YUTA TAKAHASHI

カードゲームの元祖、Magic the Gathering(MTG)のプロプレイヤー。…

YUTA TAKAHASHI

カードゲームの元祖、Magic the Gathering(MTG)のプロプレイヤー。 過去に6年間通販でMTG価格設定を担当し、膨大なカード知識&値段知識を持つ。現在はカードラッシュ所属プロ。 2021年世界選手権優勝。

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最近の記事

ミュウVMAX研究記(アギルダー、タウンデパート入り)

ありがたいことに前回記事の反響が良かったので、ポケモンカードの自分の成長過程として、思考メモの感覚で文字に残して行きます。 MTG(マジック・ザ・ギャザリング)が本業ですが、最近は趣味でポケモンカードも嗜んでおり、PTCGLを導入して以来、ポケモンカードを遊ぶ時間が増えました!色んなデッキが手軽に回せるし、紙よりも時間効率が良い。 ロストギラティナやルギアやアルセウスも回していて楽しいが、やはり一番好きなのは《ミュウVMAX》! 緻密なダメージ計算、相手の動きの予想、狙っ

    • ロストギラティナのアビスシークの重要性について

      MTG(マジック・ザ・ギャザリング)が本業ですが、最近は趣味でポケモンカードも嗜んでおり、過去にはこんな記事も書いていました。ミュウVMAXの解説が中心です。 ウッウロボの表裏 https://note.com/yutatakahashi4/n/n996fafec90b4 MTG世界チャンプがポケカCL愛知に参加してみた https://cardrush.media/pokemon/articles/570 先週にガルシアさん、マシューさんに誘われて、3人チーム戦の第7

      • ウッウロボの表裏

        最近はポケモンカードにハマっており、特にミュウは確率と期待値を考えるデッキで、すごく好き。 先日ポケカの大会に参加し、悩ましい手札のアンケートを取ったところ、驚くほど反響があったので、リスクリターンの考え方をテーマに記事にする。 行動経済学の言葉で、「損失回避の法則」というものがある。 人は無意識に、得することよりも損することを避けようとする傾向がある。得られる利益よりも、損失そのものを回避しようとする考え方だ。 質問①「利益」の場合 A. 100万円を無条件でもらえる。

        • 蠱毒

          蠱毒。 蟲を一つの壺に収めて最強の毒を生み出す呪術、今年はそれを経験した。 世界中から集められた強豪45人との、MTGアリーナでのリーグ戦。 手強いやつも多かったが、圧倒的な経験値とストレスにより、技は練られ磨かれていった。生物の進化がそうであるように、極限まで追い込まれてストレスを感じている時こそが成長のチャンス。 途中ジャンドフードで1勝5敗したときはひるんだ。それ以降はフード系デッキを使うのをやめた。 13/45位まで落ちたが、その後は勝率7割を維持できて、LSV

        ミュウVMAX研究記(アギルダー、タウンデパート入り)

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        • 月刊少年あんちゃん
          1本

        記事

          Izzet Dragons:World Champion2021

          (※この記事は、カードラッシュで記載された大会レポートの英語版ですhttp://cardrush-media.com/mtg-yutatakahashi-211001/) (※当記事を、事前の承諾無く複製・転載・加工・配布・再出版等することを禁止します。) (※This article may not be reproduced, reprinted, processed, distributed, or republished without prior consent

          Izzet Dragons:World Champion2021

          リーグ#4 ティムールアドベンチャー サイドインアウト

          リーグで使用したときの対戦メモ。試合前に書いたので残す。 ちゃんとした大会レポートはまた後日カードラッシュで。 ■Kenta Harane 相手のサイドイン 1《塵へのしがみつき/Cling to Dust》 1《エルズペスの悪夢/Elspeth's Nightmare》 2《太陽の神のお告げ/Omen of the Sun》 1《屋敷の踊り/Dance of the Manse》 ↓ 1《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun's Grace》 2《軽蔑的な

          リーグ#4 ティムールアドベンチャー サイドインアウト

          大会に挑戦する人のためのスタンダードガイド:バントヨーリオン解説

          今週末にはMTGアリーナでMythic Qualifierが開催される。 ハイレベルの大会かつ本戦の賞金も高額なため、目標にしている方も多いだろう。 また同日には大規模なオンライン大会であるRed Bull Untapped 2020も開催される。幸いにも私はMTG Rivals Leagueの特権で本戦の権利を有しており、Mythic Qualifierには不参加。4000人規模の大会であるRed Bull Untappedには参加する予定だ。 今回は、大会で勝ちたいプレ

          大会に挑戦する人のためのスタンダードガイド:バントヨーリオン解説

          スタンダード:スゥルタイ脱出ガイド

          コロナウイルスの世界的な蔓延を理由に、マジックのリアルの大会は中止。オンラインでの大会へと移行しつつある。 MAGICFEST ONLINE。Channelfireball主導のオンライン大会だ。 今週から4/11(土)に渡ってスタンダードで毎日予選が行われて、予選で5-1以上の成績を収めると週末のウィークリーチャンピオンシップの権利を得る。 大会の手順をカードラッシュで記事にしたので、参加方法が英語でわからない方はこちらも参照して欲しい。 MTGアリーナ上ではMAGIC

          スタンダード:スゥルタイ脱出ガイド

          ゲームのプロはこの先食っていけるのか(思考メモ)

