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特別研修3日目!グループ研修の最終日

こんにちは。横浜ではたらく社労士、いわたです。本日、特別研修3日目に参加してきました。全3回のグループ研修も本日が最終日です。1日目、2日目のレポは以下から御覧いただけます。3日目は提出物などもあり、とにかく忙しいです!本レポートはあくまで私が所属しているグループの進め方になります。研修会場へ向かう道中は雲一つない秋晴れで歩いていて気持ちよかったです。

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グループで二つのアウトプットづくり

この研修では、グループで作成しなければならないアウトプットが2種類あります。かなり長文のケーススタディが2種類テキストに記載されており、一つは労働者側の代理人の立場での「あっせん申請書」、もう一つは事業主側の立場での「答弁書」を作成します。

我々のグループでは、研修2日目に「あっせん申請書」についてのグループのアウトプットを出すための議論を終えていたので、当該申請書のとりまとめ担当リーダーが、研修当日の議論をベースに集約案を作成していただいており、それをメールベースで全員が確認して完成!

3日目の朝には、もう一つの提出物である「答弁書」を記載していきます。「答弁書」とは、あっせん・調停等の現場で相手方から申告された申請書の内容の一文一文について確認し、「認める」、「争う」、「不知」のいずれかを回答する書面です。原則として、何も書かなければ「認める」とみなされるようなので、きっちりと相手方が記載している事項が事実なのかどうかを細かく見ていく必要があります。

ただ前回も記載したとおり、あっせん・調停は裁判とは異なり、判決が出るわけではなく、そのゴールは「和解」です。ですので、訴訟事案とは異なり、あまり相手方を「論破」しにいく記載方法よりも、将来的な「和解」の落としどころもイメージして書いていく必要があるという点が大きな学びでした。

我々のグループでは先生からのご指導もあり、主位的主張と予備的主張という概念を用いることにしました。(主位的主張とは、本来の主張と、当該主張が認められなかったときのために予備的な主張とをともに行うときの本来の主張をいいます。)

あっせん・調停の場でも、主位的主張として「相手方の申請について事実と異なる点について、言うことはきちんと言う」、ただし予備的主張では和解も見据えた落としどころを探る、というアウトプットになりました。

研修3日目は結構忙しい&持ち物

グループ研修の最終日にあたる研修3日目は割とバタバタします。上記の二つのアウトプットの完成のうち、特に我々のグループであれば「答弁書」の統合作業は、グループワークをしながら、担当がその場でまとめあげて、その日のうちに印刷して提出する必要があります。(厳密には、後日提出でもよいのですが、持ち帰るとかなり面倒なのでその場で出せる段取りを整えておいた方がよいです。)

なので、取りまとめをする方は以下3点は当日会場に持ち込んだ方がよいです。

・ノートPC
・USB(その場で作った資料をコンビニ等で印刷するため)
・モバイルバッテリー(東京会場は、会場のコンセントが利用不可というルールでした)

あと、印刷代等についても全員でワリカンすることになるので小銭もいっぱい持っておいた方がよいです。

残りの検討課題を進めていく

午前中いっぱいかけて答弁書の統合作業が終わり、お昼休み(12:30~13:20で全グループ共通)を挟んで午後からは残りの検討課題を進めていきます。検討課題は、比較的短文で記載されたケーススタディですが、あっせん・調停の場に持ち込まれやすいであろうテーマを取り扱っています。今日取り組んだのは「パワハラによる懲戒処分や人事処分の有効性」、「私傷病休職と休職期間満了」がテーマでした。

検討課題についてはグループで一つのアウトプットを作る必要はないので、各自の意見の違い等に着目しながら、割と自由に議論を進めていきます。ハラスメント等は絶妙に判断が難しいレベル感の事例で、グループメンバーの社労士としての解釈の違いが出ていて大変面白かったです。

検討課題についても担当を割り振っていたので、各担当が司会進行とファシリテーションを進めていき、適宜、先生からフィードバックが入る形でした。

検討課題は実務的にもかなり良く出会う論点で、”実務でよくやっていること”にしっかりと理論的裏付けを持つという意味でも、予習をしっかりやった方がよいです。

最後は「倫理」

研修の最後の約2時間は「倫理」がテーマでした。社会保険労務士は通常の業務であれば、弁護士のような利益相反取引に該当するおそれが少ないのですが、特定社労士になって、あっせん・調停の代理人を担うようになれば、弁護士と同様に「依頼者」の利益のために事件を取り扱わなければならないため、「倫理」の学習が極めて重要なようです。

これもテキストに絶妙なラインを取り扱った「設例」がついていて、受任してよいか否かをグループで議論していきます。

「倫理」については主に「社会保険労務士法」がその根拠法案になるため社労士法の理解はMUSTですが、必ずしも根拠法令だけに囚われず、広く社労士としての倫理観を問われる内容になっています。今日の議論の中でも、「社労士法的には受任しうるが、~を総合的に判断すると受任しない方がよい」という議論が頻繁に上がっていました。

ちなみに私は開業前に以下の「社労士法詳解」を読んだのですが、おそらく唯一の社労士法のコンメンタール(逐条解説)で非常に面白い本です。単なるコンメンタールではなく、そもそも社労士という資格ができるまでの世の中の流れや先人たちの努力がプロジェクトXばりに鮮明に描かれています。

改定はされておらず、かなり古い本ではありますが、我々社労士のルーツに迫ることができる良本です。特に開業の方はMUSTで手元に置いておかれるのがよいかと思います。

次回からは、弁護士の先生がグループ研修で作成した「あっせん申請書」と「答弁申請書」をレビューして下さるゼミナールというのが始まります。ようやく折り返し地点まで来ましたが、残り3日間頑張ります!



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