シャドウバース記事: ロイヤルミラーマッチ特集と、ヴィーラ抜きヴァンパイア!

「十禍絶傑」が発売されて3週間が経過し、そろそろメタゲームやデッキも固まってきた頃だ。
最初に2ターン目「フラウロス」されたときは「なんだこのクソゲーは!」と思いもしたが、予想よりはヴァンパイア一強にならなかった。
ヴァンパイアは強いデッキだし、依然として環境定義でもあるけどね。

決勝の放送を見て、上位層のプレイの上手さに感激!

今回のRageで最も勝ち星を上げたのは「財宝ロイヤル」で、勝者のほとんどにロイヤルが組み込まれている。
次点で「蝙蝠ヴァンパイア」で、三番目が「ネクロマンサー」。
ヴァンパイアを中心としたメタゲームの結果としてこの3つが上位になったと、私は考えている。
前回の記事でも述べたように、ヴァンパイアを倒すために必要な要素は以下の4つ。

・フォロワーの多面展開
・ライフ回復
・低コスト除去
・自分のキルターンの速さ

ロイヤルとネクロはこの条件を4つとも満たしている。
ヴァンパイアは単体除去が多いため低コストフォロワーを捌きやすく、そのためフォロワーを横に並べて行くのが定石となる。
「邪眼の悪魔」の全体除去もあるが、5コストと重いため他のアクションを取りづらい。「邪眼の悪魔」の返しでさらに多面展開と出来るのが理想だ。

全除去されたら横並べで対抗。

ドラゴンやウィッチは上記4つの条件のどれかが欠けており、自分で回してもヴァンパイア相手の勝率が上がらなかった。
ただしロイヤルとネクロが増えるメタゲームになると、「侮蔑の絶傑・ガルミーユ」擁するドラゴンがメタゲームに戻る可能性は大いにある。

今回の記事では、Rageで最も勝ち星を稼いだデッキ、ロイヤルのミラーマッチに焦点を当てて行こう。


■「財宝ロイヤル」

普通のリストが一番!
前回のリストはミラーマッチが全然ダメだったので反省。

■ミラーマッチを制するために

ロイヤルのミラーマッチ、実は後手の方が勝率が高い。
ライフ回復要素もあるデッキなため多くの場合消耗戦になり、10ターンを超える盤面ゲームになりやすい。
複雑に盤面が絡み合うため慣れていないとミスが起こりやすく、ロイヤルミラーマッチは実力差が出やすいように思える。
序盤にフォロワーを無視して本体を攻撃してもあまり意味がない。無理に本体攻撃は、ダメ・ゼッタイ!

ミラーマッチを制するためにゲームの鍵となるアクションをターン順に挙げていこう。

①「白の女王・イメラ」を強く使わせない。


ロイヤルが先行1ターン目に「白と黒の決闘」をプレイした場合、80%以上は「白の女王・イメラ」だと仮定してその後のプレイを考えよう。
3ターン目に除去をプレイして盤面を空に出来るような状態が望ましい。具体的な例を挙げよう。

相手が2ターン目にフォロワー
→こちらも2ターン目に相打ちできるフォロワー

相手が3ターン目にフォロワー
→除去をプレイして盤面を空にする。もしくは「白の女王・イメラ」と相打ちになるフォロワーを出す。

こうすれば4ターン目「白の女王・イメラ」を強く使わせないことが出来る。
もともとロイヤルは先行4ターン目のアクションが弱いので、相手の進化にフォロワーを差し出す展開になりやすい。
先行4ターン目「白の女王・イメラ」で2/2以下を討ち取れるのは一番悪いアクションなので、みすみす嵌らないように。

②4ターン目「先陣の騎兵」進化。

後手で最も信頼できるカード。

後手が有利な理由は4ターン目「先陣の騎兵」進化にある。相手の4ターン目までのフォロワーを無条件に倒せるサイズであり、それまでのダメージも回復してしまうからだ。
それならば先手側は常に4ターン目「先陣の騎兵」進化を考えて、何を討ち取られるが考えなければいけない。

後手「先陣の騎兵」進化に対する先手側の返しとしてはこちらも「先陣の騎兵」進化が望ましい。
5ターン目に「必殺の魔弾」で相手の「先陣の騎兵」を除去しつつ、タフネス4の「先陣の騎兵」を場に残せるのが理想だ。
「先陣の騎兵」を引いていない場合の代替案は「希望の戦術家・セリア」で横展開しつつ相手の「先陣の騎兵」を討ち取ろう。
「先陣の騎兵」「希望の戦術家・セリア」両方を引けていない場合は「白の女王・イメラ」で「ヘヴィーナイト」2体を討ち取り3/2を2体作ることになる。

