見出し画像

十日戎の小さな挑戦。

10日は夕方まで仕事してから家族と待ち合わせて西宮戎神社へ十日戎のお参りへ。毎年元旦は登山しているのでこの機会が初詣となる。

息子にとってはお参りはさっさと済ませてからの屋台回りがメインイベント。小学生になって身体もしっかりしてきたので、今年は初の射的にチャレンジした。

皆さんご存知の通り屋台の遊戯には結果によって景品が設定されていて、上位はたいてい最新のゲーム機やプラモデルだ。息子も例によってエアガンに目をつけてケースをバンバン狙うのだが、当然コルクの弾程度ではどれだけ商品に直撃しても倒れて落下することはない。

この射的屋では商品を倒すのではなく棚から落下させることが、商品の取得条件だった。そして商品の後ろ側には落下させられるほどの隙間は無い。大人はその無理な条件を理解した上で、昔ながらの射的を楽しむのだが息子は真剣。

それに気づいた店主がケースは倒れないからと、ジッポライターを立てて「これ落としたらOK」としてくれた。おそらく小学一年生がどうやっても当てられないと踏んだのだろう。何より、そもそも的の後ろに落下する隙間は無いのだ。

で、自分たちもそれを分かっていながらだが挑戦させてみた。

弾は10発。もちろん当たらない。が、1発ごとになんだかんだ文句を言いながら狙いを修正している息子。相当な集中力にこちらも力が入る。そしてじっくり30分くらいかけてなんと10発目に的に直撃して見事吹っ飛ばした。

うわ!と思わず声が出てしまったが、すぐに落下するわけはないと気づく。店主も驚いたものの「下に落ちてないからごめんな」と失格判定を下した。

息子は大泣きした。遊戯とはいえ自分が全力を出した勝負での敗北。どれだけ悔しくて悲しいかは容易に想像できるので、その場でまた30分くらい一緒に座ってとにかく褒めた。

初めから決して落ちないことを教えていたらこんな思いをすることもなかったと思うが、挑戦もなかった。なまじ命中しただけに結果としては一層つらいものになったが、彼の健闘を心から讃えた1日となった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?