          世界は歴史の節目を迎えている。 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)により株式は史上最大の下げ幅。イベント系や観光地産業は大打撃を受けた。 毎日状況は変化し続けており、中国とイタリアは移動禁止、アメリカは諸外国からの渡航を30日禁止、日本もイベント禁止。 コロナウイルスはウイルス性の風邪、致死率は低いがインフルエンザ並みの感染力を持つ。鼻水にウイルスが多く含まれるため、くしゃみや物の接触により飛沫感染しやすい。 肺炎を併発することによる死亡もある。ワクチンなどの特

          ゲームのプロはこの先食っていけるのか(思考メモ)

          モダン:バント氷雪コントロール完全ガイド

          ■2019年の各セットが与えた変化 私が前回にモダンの記事を書いたのは2019年の4月だった。 当時の記事を公開中! 記事の内容は青白コントロールについてだが、今はその青白コントロールの構成も大きく変化している。 今年を振り返っていくと、ここ数年で最もモダン・レガシー・ヴィンテージでの変化が大きかったように思える。各セットが与えた影響をまとめて行こう。 ・灯争大戦 灯争大戦のプレインズウォーカーはエンチャントのように機能する常在型能力を持ち、それが下環境に合ったものほ

          モダン:バント氷雪コントロール完全ガイド

          レガシー記事:灯争大戦&モダンホライゾン後の環境変化と、青白奇跡ガイド

          ■レガシー環境の変化 2019年、レガシーはそれまでの環境から大きな変化を迎えた。 ①灯争大戦発売 マジック史上初のプレインズウォーカーが37体収録されたセット。 カードプールの広いレガシー環境では青やアーティファクトが活躍する機会が多く、それらに相性の良いプレインズウォーカーに注目が集まる。 《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》 《思案/Ponder》《渦まく知識/Brainstorm》をはじめとして、青いデッキが多いレガシー環

          レガシー記事:灯争大戦&モダンホライゾン後の環境変化と、青白奇跡ガイド

          モダン:青白コントロール徹底解説!

          早いもので、今週にはもうグランプリ横浜だ。 モダンが制定されて数年、今ではすっかり人気フォーマットになった。 2003年7月以降に発売されたカードがほとんど使えるため、カードプールが広くデッキの種類が非常に多い。 有力なデッキだとしても全体の10%程度しか存在せず、デッキの数だけでも20種類は超える。 すべてのデッキに有利なデッキを作るのは不可能で、対策カードも強力なため何かしら自分に不利な相手は存在する。 しかし不利だとしても、モダンのデッキ相性は相手への意識の仕方、サイ

          モダン:青白コントロール徹底解説!

          グランプリ京都に向けて:スタンダード環境まとめ

          今週末、京都でスタンダードのグランプリが開催される。 現在のスタンダードを一言で表すのなら「群雄割拠」 アグロ、コントロール、コンボと揃っており、なおかつどれか一つが突出しているわけではなく、5色すべてに活躍のチャンスがある。 強力な単色クリーチャー達 ドミナリアのトリプルシンボルカードが強力だったことでアグロデッキは単色化が進んだ。 しかし単色ビートのクリーチャーを除去する2マナのカードも各色に揃っているためコントロールも成立し、多色を支えるためのマナベースも強力で、

          グランプリ京都に向けて:スタンダード環境まとめ

          シャドウバースの基礎を考える/ランプドラゴン解説。

          年末年始、実家は暇だし皆ゲームしている頃だろう。 私もそうで、マジックアリーナとシャドウバースを毎日10時間やるような生活だ。最高! 特にシャドウバースの新弾「次元歪曲」は強力なカードが多く、デッキ構築意欲を刺激してくれる。 「氷獄の王・サタン」はその中でも一番のお気に入りだ。 出したターンの隙が大きいものの、その後のコキュートスカードは全体除去、ライフ回復、ドローと全て揃っている。 通常でプレイしたらコストが3倍かかりそうな、あり得ない程の強力なカードパワーで一気に逆転す

          シャドウバースの基礎を考える/ランプドラゴン解説。

          モダン:青黒フェアリー解説!

          好きなデッキやカードで勝利する。これこそTCGをやる上での一番の楽しみだろう。 (今でも自分を奮起するときに準決勝の記事を読みます。ライターの川崎さんに感謝!) 10年前、青黒フェアリーでグランプリ静岡を優勝したこと。 私がプロマジックに入り込むきっかけであり、その後の人生は大きく変わった。 打ち消し、手札破壊、ライフを1点残しながら攻撃するダメージレース。打ち消し呪文は自分の脅威を出しながら、攻撃しながらの方が強く使えるし、ライフは1点残ればリソースとして使える。 この

          モダン:青黒フェアリー解説!

          グランプリ静岡直前:レガシー環境まとめと青白奇跡解説!

          私はレガシーが好きだ。 《渦まく知識/Brainstorm》が好きだ。 《思案/Ponder》が好きだ。 《意志の力/Force of Will》が好きだ。 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》が好きだ。 そして何よりも《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が大好きだ。 マリット・レイジが一撃で20点のライフを奪うのが好きだ。 1ターン目に《グリセルブランド/Griselbrand》から14ドローするのが好きだ。 《血染め

          グランプリ静岡直前:レガシー環境まとめと青白奇跡解説!