。もちろん案件化には至っておりません。

恐らくですが、双方とも質が悪い&コール担当のスキルが伴わないので、「たぶん薄いニーズだろう顧客群」へのアプローチはやめようとなるケースが多いと考えています。

全くその通りで「濃ゆいニーズだろう顧客群」とは別に「たぶん薄いニーズだろう顧客群」に向けて、商談担当も商談資料も変える位の心つもりがないと、中途半端に向き合わない方が良いと思います。(認知がある大手メガベンチャーを除く)

・・・
・・・・
・・・・・
・・・・・・

で終わってしまったら元も子もないので、広告代理店時代に「たぶん薄いニーズだろう顧客群」との初回商談を繰り返した「勝ち筋Tips」を次章に記載します。

簡易版_勝ち筋Tips

SMBがターゲットなので、商談準備とか時間を掛けられないという声をお聞きします。そりゃそうです。その通りです。

ただ、少しだけ「出来ない理由」から「出来る為には」と考える思考にお付き合いください。

以降はエンプラの皆さんや、私も広告代理店時代に死ぬほどやった「業界研究」「アカウントプラン」などせずに、極力手間をかけないで出来る方法をご紹介します。

大前提「たぶん薄いニーズだろう顧客群」は、こちらから「強引に迫って商談合意」してくれた方なので、そもそも「聞く耳」を持っていません。

興味をひき、共感を通じて「聞く耳」を持たせる事からスタートしましょう。

基本的な事ばかりですが、新規開拓営業の経験が乏しい方には、とても参考になるのではと思います。今年一年間で受けた商談を振り返ると、一方的に資料説明マンが多数を占めておりました。


【勝ち筋Tips_会社紹介を疎かにしない(理念等の割愛はOK)】
B
「・・まず、弊社が何が提供出来る会社なのか分からないと、何を相談して良いか分からないと思いますので、3分程よろしいですか?」

「はい、是非よろしくお願いいたします。」
B
「・・・と、テクノロジーの会社かと思われがちですが、親会社は人材支援の会社なので、幅を持ったご支援が可能です」

「なるほど、知りませんでした。人の件でも相談出来るのは心強いです!」

~メモ~
こちらから「お願い」して、商談の合意をいただいてます。こちらは相手を調べても、相手がこちらを調べていない可能性は高いです。また、初対面で信用しておらず、さらに何が出来るか分からない人に、困っている事があっても開示しません

と言うと、いや、機能スペックだけに相手は興味があるので、とか、扱っている商材が少ないので、という方が一定数おります。その方たちは「熱いリード」があるまで、取りこぼさない様に精一杯頑張ってください。



【勝ち筋Tips_想定される懸念点や課題を用意してディスカッション】
B
「・・で、事前にいくつかお聞きした情報を踏まえて、貴社業界をお調べしたら、業務効率化のニーズは強いものの、①ツールを持て余しそう ②データの移行に漠然とした不安がある ③利用の定着化への不安 といった部分をお持ちの方が多いのですが、貴社においてはいかがですか?」

「おっしゃる通りで、データ移行と定着化の手間を考えるだけで、先送りしている部分はありますねー」
B
「それはとっても分かります。いきなり全部を移行しようとすると、負荷が大きいので、まずはスモールスタートでも対応できます。その他、そもそもツール導入を検討する上で、不安な点ってあったりしますか?」

「その様な対応出来るんですね。それが気がかりでした。是非この後、事例を交えて詳細をお聞きしたいです」
~メモ~
何度も言いますが、大前提「たぶん薄いニーズだろう顧客群」は、こちらから「強引に迫って商談合意」してくれた方なので、そもそも「聞く耳」を持っていません。

ここを履き違えてる方が、メチャクチャ多いです。

開口一番「課題はなんですか?」など、あたかも相手が商談を希望したのか位のテンションの方も見た事があります。また、いきなりサービス説明を始める方もいらっしゃいます。それでは新規開拓セールスは無理です。

「たぶん薄いニーズだろう顧客群」との初回商談においては、想定課題をぶつけて、電話口では聞けなかったさらに深い情報を引き出す事に集中しましょう。サービス説明はそれからです。なんならしなくても良い位です。ディスカッションを通じて提供出来る価値と懸念点がクリアになれば、自ずと先方から質問が飛んできますよ。


「たぶん薄いニーズだろう顧客群」に向けて、商談担当も商談資料も変えるくらいの心つもりがないと、中途半端に向き合わない方が良い

と先に書かせていただいた通り、根本的に違います。SMBとエンプラ位は違います。これから検討をされる方は、自社の損益分岐点を踏まえて、本当に「たぶん薄いニーズだろう顧客群」と向き合うべきか、諸々セットで考える必要があると考えます。

まとめ


  • 「たぶん薄いニーズだろう顧客群」は

    • こちらからアプローチして「ようやく商談合意」に至った方=新規開拓型のアプローチで商談合意した方

    • 「逼迫したニーズがない」状態で商談合意している

    • ヒアリング時の情報と商談時の乖離が生まれやすい

    • 一事が万事「強いて言うなら〇〇」になっている

    • インバウンド顧客と同様に向き合うと、質が悪いと徹底するケースが多い

    • 商談担当も商談資料も変える位の心つもりがないと、中途半端に向き合わない方が良い

    • 初対面で信用しておらず、さらに何が出来るか分からない人に、困っている事があっても開示しない

    • その他、簡易版Tips参照ください


5,000文字を超えてきました。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました、以下にざっくりまとめました。

「たぶん薄いニーズだろう顧客群」と向き合う際には、上記前提を踏まえて検討してみてください。

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