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N1顧客インタビューはこうすればどんどんうまく行く!

N1顧客インタビューと言えば、西口一希さんが書かれた有名書籍からのインスパイアワードです。ですがここではそんなに難しく考えないで「自社で顧客に1時間くらいのインタビューをする」という切り口で、大まかに定義して進めます。

そう、「自社で顧客に1時間くらいのインタビューをする」には、どんなことに気をつけたら良いのでしょうか?

全体のコンテンツはこちらです。

  1. 顧客インタビューをやることで得られるもの

  2. 顧客インタビューの実例で学ぶ「間違えた例」

  3. 顧客インタビューの対象者グループの考え方

  4. インタビュアーとしての進行あれこれ

  5. 顧客インタビューを実際に行うにはどうしたら良いか

実は私、ユーザー調査についての勉強はほとんどしたことがありません。したがって自己流であり、高名な書籍や何かとは違う事を言ってしまっているかも知れません。そこだけ、ご了承くださいませ。

申し遅れましたが、私は西守穣と申します。ビタブリッドジャパンという単品リピート通販、いわゆるD2C系の企業で働いております。健康食品や化粧品を、より多くのお客さまに買っていただく、そういった仕事をしております。

では、まずは1つ目から。

顧客インタビューをやることで得られるもの

インタビューで得られるベネフィットから行きましょう。と言っておきながら、まずは「なぜ」インタビューが必要なのか。

なぜ、顧客インタビューが必要なのか

私は単品リピート通販のマーケティング全般に関わっていますが、多種多様な販促物を制作しています。

  • ランディングページ(Web)

  • 記事LP(記事型のランディングページ)

  • メールマガジン

  • 商品同梱ツール

これらの訴求を作る時、必ず誰かイメージとなる相手(ペルソナ)を意識して制作していますよね、皆さんも。これって誰向けに作ってるんだろう?とハテナを浮かべながら見るものより、やはり「私のために作られたに違いない!」と思ってもらえるように「対象者を絞って作る」ものですよね。

では、なぜ「顧客インタビュー」をやる必要があるのか。それは・・・

「自分で考えた人物像はほとんどの場合間違っている」から、なのです。正確に言えば「惜しいところまで来ているが、リアリティが足りない」ケースも多いと思います。

顧客インタビューの実例で学ぶ「間違えた例」

メチャクチャリアルな実例を出してしまいます。先日、私が実際に顧客インタビューを行った際に知ってしまった、衝撃的な悲しい事実

私は、シミ・シワに効果がある、オールインワンタイプの基礎化粧品のマーケティングに携わっています。いわゆる医薬部外品ですので、効果効能をうたえます。

これから新規のお客様を「新聞広告」でも獲得していこうと考え、「未顧客」を対象とした「顧客インタビュー」を行いました。Webではなく、新聞広告でどう販売していくか、顧客像を探るための調査です。※設定はフィクションです

新聞広告のメインユーザーは60代~80代辺りになり、年齢が大変高い広告メディアです。私たちは、これまでWebでの経験しかありませんので、攻略前にまずはターゲットとなる顧客像を知ろう、と。


新商品あるあるですが、自分の身の回りとか、自分が欲しいとか、限られた情報だけを信じて、十分な人数の「未顧客」にヒアリングをせずに商品を発売すると・・・。

結局、そんな商品は誰も欲しいとは思っていなかった・・・ということは本当によく聞く話です。「私が欲しい」ものが「市場に受け入れられる」保証はどこにもないのです。

※自社で行ったと書きましたが、実際は今回、調査会社を使っています。急いでいたこともあり、時間を買ったと思っています。便宜上、自社で行った体でこの後も書きます。

話を戻します。では、何が衝撃的な調査結果だったのか。

60代~70代の「未顧客」8人にインタビューしたところ、「シミ」にも「シワ」にも、あまり興味が無かったのです! また「医薬部外品」という言葉を正しく理解している人が、たった1名しかいらっしゃいませんでした。むしろ、医薬部外品に悪い印象すらお持ちでした。よく分からないものは遠ざける心理です。

もし、この顧客インタビュー(正確には未顧客)を行わずに広告のデザインディレクションをしていたら・・・

  • 70代にお勧めのオールインワンゲル!

  • 医薬部外品でシミ・シワに一本で効果が!