③5ターン目以降は5/5超えサイズを作る。

タフネス3以下除去。

ロイヤルの除去はタフネス3以下限定のものが多い。パワー1の「ナイト」「ヘヴィーナイト」が場に残りやすいことも考えると、優先されるサイズは5/5以上だ。
5/5以上のサイズは進化権なしではほとんど対処できない。5ターン目に「ドラゴンナイツ」進化を使ってくれるなら8ターン目以降の「ドラゴンナイツ」の枚数が減ったと考えれれるので十分だ。

「黄金の杯」による2点回復はフォロワーに対してプレイすることを心がけよう。

④7ターン目「騎士王・アーサー」

ロイヤルを象徴するカード。

シャドウバース全カード中でも屈指の性能を持つ「騎士王・アーサー」。
2コスト4体+2/6(3コスト相当)、合計11コストぶんのフォロワーがたった1枚、しかも7コストで出るのだから驚きだ。
ロイヤルミラーマッチでは初手にキープしたいカードで、7ターン目前以降はこの「騎士王・アーサー」を巡るゲームになりやすい。
しかしこの「騎士王・アーサー」もプレイ次第で弱くすることが出来る。

→「クーフーリン」が場に出て2点火力になることを考えてフォロワーを残す。
→相手の場に「ナイト」「ヘヴィーナイト」を残すことで盤面を埋めて、「騎士王・アーサー」が7ターン目に出しにくいようにする。

7ターン目近辺は場に残したい。

特に後者は意識しないとミスが起きやすい。相手のどうでも良い「ナイト」「ヘヴィーナイト」を攻撃したせいで「クーフーリン」+アーサー進化で盤面ゼロは避けたい。
「騎士王・アーサー」の返しとしては「騎士王・アーサー」がベストなので、自分の場も「ナイト」「ヘヴィーナイト」まみれにならないように考えよう。
また、アーサーゲームの後には2/6は本体攻撃ではなく、相手の2/2を討ち取るゲームになる。繰り返し言うが、まずは盤面ゲームだ。

「簒奪の使徒」は5コストだが、財宝プレイ時の2点能力を考えると7PP以降の方が活かしやすい。
相手の「騎士王・アーサー」に自分の「騎士王・アーサー」で返せなかった場合は、「簒奪の使徒」で3面処理を目指そう。

⑤「高潔なる騎士・レイサム」

アーサーゲームの次には、「高潔なる騎士・レイサム」ゲームが始まる。
この「高潔なる騎士・レイサム」を上手く使わせないためにも、7ターン目以降は常に相手のフォロワーを1体以下にキープしておきたい。
「高潔なる騎士・レイサム」能力後は、「ナイト」生成で「先陣の騎兵」の回復が誘発するのも覚えておこう。この回復もまた、消耗戦になりやすい理由だ。
また「希望の戦術家・セリア」のお供も疾走を得るし、他に「ナイト」がいなければ「白の女王・イメラ」で2体「ナイト」が疾走する。

⑥8コストエンハンス連打


レイサムゲームを通り過ぎたら、今度は「ドラゴンナイツ」「簒奪の絶傑、オクトリス」による8コスト対決になる。
この8コスト対決を制するためにも、なるべく「ドラゴンナイツ」は5ターン目に使わず温存したい。
「簒奪の絶傑、オクトリス」は1面処理になりがちなので、8コストの優先度としては「高潔なる騎士・レイサム」→「ドラゴンナイツ」→「簒奪の絶傑、オクトリス」の順だ。

「簒奪の使徒」は8コスト対決でも活きてくる。「ドラゴンナイツ」→「炎帝・パーシヴァル」「竜殺しの騎士・ジークフリート」をスムーズに除去できるのは「簒奪の使徒」なので、5コストではなく7コスト以降のカードと考えよう。

こうして果てしない消耗戦を経た後に、8コスト対決を制して残ったフォロワー数が多い方が勝者となる。
熾烈な盤面争いでは、財宝一つとて無駄にできない。リソースを無駄にしないプレイを目指そう。


■Shadowverse World Grand Prix 2018 JCGオンライン予選大会に向けて
さて今週末には世界選手権への最後の切符、JCGオンライン予選大会が開催される。
私も参加予定で、デッキは「蝙蝠ヴァンパイア」「ネクロマンサー」の2つの予定だ。
「蝙蝠ヴァンパイア」は、固定パーツと思われていた「狂恋の華鎧・ヴィーラ」を思い切って0にしたリストだ。
このリストで連勝が続き、グランドマスターになることが出来た。

ヴァンパイアで稼いだMPは4000くらい。

なぜこんなデッキリストになったか解説していこう。

(ネクロは軽い解説のみ)

