NHK交響楽団第1947回定期公演

昨日は、NHK FMの実況中継でNHK交響楽団の第1947回定期公演を鑑賞しました。会場はサントリーホール大ホールでした。

今回は、前半にマーラーの『花の章』とリヒャルト・シュトラウスの『最後の4つの歌』、後半にベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」が取り上げられました。ソプラノ独唱は佐々木典子、指揮は山田和樹でした。

『最後の4つの歌』を得意とする佐々木の滑らかな歌い口と鮮やかな節回しが遺憾なく発揮されたシュトラウスは、第4曲「夕映えの中で」を締めくくる"etwa der Tod?"の一句まで弛緩することなく音楽が進み、歌い手の練達ぶりが伝わる仕上がりでした。

一方、山田の指揮は、マーラーについては抒情性を強調し、聞き手が思い描く「マーラーらしい音楽」をその思うとおりに示していました。

また、ベートーヴェンは劇的な側面よりも躍動感に重心を置く演奏で、一見すると賑やかなように思われつつ、実際にはコルシカに生まれた一人の砲兵将校が権力の頂点へと上り詰める様子を象徴的に表現していたと言えるでしょう。

こうした山田の音楽作りを支えたNHK響の機動力と安定感を備えた演奏もいつもながらに手際が良く、全体として均整の取れた公演となっていました。

<Executive Summary>
Stage Review: NHK Symphony Orchestra the 1947th Subscription Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the 1947th Subscription Concert at the Suntory Hall on 15th December 2021 and broadcasted via NHK FM. In this time they performed Mahler's "Blumine" movement, Richard Strauss' 4 Letzte Lieder and Beethoven's 3rd Symphony. Solo soprano was Noriko Sasaki and conductor was Kazuki Yamada.


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