こんなキャッチコピーの広告が生まれていたかも知れません。要するに全然刺さらないマーケティング活動をやってしまった可能性が高かったわけです。ということで、なぜ顧客インタビューが重要なのか。分かっていただけたでしょう、ということで進めます。

本当はもっと色々ちゃんとやっていますが、簡略化しています。また、事例としてはフィクションです。

顧客インタビューの対象者グループの考え方

一般的な対象者グループの設定の考え方

自社で顧客インタビューを行う上で、極めて重要なのは「対象者グループ」の設定をどう考えるか、です。先ほどの私の例を少し補足しながら書き出してみます。※なぜグループって言うのかは後半で

  • 当社商品の利用経験者ではない(=未顧客)

  • 60代~70代女性(80代は今回はカット)

  • オールインワンタイプの基礎化粧品の利用経験あり

  • 単独でオールインワンを使っているか、ライン使いに組み込んでいたり、化粧水と組み合わせているか

この設定で、対象者を8名作りました。1名あたり1時間じっくりと聞くので、これでも8時間使うことになります。(実際は2日間掛けて4名ずつなどで行います)

なぜこの対象者にしたのかと言えば、これは「これから当社商品にスイッチしてもらいたい未顧客グループ」だと思ったからなのです。

そして・・・やってみて分かったのですが、この対象者グループ設定は、少し足りなかったのです。

対象者グループの設定に足りなかった要素

インタビュー中に何が起きたか。実に8名中3名は、他社の長期愛用者さんだったのです。

あああ、想定しておけば良かった! 後の祭りです。オールインワン業界で有名な商品をとても長く愛用していて、「もっと良い商品があったら乗り換えます」って仰ってるけど、実際はもう6年使ってるとか・・・。あとは「会社の姿勢が好きなので、この社長の言うことだったら信じられると思っています」などなど・・・。

つまり「リプレイスが可能な未顧客」に絞って対象者グループを作るべきでした。もし今、改めて対象者グループを作る場合、

  • 今使っている商品に関する満足度

  • 今使っている商品の利用年数

と言った情報も事前にスクリーニング(対象者を絞り込んでいくこと)条件に入れるんですが。満足度が例えば80%を超えている方は、ひっくり返す優先順位が低いので、初回のインタビュー対象には入れません。同様に、今使っている商品の利用年数がとにかく長い人は、主として「面倒で」他の商品に変えない層である確率が高いです。

もし「これから攻略したい市場」に属する「未顧客」を選んでインタビューする際は、その対象者グループが「リプレイス可能かどうか」の視点を入れて選んだ方が良いでしょう。

それ以外の対象者グループの設定はどういう例があるか

これまでは「未顧客」を理解するためのインタビュー対象者設定でしたが、それ以外に、どういうケースで顧客インタビューが役に立つでしょうか。


事例1:LPに入れるキャッチコピーを発見したい場合

自社商品のキャッチコピーを発見したい場合は、間違いなく「既存顧客」から対象者を見つけるべきです。特に「効果実感度が高い」ユーザーが良いでしょう。また、当然ながら、40代、50代、60代で悩みが全然違いますから、どの年齢の人に向けたランディングページなのかで、対象者グループの年代設定も絞り込むべきです。(聞き方のコツは後半で)

事例2:顧客の解約理由をちゃんと把握したい場合

短文アンケートやチャットボットで回収する解約理由は、本音ではないことがほとんどです。皆さんもお分かりの通り、「金銭的理由」を口に出すか、「肌異常」を口にすれば、多くの場合は引き留めに合わないからです。

コールセンターでも同様に、上記の理由を口に出されると、引き留めが難しいことが分かっています。では、どうしたら本音が分かるのでしょうか。

本音を知りたければ、解約後にインタビューを設計するのが一番です。ここで注意して欲しいのは対象者です。「何を改善したいか」で、対象者の定期購入回数が変わってきます。

初回で解約されてしまう真の理由を探るのであれば、初回で解約された人だけに、インタビューを申し込むべきでしょう。逆に、F3~F4辺りでの解約を減らしていきたい場合は、その辺りで解約された方に限定してヒアリングする方が良いのです。

