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書き初めならぬ牡蠣初めで気分一新

この年末年始はどこへも行かずに過ごしていた。かと言って昨年の疲れがとれるでもなく、むしろメリハリのない毎日で気分はマンネリ気味だった。そのせいか新年早々どうも調子が出ない。仕事はじめは4日。木曜日と金曜日は淡々と仕事をこなしはしたものの気分が晴れないでいる。

どこかで誰かが言っていた。蓄積したストレスになんとか持ちこたえていたところに良くない情報が加わればかなり辛くなるのだと。そうだと思う。

年初に起きた大地震のニュースは大きなストレス源だ。ニュースだけでストレスだなんて呆れんばかりの生ぬるさで、災害の当事者からはお叱りを受けそうだけれど、無関心ではいられないのだから、やはりどこかでストレスになっている。

幸いにしてわたしの身近なところでは直接の被害は聞いていない。しかし、もう何年も連絡をとりあっていない知人友人には能登出身の人もいた。彼ら彼女ら自身や親類たちは無事だろうか。心の隅にそうした心配が居座っていて、憂鬱の根っこが瀰漫びまんする。

この三連休、めずらしく妻とふたりで渋谷まで行く用事があって、気分転換になるかと思えば、逆に渋谷の異常な人混みに圧倒された。妻はそのまま渋谷に残って旧友たちと会食し、わたしは地元に戻り子供たちを呼び出してちょっとした外食をした。子供たちも気分が変わったのか、いつになく兄弟でゲームの話なんかをして盛りあがっている。キミたち、それよりももう冬休みはおしまいだぞ・・・宿題や試験対策は大丈夫なのかという父親の胸三寸など気にも留めぬ様子で、でもまぁこの子たちもおなじように気分転換を求めていたのかもなと思ったりした。

そうそう、note公式さんの連続投稿企画にあわせて昨年末からいくつか書いていたけど、あとひとつまで来て筆が止まっていた。折角だから期限内にもうひとつ書けないだろうか。

お題はどうしよう、#今年やりたい10のこと?いやいや、そんなに思いつかない。#ナイショの抱負?書いちゃったら内緒じゃなくなるし・・・#note書き初め?もう今年の1本目は書いちゃったな・・・などと迷っていたら、「書きヽヽ初め」の音からあるイベントを思い出した。

それは、上野公園の噴水広場が会場の牡蠣ヽヽフェス(駄洒落で失礼)。

そうだった。牡蠣フェスは毎年この寒い時期にあった。牡蠣好きの同僚と行ったり、ひとりで美術館めぐりのついでに行ったりしたなと思い出した。今日は午後に美容院の予約があったのだけど、それまでに上野公園の牡蠣フェスでランチをとることにした。

家族は牡蠣を食べないのでわたし単独で。その前に科博の和食展を観るとちょうど良いかもと、予定を詰め込みすぎる悪い癖が脳裏をよぎる。しかし上野公園の雑踏を見てそれを思いとどまった。どちらも中途半端に終わってしまうか、最悪本来の目的の牡蠣フェスを断念することになる。

牡蠣フェスは予想以上の混雑で、牡蠣の食べ比べは産地ごとに長い行列ができていた。牡蠣フェス名物の超巨大牡蠣鍋にまでも長い行列。食べ比べも牡蠣鍋も昨年食べているから今年はそれら以外のものにしよう。

寿製麺よしかわの“芳醇牡蠣そば”牡蠣盛り

行列に並んで食べたのは牡蠣100%スープの芳醇牡蠣そば。そばと言っても中華そばのそば。細めのラーメンだ。メニューはノーマルと味玉付きと牡蠣増しの3種類で、牡蠣好きとしては迷わず牡蠣増しの一択。プリップリの牡蠣が6つ!そして芳醇の名に恥じない濃厚な牡蠣100%スープがじつに美味だった。スープだけでも売って欲しいぐらいだ。

