見出し画像

小説 タロット

 1人の大統領がいた。名をタロットと言った。
彼は億万長者で不動産王だ。
 彼には使命があった。
「世界の悪の結社を滅ぼすこと
大統領になり、その悪どもを掃除すること」
彼はそのことを常に考えていた。
 苦しい選挙戦を勝ち抜き
支持者を大勢得た。
だが彼には誰にも言えない
プロジェクトをこなさなければ
ならなかった。
 多くしてトップは孤独だった。
そして迷っていた。
 そこで、タロットはカードのタロット
で占いを始めた。
 その日は雨で、窓ガラスに
激しく雫が打ち付けていた。
 奥さんは買い物に出かけ、
娘たちも一緒に出かけていた。
 ケルト十字という手法で
タロットを占い始めた。
 彼はなにを思ったのか、ルールとは
違う、いきなり「未来」の
位置のカードを引いた。
そのカードは『正位置のワンドの3』だった。
「そうか、まだ始めなんだな」
とタロットは呟き、『ワンドの3』を閉じた。
 彼の周りには常にオオカミ、いわゆるCIAとFBIが
つきまとっていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?