事例3:競合商品を攻略する方法にヒントが欲しい場合

後発で取り組む商品開発において良くある話ですが、特定のベンチマーク商品の市場をちょっとだけ奪い取って、自社商品に顧客を持ってきたい場合。

こういう場合は当然ながら、そのベンチマーク商品を「中期的に愛用している人」「購入したばかりの人」「過去は使っていた人」「今使っているが満足度が低い人」などを集めて、インタビューを行うことで、ベンチマーク商品との差別化を考えるヒントになるでしょう。

1商品で50億売ってる商品がすでに先行商品で存在しているのであれば、その利用者の1割持って来れれば、5億の売上にはなります。(※机上の空論ですが)

であれば、その競合商品を購入したばかりの人に、「何を期待して購入したのか」を聞き、「解約を考えている理由はなぜなのか」「満たされなかった残念な点はどこなのか」をくまなく聞いていくことで、市場攻略の糸口を見つけることができるでしょう。

本当のことを言えば、競合商品のダメなところを分析して商品開発に活かすってのは、商品開発の進め方として、決して褒められたものではないかも知れません。ですが、化粧品や健康食品市場において、超大手のような開発体制がない企業が、オンリーワンの独自技術を生み出せるでしょうか。出せないならば、私たちに取って平等なチャンスは、マーケティング力に依るものであるのもまた、確かなのです。


以上のように、「何を改善したいか」によって対象者は厳密に設定すべきです。その際、年代や性別の偏りなどはできるだけ減らす方が良いでしょう。

なぜ対象者「グループ」って言っているか

私はこれまで「対象者グループ」という言葉を使ってきました。なぜ「対象者」と、一名の個人で語らないのでしょうか。

実は、N1の一人の意見を重視すべき時と、何人かに聞いてみて、ある程度の最大公約数を知りたい時で、ケースが違うのです。先ほどの「キャッチコピーを発見したい」ようなケースは、紛れもなくN1のたった一人の語った言葉から、驚きのCPA改善が起こることがあるでしょう。

N1ではなく、複数名に確認した方が良いケースは、逆に「たった一人のイレギュラーな意見に左右されない方が良い」場合です。

例えば、40代と50代、60代では肌の悩みが違います。もし、年代に偏りがあったらどうなるでしょうか? また、先ほどの私の例で言えば「オールインワンゲル」単体で使用している方と、「ライン使いに組み込んでいる」ようなユーザーを、均等にヒアリングしなくて良いのでしょうか?

均等である必要はないにせよ、そこに「意図」が必要です。たった一名だけに聞いてしまうと、その一名の方がイレギュラーだった場合に判断を誤るので、対象者を複数名束ねて、グループにするのです。最低2名、できれば3名くらいを同じ属性にしてグループにした方が、イレギュラー性が薄まります。


インタビュアーとしての進行あれこれ

では、実際に自分がインタビュアーとして対象者と会話する場合、どんなことに気をつけながら、どんな進行をすれば良いのでしょうか。※基本的に1時間のインタビューを想定しています

重要なのは何をゴールに定めるか

まず、インタビューで大事なのは、この1時間で顧客から何を聞けたら合格とするか、その部分を明らかにしておくことです。例えば私がやった未顧客グループへのインタビューにおいては、下記の様なゴールを定めていました。

「そのお客さま」にどんな訴求を行えば、自分たちの商品を買ってもらえるか、イメージできること。

これは簡単なようで、大変難しいです。例えがあまり良くないとは思いますが、「出会ったばかりの人に、自分のことを好きになってもらう」事と似ていると思います。この人に、どんな話(提案)をしたら、こっちへ振り向いてもらえるだろうか。

インタビューは、それを探り出すための時間なのです。この人には、この訴求を行えばきっと買ってもらえるはず! それが見つけられたらその時間は終了です。もし見つからなければ、その方は対象顧客ではないのです。(・・・と、いつまでも対象顧客が見つからなければ、商品開発からやり直す必要があるでしょう。)

では、具体的には何が分かれば、自分たちの商品を買ってもらえると思えるのでしょうか?