まず断っておくが、「狂恋の華鎧・ヴィーラ」は勿論勝因にもなるカードだ。特にドラゴン・ウィッチ側からしたらこの2点軽減能力は非常に厄介で、返しで除去できるカードが限られてしまう。4/4がそのまま次のターンに残りやすいマッチだ。

しかし「狂恋の華鎧・ヴィーラ」は同じくらい敗因にもなりえるカードで、特にロイヤル戦ではそれが顕著だ。
ロイヤルの5コストカードの多くが「狂恋の華鎧・ヴィーラ」を一方的に討ち取ることが出来て、なおかつパワー6が場に残るため返しのターンで除去を強制されてしまう。
これが「狂恋の華鎧・ヴィーラ」ではなく「フラウロス」進化の場合であれば、7/5で1点受けた状態の「フラウロス」は「ドラゴンナイツ」「簒奪の使徒」でも相討ちで、良くても「先陣の騎兵」「希望の戦術家・セリア」進化から「ナイト」「ヘヴィーナイト」が残るくらいの場になる。
またロイヤルは多面展開してくるため「邪眼の悪魔」はゲーム中1回以上進化が必要になる。つまりロイヤル戦では進化権は「フラウロス」「邪眼の悪魔」のどちらかに集中したい。

ネクロ戦でもロイヤルに近いものがある。
たしかにネクロ戦では「狂恋の華鎧・ヴィーラ」進化は場に残りやすい。
しかしネクロは回復手段が非常に豊富なので、1回「狂恋の華鎧・ヴィーラ」で4点攻撃しても、次のターンには「心眼の双送女レディ・グレイ」進化+横のパワー1で差し引き1点になりやすい。
その点「フラウロス」進化のパワー7は1回の攻撃が「闇喰らいの蝙蝠」の射程範囲に届きやすく、相手からしたら1回も無視できないクロックになる。
また、ネクロ戦も「冥界の番犬・ケルベロス」の返しのアクションとして「邪眼の悪魔」が非常に重要となる。

また、ヴァンパイアのミラーマッチで相手の「狂恋の華鎧・ヴィーラ」進化に対して「フラウロス」進化で落とすのも良いアクションだ。
先手で4ターン目に「フラウロス」を出して返しで「狂恋の華鎧・ヴィーラ」進化を受けても、3点火力で落ちるので特に問題ない。「フラウロス」が優先される場面は多い。

進化権はこの2つに集中したい。

比較するとこうだ。
・「狂恋の華鎧・ヴィーラ」進化→2コスト5点軽減、パワー4。進化なしだと他の2コストよりも弱い。
・「フラウロス」進化→4コスト5点回復、パワー7。進化なしでも及第点。
・「邪眼の悪魔」進化→多面展開してくる相手には必ず必要になるカード。ゲーム中1回はこれに進化を使いたい。

結論として、進化権は「フラウロス」「邪眼の悪魔」に集中したい。
「狂恋の華鎧・ヴィーラ」は進化権が無くなった後が弱く、後半引いた場合も「フラウロス」より落ちる。
そのためデッキの中で一番必要ないと判断して抜けた。


■ヴァンパイアTips
・初手キープ基準
優先度は上から順にこうだ。

「不穏なる闇の街」は最速「フラウロス」に必要なパーツなので絶対にキープ。
次に「姦淫の信者」。よく後手でこのカードをキープするべきかという質問が挙がっていたが、私はキープすべきだと思う。
相手が先手2コストスタートの場合、「姦淫の信者」→除去→除去でゲームの主導権を取れるし、相手からしたら「フラウロス」のプレッシャーがあるので無視できない。

ヴァンパイアミラーマッチで後手1ターン目に「姦淫の信者」を出したせいで除去→0コスト×2→「フラウロス」のパターンも確かにある。
しかしヴァンパイアミラーマッチはとても先手が有利なゲームなので、相手の初手+ドローの5枚に除去→0コスト×2が含まれるパターンを割り切って、リスクを受け入れて自分のベストアクションを目指した方が良いと考えている。

多くの場合、3ターン目のベストアクションは「純真の歌い手」になるのでキープすることが多い。ヴァンパイアは除去とドローをバランス良く引かなければいけないため、3ターン目のドローは丁度良い。
この1/2というサイズが絶妙。ロイヤルやネクロの多面展開を防いだり、「眷属への贈り物」の1/1を討ち取って盤面を稼いだり、縁の下の力持ちだ。

2コスト除去は9枚入っているためマリガンしても引けるはずだが、ロイヤルやネクロ相手の後手の場合は1枚はキープしたい。
特に「邪眼の悪魔」はロイヤル・ネクロ戦でのキーカードなのでキープしよう。

