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地方と東京の格差の本質は何か? 日本がより持続的になるにはどうしたら?

「地方と東京の格差の本質は何か」、ひいては、「日本がより持続的になるにはどうしたら」と、現場で考え続ける日々ですが、先日、興味深い光景に遭遇しました。

私が住みます長野県飯田の方々と、長野県外に小旅行に行った先での出来事です。

恐らくその土地では、前例がない観光イベントで、できる限りの工夫が凝らされていました。

素敵で、満足感あふれる時間となりましたものの、あまりに料金が安すぎたことと、お話役の高齢男性の方の語りが、各地でよくあるといえばそれまでですが、もったいないものでした。

その土地ならではの文化や風土、物語という特別感を紡ぎ出すよりは、「東京追い」の思考で、テクニックや、手間ひま、すごいぞアピールに終始した感じになっていたのです。

語りで、何回も練習して、一言一句を考え尽くして話しておられる感じではなくて、何か居酒屋トークのような、ありふれたお話が何分も続きました。

そして、料金が安すぎていて、人件費は出せておらず、語り手の高齢男性はじめ、ご好意のボランティアの方々で運営とのご事情もお聞きしました。

その場合、当然ながら、「プレゼン練習を5回以上やろう」「ここの語りは、もっとこうした方がいい」等と、メンバー同士で品質向上を目指す話し合いをする気運は生まれにくいかもしれません。

ですが、聞いている私とすると、応援したいですし、できることならばお勧めですとの発信をしたいと、どんな魅力を、ないものねだりでなく、あるのも探しできるかと、つい仕事モードで必死に頭を回し続けておりました。

東京や大都会の方々にも知ってもらえる価値があるなら、ぜひ知ってもらえて、微力ながら現地応援をと思いました。

ですが、はるばる東京から来た人たちには、まして特別感を強く望む方々には、物足りない時間になると感じ、「何が問題なのか?」

観光イベントをボランティアで企画運営すると、品質向上への意欲の共有がむつかしくなることが一つあるかと思います。

ですが、なぜ無償なのかと、考え続けまして、「前例ないことをするなんて」と、地域社会で出る杭が打たれるリスクを回避するため、有償を避けた可能性に気づきました。

そして、巨視的に考えますと、地方が東京から指示とお金をもらう昭和型システムは限界だと痛感しました。

受け身である限り、前例ない取り組みが尊く実現にこぎつけられても、自信を持てず、無償の負の循環に陥り、内部では誰も是正や品質向上に向けた意見を言いにくい。

地方と東京の格差で、経済格差や情報格差等が挙げられますが、その根元には「自信格差」があるのではと、今回で気付きました。

自信があるから、すごい案件を実現でき、経済力が高まり、さらに人々が東京に集中へ。

突き詰めると、昭和型システムを卒業し、地域主権で各地の創意工夫を劇的に可能になるようお金と権限を大胆に移管せねば、各地の人口流出は止まらず、私たちの日本の持続性の問題はより深刻になる一途ではと感じました。

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