顧客の好みや思考を細かく深掘りしていく

ここからは皆さんお待ちかねの、具体的な話です。私が考える場合、このように考えて行きます。(化粧品の例です)

インタビュー内容マップ(化粧品編)

この辺は、初対面で相手のこと、相手が使っている商品を知りたいな、と思った場合に、自ずと出てくる設問です。自ずと・・・はなかなか出てこないかも知れませんが、この辺は経験やコミュニケーションスキルもあるので、少し解説します。

本当に聞きたいことをストレートに聞いてもうまくいかない

営業経験者であればよ~くご存じかも知れませんが、売れる営業マンはとにかくヒアリング上手です。失敗したくない、この案件を受注したい。そう思うがゆえ、「相手のことを知らなければ、相手にマッチした提案などできるはずがない」と考えています。

商談の冒頭で、いきなり自分たちの商品の説明をし出す営業担当者さんもいらっしゃいますが、優秀な方は最初、外側の方から徐々に徐々に、相手の考え方を探りに行きます。

案件を受注するためには、

  • 今回の件で、顧客が本質的に解決したい課題は何なのか

  • 今回の案件の予算規模はどのくらいなのか

  • 今回の件は誰がキーマンなのか

  • 顧客が考える、競合はどういうところか

  • 今回の提案にどのくらいの期待を寄せているのか

こういったことをヒアリングできれば、その後の提案が顧客にカスタマイズされた、刺さりやすいものになります。だからと言って、商談の冒頭で、

「今回のご予算っていくらくらいですか?」
「この件に関して、決定権を持つのは誰ですか?」

こんなことを聞く営業担当は、なかなか失礼ですし、本音が聞き出せなくなってしまいます。これは顧客インタビューでも全く同じです。まずは相手が本当のことを話しやすい雰囲気を作る必要があります。

実際のインタビューの流れの参考例

先ほどのインタビュー内容マップを再度掲載します。

インタビュー内容マップ(化粧品編)

このマップの中で言えば、顧客が答えやすいのは、「最近の日常生活はどんな生活をしているか」のような部分です。まずは顧客が答えやすい、「最近どう?」的な会話から始めるのが良いかと思います。「あなたのことを知りたい」フェイズです。顧客との話の中で、拾える部分があれば、

「そういった日々を送られていると、お肌のケアの時間もなかなか取れませんよね? スキンケアに実際はどのくらいの時間を掛けていらっしゃいますか?」

というような流れで、次の聞きたい項目への糸口を見つけて行きます。

この辺はもう、初対面で相手と仲良くなるためのスキルや経験が豊富な人には深い説明は不要だと思いますし、本筋とズレるので、解説は割愛します。一度会話が始まってしまえば、後はうまく顧客との会話のキャッチボールをしていけば、何度かやれば上手く行くようになるでしょう。


「友人・知り合いに理想的なお肌の人はいるか」を聞く理由

一点だけ、インタビュー内容マップの説明をしておきます。「理想と現実」の部分です。ここでは敢えて、「友人・知り合いに理想的なお肌の人はいるか」を聞いています。

これは、「自分が今後どうなりたいか」を直接聞いても、意外と皆さん「ある程度諦めてるのよね~」と言った流れになりやすいからです。ところが、同年代で素敵な方を挙げてもらうと、人によってはスラスラ出てきて、会話が繋がります。「あの人みたいに私もなれたらいいな~なんて思ったこともあるわ~」なんてフレーズを聞き出せたら、ガッツポーズです。

また「理想と現実」のヒアリングは広告で使えるキャッチコピーや、記事LPで使うための「心が動くポイント」「態度変容のポイント」を探るためにも有効です。

「いまの自分が少し恥ずかしくなった」と言ったフレーズが出てくる「イベント」は一体どういうイベントだったのか。(孫と撮った記念写真とかね!)

記事LPでありがちな、「同窓会で再会したらキラキラ輝いている、かつては平凡だったあの子」・・・。こんなストーリー、本当にあるのでしょうか? それは顧客インタビューすることで、現実感を伴った肉付けがされていくわけです。

補足:インタビュー内容マップは実は1時間のうち45分くらいのイメージです。最後の15分はもっともっと、今後に繋がる設問を入れて行きます。例えばキャッチコピーの魅力調査や、キーワードの順位付けなど。どういう価値観で生きてきた人は、どういうキーワードに興味を示すのか。それを明らかにしていく設問を入れたりしますよ!