・なるべく4ターン目、5ターン目には「フラウロス」を目指す。

このリストだと3回出すことも多い。

今のローテーション環境はどのデッキも5のアクションが強いため、4-5ターン目に「フラウロス」を出すことで相手に除去を挟ませてベストな動きを阻害しよう。

特にこのリストだと「狂恋の華鎧・ヴィーラ」を抜いたことにより、早めに「フラウロス」を挟まないとライフが持たない。ただその分従来よりも長期戦に強くなっており、9-10ターン目に勝つことも多い。

「蒼炎の魔石」をプレイする場合は割れるターンも計算に入れないと、盤面5体になって「フラウロス」が出ないことがあるので気を付けるべし。

後手はこんな場が理想的。

ヴァンパイアは他のデッキよりも進化権によって場を構築していく。後手なら4ターン目「フラウロス」素出し→進化も悪くない。
相手の2/2に除去→「眷属への贈り物」から「フラウロス」直接召喚→進化で「フォレストバット」を討ち取って、7/4「フラウロス」+フォロワー2体というのは頻繁にやるプレイだ。7/4は進化権を使わないと倒せない場合が多く、相手からしたらかなりテンポ損になる。
相手の場が整ってないうちに多面展開をして、ライフレースで優位に立とう。

・2コストフォロワーの優先度
先手は「姦淫の従者」「スコルピオ」後手は「双石の悪魔」
ヴァンパイアの利点として、「姦淫の従者」「スコルピオ」が相手の進化で討ち取られにくい点がある。
そのため先手は攻撃時にメリットがある「姦淫の従者」「スコルピオ」を優先し、後手は相手と相打ちを取るため「双石の悪魔」を優先する。
これはマリガン基準にも関わる。
ヴァンパイアのドローカードは偶数ターンにプレイすることが多い。4ターン目、6ターン目、それぞれPPが使い切れるように動いて行きたい。

■ミラーマッチを制するために
・6ターン目以降の「フラウロス」は除去するか無視するか考えよう。
序盤の「フラウロス」は無視できないクロックなので、絶対に除去しなければいけないが、後半はそうでもない。
むしろヴァンパイア側は「フラウロス」の回復を前提で出すことが多い。「闇喰らいの蝙蝠」持っていたら負けなら、無視して本体に攻撃することで勝つこともあることを覚えよう。

・「邪眼の悪魔」は5ターン目が最大値で、それ以降はプレイしにくい。
この5ターン目を境に「フラウロス」直接召喚を巡る攻防が発生しやすい。相手の「フォレストバット」をまとめて流せる5ターン目が最も輝くが、それ以降は重い5/4になりがち。
6ターン目以降は重さからアクセラレートしにくくなることもあるため、2コストでプレイできるうちに使おう。


■ネクロTips

ネクロは回復手段が多いので、序盤のライフは支払うものだと考える。ドレインや「番犬の左腕・ココ」を考えると、ライフ回復前提で本体攻撃を狙った方がが良い場面もある。
進化は「心眼の双送女レディ・グレイ」「冥界の番犬・ケルベロス」に絞りたい。
盤面を並べることで「グレモリー」「ギルネリーゼ」のプレッシャーを常にかけ続ける。

逆に対ネクロとしては、4ターン目までは相手のフォロワーを無理に減らさない。特に「スカルリング」状況だと盤面5体ロックになりやすく、相手は展開のために「スケルトン」を墓地送りにしたいことが多い。
実は除去が少ない。序盤3ターン目までの「フラウロス」に触れるのは「怪物の少女・フラン」のみ。あと「オルトロス」くらい。

「冥府の渡し守、カローン」は「冥界の番犬・ケルベロス」の水増し。2枚目以降は腐るカードなので1枚。
「幽霊支配人・アーカス」は特定のマッチでのみ強いため1枚。ドラゴンやウィッチはアーカスモードを対処することが出来ない。

「飢餓の絶傑・ギルネリーゼ」には相手が回避できない勝ちパターンがある。
10ターン目を迎えられれば、「幽想の少女・フェリ」+「悪戯な霊魂」のゴースト+「グレモリー」の進化により18点ダメージを入れることが可能。

(10/18追記)

ヴァンパイアは確定として、まだドラゴンorネクロで悩み中。ネクロ・ロイヤルを考えるとドラゴンも良い選択肢。「狂えるドレイク」「原初の竜使い」どちらかを採用すればネクロ・ロイヤルの勝率は上がるはず。

現状「飢餓の絶傑・ギルネリーゼ」が潜伏していても除去しやすい「狂えるドレイク」優先かなという感想。


この記事で皆さんが賞金1億円のチャンスに少しでも近づければと思う。
私も1億チャンスが0.1%でもあるならチャレンジする(^^♪
それでなくともシャドウバースというゲームは面白いので、今後も記事を発信していきたい。

ではまた
高橋優太





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