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飛田友宏元教諭が記事の削除を求める裁判(15) 「取材・報道の自由」を脅かす名誉毀損裁判の実態!

 飛田友宏元教諭が〈横浜市が性暴力教諭の懲戒免職を隠蔽〉の記事の削除を求めている仮処分の第2回審尋は2023年6月30日に東京地裁立川支部(佐々木麗裁判官)で開かれることとなっていた。

 飛田元教諭の代理人の櫻町直樹弁護士から「第1主張書面」が送られてきたのが6月26日、新たな証拠の書類が送られてきたのが6月28日だった。

 新たな証拠の書類の中には、飛田元教諭の2通目の陳述書が入っていた。証拠番号は「甲第11号証」、日付は「令和5(2023)年6月26日」となっている(以下、「陳述書2」とする)。

「第1主張書面」の事実関係の主張は、おおむね「陳述書2」に基づいている。そこで、「陳述書2」を引用しながら、飛田元教諭の主張・立証について見ていく。

「陳述書2」の冒頭には違和感を覚えずにはいられない。以下のように記述されているからだ。

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 本件記事には、「A子さんの母親」の発言として「飛田先生の義理の姉、飛田桂(ひだ・けい)弁護士が横浜市の弁護士なので、もみ消されるだろう」との記述があります。
 しかしこれは根拠のない憶測に基づくものであり、私が、義理の姉である飛田桂弁護士に「もみ消し」を働きかけたことは一切ありません。

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「陳述書2」の冒頭(印影にはモザイクをかけた)


 唐突に飛田元教諭の「義理の姉である飛田桂弁護士」が登場する。しかし、飛田弁護士は本件記事の削除を求めている当事者ではない。

 しかも、「陳述書2」が引用するA子さんの母親の発言は切り取られたものであり、本件記事には、以下のように記述されている。

〈母親は「A子が飛田先生からセクハラされていたことは、これまで教育委員会には言っていません。飛田先生の義理の姉、飛田桂(ひだ・けい)弁護士が横浜市の弁護士なので、もみ消されるだろうと思っていたからです」と話す〉

 A子さんの母親が飛田元教諭のA子さんに対するセクハラを教育委員会に相談していない(同級生たちのA子さんに対するイジメは相談している)理由を説明しているだけである。これが、どうして、「私が、義理の姉である飛田桂弁護士に『もみ消し』を働きかけたことは一切ありません」まで飛躍してしまうのか。「問うに落ちず、語るに落ちる」ということわざを思い出さざるをえない。

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