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ロルファーになって10年になりました。

10年前の今日、僕はブラジルの「Barra do sahy(バハドサヒー)」という、サンパウロから南へ車で3時間ほど走ったところにある、ビーチのとてもきれいな小さな街にいました。

なだらかなカーブを描くその砂浜に座ると、向こう側には小島が浮かんでいるのが見えて、週末になるとサンパウロなどからたくさんの人が訪れてきてとても賑わいます。

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南国特有の少しさっぱりとしたビールを飲みながら、日本から持ってきた本のページをめくり、気が向いたら海に入って、少し昼寝をして、また本を読む、そんな日々を過ごしていました。

僕はもうその街に3ヶ月ほど滞在していました。

その目的は、「ロルフィング®の養成トレーニング」の「最終フェーズ(フェーズ3)」のためでした。

僕のしている「ロルフィング」には、「認定資格(ロルファー™)」があって、それを取得するためには「3つのフェーズ」からなる「養成トレーニング」を修了しなければいけません。

「フェーズ1」と「フェーズ2」に関しては、ロルフィングの「メッカ」でもある、アメリカの「ボルダー」という街で学びました。

最後の「フェーズ3」をどこで受けようか考えた時に、「『2016年にオリンピックとワールドカップの同時主催をする国』がどんなものかを感じてみたい」というのと、「『自分が生まれ育った国の裏側の国』に一度でいいから行ってみたい」という理由で、「フェーズ3」だけは「ブラジル」で受講することに決めました。

前の2つのフェーズでも一緒だった、日系のアメリカ人で、「みどり」というミドルネームを持つ女性と、同じくアメリカ出身で、おしゃべりが大好きで思ったことをまっすぐ素直に伝えることができる女性、そして、スマートで頭の回転が速いけど、どこか人懐っこいスイス人男性の3人で、一緒に一軒家を借りて、そこで生活していました。

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クラスメイトは、その3人に加えて、コロンビア人が1人、その他は日本人が確か7人と、ブラジルなのに日本人が多いクラスなのは意外でしたが、そこで10週間のトレーニングを受けました。

週の4日はクラスがありますが、残りの3日は休みなので、休みの日には先ほどのビーチに行って、時間も気にせずに、空の光を浴びて、風を感じ、波音を全身で受けながら、ただただ自由にしていました。

星が特別きれいな夜には、一緒に暮らしていた3人で海に出かけて、全員真っ暗な中で裸になって、海に全身をゆだねたりして、「海の中で生きていた」ような感覚まで残っています。

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少しブラジルにも慣れてくると、サンパウロや、リオデジャネイロなどに出かけたり、アルゼンチンとの国境の近くのイグアスの滝や、マイケル・ジャクソンのMVの撮影地になった美しい街サルバドルにも行ったりもしました。

ここに詳しく書くのはやめておきますが、僕はそういった「ブラジルで暮らした時間」の中で、「とてもカラフルで、ダイナミックで、死生観を一変するような体験」を沢山しました。

その体験抜きでは「今の僕」を想像するのは難しく、今でもそれは「ある一定の熱量」を持ったまま、僕の中で「生きて」います。

実は、お店の名前である「festa」というのは、「この体験をいつまでも忘れることのないように」という思いで、「ポルトガル語」から取ってきています。

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随分と回り道をしながら書いてきましたが、今日、「2021年11月10日」で、「ロルファーの認定を受けてから10年」を迎えることができました。

「ああ、10年前に確かに僕はブラジルにいて、アメリカから始まって1年半をかけた『ロルフィングの学びの旅』を、この日に終えたんだな」と、少し感慨深い気持ちになりました。

「職人」と呼ばれる世界では、「10年やって一人前」と言われたりしますが、「だいぶ、あの時の自分よりも成長したな」と思うのも半分、「まだまだできていないことがたくさんある」と思うのも、同じ量だけ半分あります。

本当に僕は「幸運」だと思いますが、今の世の中の厳しい状況もありながらも、僕の「ロルフィング」に何かを感じてくれて、「festa」まで来てくださる方々が、今も途切れることなくいらっしゃいます。

また「これからの10年」もそうですが、「死ぬ直前まで、ロルフィングをしていたい」と思っているので、クライアントのみなさんと歩む「ロルフィングの永い旅」はまだまだ終わりません。

ベッドの上にいるその人が、これからのあなたたちの先生よ

「認定証」をもらい、無事に「ロルファーという種類の人間」になれた僕たちに、小柄だけどパワフルで正確な手を持ち、鳥を眺めるのが大好きな女性の先生はそう言いました。

今日も、僕に「ロルフィング」をさせてくれてありがとうございます。

みなさんの身体が自由で健やかで、日々の暮らしが少しでも心地よくなるように、楽しくがんばっていきたいなと思います。

これからもよろしくお願いします。

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ロルファーになって10年のその日に
Rolfing House festa
大友 勇太

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