インタビューのゴールは達成できたか

さて、インタビューの目的として、「そのお客さま」にどんな訴求を行えば、自分たちの商品を買ってもらえるか、イメージできること。というものを挙げていました。

これが達成できた、とはどういう状態を指すのでしょうか? ここについてはケースバイケースでもあるのであまり多くは語りませんが、例えば。

都市部に住んでいるお客さまは、比較的、ご友人と会われたり、習い事をされている方が多かったりします。また、地方にお住まいの方は、ガーデニングや農作業をされていたりもします。生活習慣がそもそも違います。

ということは、記事LPや広告チラシで伝えるメッセージが、そもそも、どういう方を相手にしたものなのかによって、実は全く異なっているんです。「同窓会で私だけ老けていた・・・」みたいなストーリーより、年代によっては「娘の結婚式に備えて」とか、「習い事の発表会」などの目的の方が刺さるかもしれない。

お悩みについてもそうです。全ての顧客に刺さる訴求ではなく、今ヒアリングした、この方たった一人に向けた広告を作るんだったら、どんなストーリーで、どんな強みを訴求して、ご購入いただけるだろうか。

それを、会話を聞きながら脳内にイメージできるところまで作れたら、インタビューは大成功です。(話しているうちに、この人絶対にうちの商品は買わないな・・・と思うことも多々あると思います)

コラム:インタビュアーの適性ってある?

すでに書いちゃっていますが、初対面で相手と仲良くなるためのスキルや経験が豊富な人が、インタビュアーに向いています。ナンパが上手とかではありません。聞き上手の人が比較的向いています。

聞き上手と言っても、うんうんうなずいているだけではダメです。そのN1顧客のペルソナ像を明確にするために、「なぜ、そう思ったんですか?」「他にどう言う時に、そう思いますか?」と言った、深掘り、発展系の質問を差し込める人が最適です。

もし仮に「使用感」について聞いていたら、「具体的にお肌に塗る手順を、口頭で再現してもらって良いですか?」「お肌に浸透した感じって、何を合図にしてますか?」とか、そのような引き出しの豊富さが生きてきます。

この、深掘り・発展系のツッコミができない人が多いです。なんでそこ、突っ込まないの~! と思われがち。深掘り・発展系のツッコミを行うことで、時として「顧客自身が気が付いていなかった新たな発見」がもたらされます。この辺りの新たな発見は、顧客が態度変容を起こすための重要なカギになります。

また、相手の信頼を得ながら話を進める、という意味では次のようなスキルも役に立つはずです。

  • ペーシング:相手のペースに合わせてこちらも話すこと。

  • ミラーリング:相手の動作を鏡のように真似る。

  • バックトラック:オウム返し。相手が言ったことを繰り返す。

コーチングを学んだことがある人であれば、傾聴スキルも大いに役立つかと思います。

コミュニケーション力の高い方が向いていますが、あんまり敷居を高くしなくて良いと思います^^ なぜなら、対象者は無数にいらっしゃいますし、失礼にならなければ、謝礼をきちんとお支払いすれば、何度も別の方に行うことができますので。

顧客インタビューを実際に行うにはどうしたら良いか

さて、では実際に、重い腰を上げて(?)顧客インタビューを実際にやってみよう! と思ったら、まずどうしたら良いか。その部分に触れたいと思います。アクションしなければ意味がありません。

先にお伝えすると、ここまで書いたような内容を実際にやってくれる、調査会社は存在しています。超便利です。ただし、安くはありません。100万円程度は最低でも覚悟した方が良いです。

ということで、自社・自力でもしやるなら。気軽にできるプランを考えた方が良いでしょう。N1顧客インタビューをやる場合、大きく分けてこのような作業フェイズに分かれます。

  1. 調査設計(どんな調査をするか、どんな設問で聞くか等)

  2. 調査対象者集め(自社顧客でやると本当に安く済む)

  3. 実際のインタビュー(自分でヒアリングするならゼロ)

  4. 会場代・謝礼金(ZOOMならゼロ、自社ポイント付与もあり)

  5. 調査報告(部内で使うなら簡単なまとめで良い)


と、ここまで書いたんですがこの先は有料ゾーンにします。第一に、実行フェイズまで本当に行かれる方以外は、読んでもあんまり面白くないかも知れません。第二に、実際どのくらいこの後に興味あるのかな、と。

ということで、営利目的ではないので「300円」です。今回の記事用にAIで画像生成・・・していなくて、ピクスタで全部買ってますので、せめてそこだけ回収できれば^^ (この先はいらすとやさん中心ですが)

※ここまでで8,000文字くらいで、この先は4,500文字です。

#ここまででも、「スキ」してもらえますと大変励みになります! リツイートしてもらえたら泣きます。

~ 以下は5月12日(金)まで無料 ~
やっぱり当面無料にしました!!

