The Times They Are A-Changin’ by Sinéad O’Connor

先日、地図について書いたときに最後に取り上げたボブ・ディランの名曲The Times They Are a-Changin’ (時代は変わる)。この曲は多くのシンガーにカバーされている。もともと変化に乏しい曲調のせいか、どれも歌詞のメッセージがはっきりと伝わってくる。

いつのものか不明だけど、昨年56歳で他界したシネイド・オコナーが歌うバージョンを見つけた。

先のnoteでは断片的に歌詞を引用していたけれど、じつは公開直前に削除した引用部分がある。描写が津波を連想させて、記事のテーマ的に不適切な感じがしたからだ。以下、その部分と拙訳を書いておく。

admit that the waters
around you have grown
and accept it that soon
you'll be drenched to the bone

周りの水がどんどんと増してきて、
骨の髄まで浸ってしまうのを受け入れざるを得なくなる

if your time to you is worth savin'
then you better start swimmin'
or you'll sink like a stone
for the times they are a-changin'

自分の時代に救う価値があるなら
いますぐ泳ぎだしたほうが良い
さもなくば石のように沈むしかない
時代は変わるものだから


この曲が発表された1964年にはまだ温暖化による海面上昇など想定されていなかったし、ディランがこの比喩で何を示唆していたのかわからない。しかしダーウィンの適者生存説のように、わたしたちも変化に適応していかなければならないことを歌っているのは明らかだ。

先日、突如わたしの使っていたMacBookが壊れてしまって、前回のnote更新はスマホからおこなった。このnoteも同じくスマホで書いていて、操作の勝手の違いがじつにまどろっこしく感じる。

いままでと同じように推敲しながら長文を書くのにはスマホからではかなりエネルギーが必要だ。たまたまパソコンが故障しただけなのだけど、なんだか自分の状況がこの曲でも歌われていることのような気がしないでもない。noteの書き方を変えるタイミングなのかもしれない。

いやいや、noteの書き方はほんのひとつのことにすぎない。身の回りから世間、政治、世界情勢と、あらためていろいろと変わり続けている。わたし自身こそアップデートが必要な時期が来ているようだ。

今日選んだ音楽映像のシネイドも、けっして幸せな形ではなかったけれど、変化し続けた生き様の表現者だった。

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