スープまで飲みほしたので満腹だったけど、このまま会場を後にしては後悔する。

ということで、牡蠣フライも食べることにした。瀬戸内レモンを使ったタルタルソースが添えられた、熱々の牡蠣フライが3つ。

レモンたるたる牡蠣フライ

これも大当たりで、なかの牡蠣はけっこう大ぶり。濃厚な味わいがじんわりと口内に広がる。ただし揚げたてでとても熱いので火傷に注意。

これらに加えて日本酒の利き酒もあるしクラフトビールもある。仕事ではないとはいえ、美容院に行く前に飲むわけにもゆかず、牡蠣そばと牡蠣フライだけで会場を後にした。

美容院の予約を入れていなかったら、展覧会を観て、さらに夕食に食べ比べと利き酒なんかをやっていたかもしれない。一緒にこれらを楽しめる同志がいればなおのこと良いのだけれど、それは展覧会次第か。来年は展覧会の内容によっては関心のありそうな牡蠣好きの友人に声をかけてみようかな。

この牡蠣フェスでは、今年はステージがあって代わる代わるアイドルグループがパフォーマンスを演っていた。牡蠣が目当ての来客にこのステージパフォーマンスは受けるのか?なんて思ったけれど、アイドルグループによっては既に人気があるのか牡蠣そっちのけでステージに注目する人びともいた。

パフォーマンス中のアイドルたち

牡蠣と日本酒が目当ての客からあらたなファンを獲得しようというのだから、アイドルたちも大変だ。「牡蠣食べた〜い」なんて歌っているグループもあった。牡蠣目当ての来客がどれだけステージに注目してくれたのだろう、とその宣伝効果がちょっと気になった。

今回見たのはたまたまアイドルグループだったけど、これが例えば演歌だったりジャズだったりクラシックだったりしたらどうだろう。それなりに関心はひいたかもしれない。話芸も良いかも。

そうだ、こうしたパフォーマンスはそもそも祝祭的なものだから、○○フェスとは相性が良いはずだ。意外な取り合わせであってもうまくいくものなのかもしれない。牡蠣フェスに売り出し中のアイドルをぶつけるのは主催者の慧眼だと思った。

今日は成人の日だった。美容院でそう言われて気がついたけど、晴れ着姿の新成人は見かけなかった。自治体によっては昨日に成人式の式典をやったりしているから、今日のわたしの行動範囲ではたまたまなかっただけなのかもしれない。

あぁそうか、美容院は新成人の着付けとかもやっているのだよね、きっと。見かけなかったので話をそこで切ってしまって、話題を提供してくれた美容師さんには申し訳ないことをした。

久しぶりの美容院では、予約段階ではいつもと同様に長髪の傷んだところを切ってパーマをかけ直す内容で予約していた。髪がかなり傷んでいたのでパーマをかけなくても良いのではと提案された。自分でも伸びっぱなしで傷みがひどいと思っていたけど、美容師がそう言うのだから少なからず傷んでいるのだろう。

今回はカットのみで、あとは頭皮と髪のトリートメントに変更した。気にいらなければ後日パーマだけあてよう。もともとパーマがとれていたのでただ切り揃えただけみたいなものだけど、わたしのなかではイメージチェンジに近い。いつものくるくるパーマを想定していた家族にも驚かれた。

なんだか気分転換になったな、と思った。

成人の日の休日。先週二日ほど出勤したとはいえ、子供たちは冬休みだし、感覚的には年始モードは今日でおしまい。毛筆の書き初めはしなかったけど“牡蠣”初めをして、地味ながら髪型を変えて。ちょっとだけでも気分転換と思えて、ようやく年始がやってきたかのような、そんな感じがする。

既にいろいろと予定が目白押しで、今年もいろいろと変化がありそうなのに、どうにも気分の調子が良くなかった。そんな年もあるかなと心の片隅に鬱々したものを抱えていたけれど、これで気分一新?

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