英単語のスペルとシェークスピアの秘密 どうして彼の時代の英語の発音が分かる?レコーダーはなかった
中学校や高校のテストで英単語の綴りの間違いを指導された経験はありますか?文章事態はあっていても、綴り間違いで減点と言うのはよくあることでしょう。英語は書いてある通りに読まないんですものね。
しかし、このスペリングと言うもの、歴史的には大変いい加減なものだったようです。17世紀のイギリスでは一つの単語に対し様々な綴りが混在していたのです。
例えば、現在のwhereと言う言葉に対して、 hwer, whair, wair, wheare, were, whearなどの文字があてはめられていたのだそうです。人名にしても、シェークスピア ( Shakespeare)の名前の表記に関して、 Shagspeare Shakspere Shakestaffe などなんと80種類以上の綴りが見つかっているのだそうです。
そして、現存するシェークスピアの自筆下サインは6つあるのだが、その中で同じ綴りのものは一つもないのだそうです。また、シェークスピアの遺言状にはシェークスピアの自筆の署名が2か所あるのだが、その一つはShakespereであり、もう一つは Shakspeareなのだそうです。
なお、上記の様々なシェークスピアの綴りのうち、シェークスピア自身が一度も使わなかったサインが、どういうわけか現在スタンダードになっているShakespeareなのだそうです。どうしてそうなったのでしょうね。
言葉と言うのはまず何よりも話し言葉であって、綴りよりも音が優先されていたということなのでしょう。
しかし、面白いのはこの先です。そんな状態だったからこそ、現在、数百年前の時代に、彼らがどのように言葉を発音していたか分かるのだそうです。レコーダーがなかったのに。
つまり、彼らは言葉を彼らが発音していた通りに記述していたからだそうです。そんな風に綴りがいい加減だったことで、発音が分かるようになるとは面白いですね。
日本も、以前はwa, wi, we, woの発音があったそうです。をは今も残っていますが、woの発音ではないですよね。wuは日本語にはなかったんだそうです。…とここまで書いて、本当にwoの発音はないのかと、調べてみましたら現代でもそれは意識として存在している音で「正書法」の表記として使われているそうです。そして waの方は現代でも残っている、とありました。
しばらく前に読んだ本で東北地方の方たちはwが入った言葉を今もしゃべっている・・・とありましたが、実際はどうなのですか?
wi, weは平安時代にはあったそうです。それが1,000年かけてだんだんとなくなってきたのだそうです。
それが、それがですね、それが、また、最近、復活しつつあるのだそうです。全国民がウィ、ウェ、ウォを使いこなすようになるまではもう少し時間がかかるだろう、ということです。面白いのは私たちはこの音が復活するプロセスを見ていることになる、と言うことのようです。お爺ちゃんたちの世代(私たちのこと?)はウィ、ウェ、ウォを全く発音できなかったのだが、若い人たちはできるようになっているのを目のあたりにしている・・・とのことです。海外から似たような音がどんどん入ってくることにより若い人たちは感化されたということでしょうか。
本当、言葉は生きています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?