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他人の評判はあてにならない。

私、くまりすが職場で他人の評判が悪い人と関わることで、学び、成長できた経験を紹介します。周りにいる他人の評判が悪い人のあつかい方を知り、人材の円滑な活用方法をお伝えします。

ある日、評判の悪い人が私が所属する営業所に転勤して来るというウワサがあった。私はできるだけ関わらないようにしようと心に決めた。なぜなら「評判が悪い」のだから。評判が悪いということは、大きな欠点があると予想できた。ここで評判の悪い人を「Mさん」と置き換える。
私、くまりすが評判の悪かったMさんとかかわる中で学んだ他人の評判が悪い人と関わることで成長できた人間関係の作り方を紹介します。

そして、Mさんが転勤してきた。不思議なめぐり合わせが起きた。営業所でたくさんのポジションがあるのに、私の相方になった。私は心底、なぜ私の相方になるんだと頭を悩ませた。先輩も私に「くまりすさん、大変だな」とひとこと。

Mさんがなぜ、評判が悪いのか初日で理解した。それは、話しが長い、話しが終わらない、1人で話している、1人で話してると思っていたら実は話しかけていた、などコミュニケーションに違和感を感じることが1日の中で何度もあった。これが、評判が悪い原因だなと感じた。

私はあきらめた。Mさんに関わらないようにしようと決めたことを。
そして、気持ちを切り替えて、全力でMさんと関わっていこうと考えた。
私が全力でMさんに関わろうとした理由は、職場の人間関係が悪くなることが嫌だからだった。あきらかに同僚たちはMさんをさけていた。また、私までMさんをさけると職場の中に人間関係が微妙な部分を作ってしまうと感じたからだ。

私は、以下の戦略を考えた。

まず、Mさんを理解する。
次に、Mさんを上手にあつかう。
そして、Mさんの居場所をつくる
最後に、Mさんと同僚たちを仲良くさせる。

これらが、私が考えた職場の人間関係が悪くならないための戦略だった。
これは袋の中にカビたみかんが1つあれば、いずれ全てカビたみかんになることにたとえられる。

Mさんを理解する

これは簡単だった。なぜならMさんは1人でいきなり話し始めるので、Mさんの声がしたら話しを聞くようにした。Mさんの好きなこと、興味のあること、嫌いな事などを聴いて1度で記憶するようにした。記憶したら、すぐにMさんとの会話で繰り返すようにした。そうする事により、Mさんは毎日、私のそばにいるようになった。そして同僚たちは安心した。私が出勤している時はMさんを引きつけてくれているからだ。なので、同僚たちはMさんとの関係を最小限にでき、自分の仕事に集中できた。

Mさんを上手にあつかう

Mさんとの日々が1週間、4週間、12週間と長くなるにつれて、Mさんも私もお互いに慣れてきた。Mさんは相変わらず、コミュニケーションの違和感があるが、私の精神力も成長したせいか、初めて会った時ほどコミュニケーションの違和感が気にならなくなった。しかし、まだ同僚たちはMさんをさけ気味であったので、私ほど慣れてはいなかった。慣れていない同僚たちのために、同僚の目の前でMさんに「ツッコミ」を入れることにした。たとえば、「Mさん、今のは誰に向かって話してたのか、わからないよ」「Mさん、それは同僚たちが好きじゃないことだよ」「Mさんまた忘れ物しているよ」などだった。Mさんと私は同僚たちから見ると「うらやましくはない」仲良しの関係だったので、ありのままでものごとを言い合える仲になっていた。Mさんは私よりもかなり年上なので、理解力と寛容さがあった。そのため、私はMさんの素晴らしいそれらの性格に甘えて直球でものごとをMさんに言っていた。これは私の主観ではあるが、Mさんは私がMさんのために言っていると感じてくれていたのではないだろうかと考える。Mさんは私のことをくまりすちゃんと呼んでくれるようになっていた。

Mさんの居場所をつくる

Mさんの居場所は私のそばだけだった。
それだけでは狭いので拡げることにした。
私の仲の良い同僚と後輩たちをまき込んで居場所をつくることにした。
Mさんが1人で話し始めると私から会話に入り、同僚と後輩たちをその会話にからませるようにした。Mさんはその会話の中で私の仲の良い同僚と後輩のことを知り、私が出勤していなくても居場所があるようにした。私が出勤しなかった翌日は、いつも同僚にこう言われてた「くまりすさんがいないから昨日大変でしたよ。Mさんをあつかえる人がいないので、みんなよく話しかけられました。くまりすさん、休まないでください」。
Mさんの居場所ができつつあることを感じられた。

Mさんと同僚たちを仲良くさせる

ここまで来てもMさんのコミュニケーションの違和感はまだまだあった。
居場所ができたMさんは、のびのびとそれらの居場所へ行く。そこでは、私がいない状態での会話が始まる。私が聞き耳を立てていると、コミュニケーションの違和感が発生している。そこで、私は自然をよそおい、会話に参加する。そして「ツッコミ」をいれる。もちろん直球でMさんに「同僚が困ってるよ。そういう時はこう言わないと同僚が困るもんだよ」と伝える。「ツッコミ」はいつもユーモアがあるようにしている。Mさんも同僚も傷つかないように。こういった事を繰り返し、Mさんも同僚たちもお互いのコミュニケーションの取り方の癖を理解していった。今では同僚たちはMさんに対する免疫がついている。Mさんが転勤したばかりの頃のようなさける傾向は同僚たちの中でなくなりつつある。

これらの4つの戦略によって、Mさんは同僚たちに理解され、上手にあつかわれ、居場所があり、仲良くできるようになった。

Mさんのおかげで私もよく成長することができた。
他人の評判はあてにならないということがよくわかった。

あとづけにはなるが、Mさんと相方になり、話している中で、Mさんの中に多くの能力があるということが見えてきた。

Mさんは転勤してきたばかりの頃はすねていた。正しく述べると、前の営業所で同僚たちに、良くはあつかわれていなかったと感じることがあった。
Mさんが同僚を信頼していないと私はMさんから感じることがあった。Mさん自身も「この部門の人間は嫌いだ」と私に何度も言っていた。Mさんなりに過去に嫌な思いを何度もしたのだろう。

そんなMさんに私は同僚関係は楽しく、助け合い、励まし合うことを伝えられたのかなと思っている。私がよく同僚たちを観て、手伝えることがないか、と同僚たちに声かけをしていた。ある時からMさんも私のように同僚たちに手伝えることはないかと声をかけるようになった。今では営業所全体を観てくれるほど活躍している。Mさんは私より仕事に対してやる気のある人だ。私は上司に「Mさんはやる気のある人です、コミュニケーションに少し違和感がありますが、上手にリードすれば使える人材です。」と進言している。

読者の身近に他人の評判が悪い人はいないだろうか。その人は実は貴重な人材になるかもしれません。私が経験したこの話が、読者の周りにいる人材をうまく活用する方法になればと願っています。