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2020年のdelyに起きること クラシル2.0

※こちらのブログは社内向けに2020年2月に書いたブログです。今更ながら振り返りの意味で公開してみます。

クラシルは2020年、新しいチャレンジを立て続けにしていきます。チラシ、ECなどなど。(社外用にここだけ編集)クラシル2.0のフェーズがあるとしたらまさに2020年がその年になるでしょう。一つのプロダクトの中で多くの機能を出すことはタブー視する人も多いです。実際プロダクトのマネジメント難易度は指数関数的に上がっていることを感じます。最初はDAUや、RR(リテンションレート)だけ見ていたクラシルも次は課金のCVRが入ってきて、それに伴いオンボ、課金訴求とRRの相関などもウォッチしなければいけなくなりました。一つの変数が増えると、それに伴ってその変数と周りの重要な変数の相関性などもチェックしなけれなならず指数関数的に難易度が上がります。それでもクラシルは料理の負は料理のhow toだけにあるのでなく、買い物や献立作成などもっともっと解決すべきイシューが多く存在し、それが料理動画というコンテンツがあるからこそ更に進化した形で便利にお客様に提供できると信じこのタブーへの新たな挑戦をします。僕たちはクックパッドに変わる存在になりたいのではなく、クックパッドを遥かに超えた存在になり世界の当たり前を変えたいのです。

そして2020年はチラシのCTR、チラシに伴うpushの開封率、ECの初回CVR、CRM,チラシの開封率、ECのCVRなどなどとにかく無限に見なくてはいけないことが増えていきます。ここで重要になるのが、一個の指標が伸びたと思っても他の何かに影響を及ぼしていないか随時チェックしないといけないということです。プロダクトは料理に近いです。どんなに素晴らしく繊細な料理でも一つの調味料を多く入れてしまうだけで一気に全体のバランスが崩壊し、料理として成り立たなくなってしまいます。全ての調和が取れているから素晴らしい料理になるのです。2020年のこの多機能化のチャレンジはそれほどバランスが重要です。

そんな料理を作る組織はいよいよ100人を超えタテ割りになっていきます。一人一人が持つKPIがあり、全員が個別のKPIを持ちそれによって評価されるため最終的にはプロダクトを長期で伸ばし続け、収益を最大化するとい目的があるにも関わらず、個々のKPIが暴走しプロダクトが調和を保てなくなり死んでいく可能性があると思っています。例えば起こり得ることを想像すると課金の売上をKPIで追っているチームと無料ユーザーの満足度を追っているチームの利害はぶつかりここで調和を失います。もう既に起き始めているこの問題に対してどう対応すれば良いのか我々全員で考えなければいけません。料理で改めて例えるとすると一つの繊細で複雑な料理を100人で一緒に作っているのです。それは極めて難易度の高い作業だと想像できます。

この最も難しいフェーズにおいて改めてdelyの全員に持って欲しいマインドが2つあります。

1.ユーザー数最大化、価値創造最大化、利益創出最大化の視点を社長視点で判断する
2.タテ割りの視点を捨て、全領域においてプロダクトに起きることに対して全員が当事者意識を持つ

1は簡単な話で、貴方の成果を出すためでなく最高のプロダクトを作り、最高の価値創造をし、その結果利益の最大化をできる選択肢はどれかという視点で物事を判断して欲しいということです。これが出来ないとタテ割り組織故に発生する社内政治が起こり、コトに向かう組織が作れなくなります。delyでは経営視点を持った判断をした結果、それが全体利益に貢献し、自らの評価が落ちそうな決断でも出来るような人を信頼し続けますし、高く評価します。全ては価値創造のために動きましょう。

2はdelyでよく言われる執着です。delyが金、実績、人が圧倒的に負けている中で何故ここまで数あるプロダクトの中を勝ち上がってきたか?それは全員の価値創造と勝利に対する執念です。何者でもなかった超ダークホースのdelyが唯一他に勝っていたのはこの執念です。僕自身リリースしてから1日も欠かさず1日に10回以上はクラシルのエゴサを繰り返し、クラシルを様々なユーザーに憑依し使い倒してきました。その結果誰よりも気づきの数が多かったのではないかと思います。経営において起きる全てのことは全部自分のせいという本気の執念で全員が動いていました。

サーバーが毎日落ちてしまう事が続き、エンジニア(大竹くんしかいない)疲弊し続けていた時、マニュアルを作ってエンジニア以外の社員でもインターンでも全員がAWSを再起動させていました。大竹くんが飲みにいくと毎回サーバーが落ちるというナイトルーティンもあり、毎回大竹くんが飲みにいく時や会社の花見でも全員で常にチェックしていました。

他にもCMの資金が必要で売上0の会社が2ヶ月で10億、年間で35億近くの広告宣伝費を使った年。社長の私は資金調達という大将戦をしていました。まだ24歳だった私は人脈も全くありません。一方で競合は業界の大先輩ばかり。どう考えても勝てるはずない戦いですが結果的にはこの戦いにも勝ちました。僕は途轍もない執念を持って戦っていました。とにかく会う人会う人にインパクトを残し続け、あの男は凄いと投資家の方々から信頼してもらうためにあらゆることをやり続けました。競合企業の社長の考えていることをチェックするためにTweetのfavを毎日チェックし、誰と絡んでいるか、FBで誰と今日繋がったなども逐一チェックし、それが著名VCであれば一目散にアポを取り、delyが絶対に勝つ理由を説明しその資金調達や提携を全てdelyに引き寄せました。

採用でも資金でもプロダクトでも圧倒的に自分ごとをしていった結果ど素人の大学生だったdelyチームがどのジャンルでも一目置かれる結果を残せるようになりました。会社で起こっている問題全て自分ごとにしてみてください。それを全力で解決しようと思えば1年で見違えるほど力が付き3年で業界でも圧倒的な能力を持つ人材になれているはずです。

クラシルというプロダクトはとにかくマネージメント難易度が上がっています。でもそれが高い水準で開発し続けられれば素晴らしい未来が確実に待っていると思います。2020年はいつかクラシル2.0と言われるような伝説の年になるはずです。今その伝説を作る側の立場に居られることの幸せを噛み締めて全力で執着していきましょう。