調査設計(どんな調査をするか、どんな設問で聞くか等)

これは冒頭から述べてきた部分ですね。誰に何を聞いて、どんな目的設定をするか。一つのインタビューに多くを求めると失敗します。慣れるまでは、1つか2つでも良いので、30分でも良いので、インタビュアーとしての経験を組織内で身に付けていくことを優先した方が良いです。

慣れてくると、聞く方が上手になっていき、こういう流れであれも聞いた方が良いんじゃないか、あれも聞けるんじゃないか、が閃いてきます。

いきなり難しいことをやろうとせず、まずは30分で良いから、1個のゴールを設定して、「実際にまずやってみる」をスモールゴールにして進めてみましょう。

調査対象者集め(自社顧客でやると本当に安く済む)

この部分、自社顧客で対象者を集めると非常に楽です。スクリーニングしたい条件を事前アンケートの形で設定してしまえば、好きなように対象者を作ることができます。

スクリーニング条件の例:自社商品の利用回数継続年数、使い方、デモグラ(性別や年代)、予算、満足度など

問題は、自社顧客「ではない人」に行いたい場合です。この場合、次のようなサービスを使わざるを得ません。費用もどうしても高額になります。特に、「競合会社のこの商品を使っている人」と言った指定を入れると、商品の認知度やシェアによっては数名しか見つからない場合もあり得ます。なかなか難しい。

■リサーチパネル

■クエスタントのパネル調査

自社顧客ではない人にインタビューを行うのは、自社でやるのはなかなか骨が折れる、とだけ今はご認識いただければ良いかと思います。

私も「自社ではない」対象者向けのアンケートを自分でやったことはありません。やるとしたら、結構ちゃんと調べてやりますし、手間もそこそこ掛かるのでそうなると、結局100万円とかになりますが、フル外注する方向に行ってしまうかも知れません。

実際のインタビュー(自分でヒアリングするならゼロ)

自社顧客で行う場合、なんとかしてスケジュール設定まで行ったとします。ZOOM等で十分だと思います。そして、自分でインタビューを行うわけです。この辺りは、前述の「実際のインタビューの流れの参考例」を参考にしてみてください。

もし録画する場合は、事前に相手の方に許可を取りましょう。また、議事録担当はできれば別に用意された方が良いと思います。キータッチの音が大きいと気になるので、別室でカメラオフ、マイクオフで議事録を取ってもらうと良いでしょう。

インタビュアーは、会話の流れに全集中です。自社の顧客ですから、このインタビューで最低でも「失望されない」ことだけは意識して。

一つお勧めなのは、最初に今回のインタビューの目的と、自分についての自己紹介を入れる事です。誰しも、いきなり自分のこと話してくださいって言われるよりも、先に「私はこれこれこういう者です、今回こういう思い、目的でインタビューをさせていただくことにしました。」と言われた方が、返報性の法則で、「(だったら)私はこういう者です」と答えやすいのです。

「私自身、実はインタビューに少し不慣れなところがありまして、会話を盛り上げることが上手にできない部分もあるかもしれません。ごめんなさい。もし私が話し上手だったら、もっとモテモテの人生を・・・、と、私の話は良いですね、このくらいで」くらい言えたら和やかになるかも知れません。

女性相手のインタビューに、男性が行っても全く問題ありません。むしろ、その方が変な先入観がない場合もあります。

会場代・謝礼金(ZOOMならゼロ、自社ポイント付与もあり)

会場は特に設けず、ZOOMでオンラインで実施することを最初はお勧めします。ただ、年配の方だとZOOMが少し難しいので、それであれば、このインタビュー案件専用のLINEアカウントを作ってしまって、顧客との連絡はそちらに集約し、LINE電話でインタビューするのもお勧めです。

アンケートやインタビューには謝礼が付きものですが、究極、謝礼なしでも内容によっては受けてもらえます。世の中の全員が、謝礼目当てで動くわけではないのです。

なぜ、自分たちは顧客インタビューを行いたいのか、きちんと説明し、納得感があれば、無報酬でも成り立ちます。(ただし、ロイヤリティの高い顧客か、クレーマーが集まりやすい、偏りリスクはある)

