雨降る午後は

雨が街に降ってくる

雨は地面を濡らし
雨は我が家の屋根を叩く

雨の音を聞くと
思い出す人がいる

雨の似合う
人ではなかったが
何故か
雨にまつわる
思い出が
多い

雨垂れを聞きながら
紅茶をいれる

カップを
窓辺のテーブルに置いて

降る雨を眺める

ひと口
紅茶を
口に含む

その人の輪郭を
浮き上がらせるには
充分な
ひと口

湯気の上がる
カップと
思い出降る
窓の外

この紅茶を
飲み終える頃には
雨も止むだろう

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