と言いつつ、自社顧客で行う場合、お勧めなのは下記の謝礼です。

  1. 自社ポイントの付与

  2. 自社のクロスセル商品の無償提供

自社ポイントの付与は、スクリーニング前の事前アンケートに対するお礼にちょうど良いと思います。50ポイントでも良いので、ばら撒いてしまえば、事前アンケートを集めることが可能です。そこからインタビュー対象者を好きに選べます。

また、本インタビューまで到達された方には、現金やAmazonギフト券は社内手続き上結構面倒な場合が多いため、自社のクロスセル商品の無償提供がお勧めです。(今使ってる商品をプレゼントするとLTVが下がる可能性があるので・・・)

まぁ、実は最も効果があるのはAmazonギフト券です。貨幣価値がありますので。また、Amazonギフト券は離反顧客へのインタビューを行いたい場合に大変有効です。もはや離反してますから、自社ポイントは興味が無いのです。(あんまり。ダメ元でやってみても良いです。)

調査報告(部内で使うなら簡単なまとめで良い)

社内で行う場合、簡単なペルソナシートを作って、1名分を終えると良いと思います。要するに「今まで作っていたペルソナイメージの超具体的バージョン」を、1枚作り上げてしまうのです。一人ずつ。

箇条書きで全然構いません。結局のところ、これがゴールイメージの一つになることも多いかと思います。自社商品を実際に使っている人のペルソナ像を超具体的にすること。

もし、慣れてきたら、キャッチコピーを発見したいような目的であれば、ペルソナ像自体も作らなくて良いかも知れませんね。その辺りは各自臨機応変で良いと思います。


以上、ここまでで実際にインタビューを行う際のある程度具体的な手順をお伝えしてきました。いかがでしょうか? 実際にできそうでしょうか?

もし、インタビュアーが見つからない・・・と思ったら、コールセンターの優秀なオペレーターさんに依頼するのも一つの手です。優秀なオペレーターさんは、商品知識もあり、お客さまのお声に耳を傾ける事が上手です。

ただ、深く突っ込んだりすることが得意ではない場合がありますので、その点はインタビュー中に、指示を出してあげましょう。

顧客インタビューを日常的に

これまで、顧客インタビューについて触れてきましたが、もっと日常的にインタビューを行う組織にしてしまうと良いと思います。例えば、インタビューに慣れてきたら、次のような自動化が考えられるでしょう。

  1. インタビュー案件用にGoogleアカウントを作る(できれば自社ドメインが良いがマストではない)

  2. そのGoogleアカウントのカレンダーを、インタビュー案件管理用として、インタビューを入れても良い日付「以外」に適当な予定を入れていく

  3. そのGoogleアカウントを、Googleカレンダー系の自動調整ツールと連動させる(TimeRexとかお勧め)

  4. 例えばF1での解約者インタビューをやりたいのであれば、F1での解約者に自動的にアンケートメールが送られるように、ステップ配信を設定する

  5. スクリーニング条件を通過した人だけ、インタビューのカレンダー予約に進めるようにしておき、上記のカレンダー自動調整ツールで自動的に予約をしてもらう

  6. インタビュアーは、当該時刻になったらそのGoogle予定にあるMeetなりZOOMなりを起動すればインタビューを開始できる

こちらはザックリと書いただけですが、要するにステップ配信で対象者に自動配信する仕組みと、事前アンケートでスクリーニングを行って、対象者だけがカレンダー予約できるようにしておけば、対象者と好きにインタビュー設定ができます。

例えば、「毎週金曜日の15時はN1顧客インタビューを行う時間」と言った形で半ばルーティンワーク化できてしまうわけです。(ポイント付与等は仕組み化されていることが前提ですが)

■TimeRex(普通に日本語のサイト)

※Googleフォームだと回答分岐ができないので、そこだけはクエスタント等を使うか、いっそのこと文面で「ZOOMインタビュー協力者募集、下記条件に合う方はこちらから」みたいに書いてしまうのも、手っ取り早くて良いかと思います。

自社顧客であれば、ある程度割り切って、スピードスタート、スモールスタート! 走りながらPDCAを回していきましょう。


では、私のnoteが皆さまの顧客インタビューの一助になりますように! 私もインタビューしていきます!

#「スキ」してもらえますと大変励みになります! リツイートしてもらえたら泣きます。

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