Vol.1 忙しい日々に取り入れたい。"聞く"時間をつくるお店3選
東京で仕事をしていると、1日中パソコンしか見なかったなんて日もある。都会で働くといえば聞こえがいいが、ゆったりと自分に目を向ける時間がなかなか取れないと感じる。そんなときにおすすめしたいのが、"聞く"ことだ。
人の話を聞く、音楽を聞くなど、"音を聞く"ことを思い浮かべた人が多いだろう。じつは、日本には"香りを聞く"という言葉がある。日本の伝統芸能の一つ、「香道(こうどう)」の考え方だ。ただ鼻で嗅ぐのではなく、心の中でゆっくりと味わうから"聞く"というらしい。
今回は、都会のあわただしさを離れ、自分と向き合うためのお店を3つ紹介する。ぜひ暮らしの中に"聞く"時間を取り入れてほしい。
APFR TOKYO|日常に取り入れたい"香り"を見つける
2021年、下北沢駅すぐの個店街「reload」内にオープンした、「APFR TOKYO(アポテーケフレグランス トウキョウ)」。菅澤圭太氏によって設立された日本のフレグランスブランドである「APOTHEKE FRAGRANCE」の直営店だ。
内装には左官仕上げが施されており、ブランドが大切にしてきたクラフトマンシップを感じられる。店内では、全種類の香りと商品を展開。ガラス作家・小澄正雄氏が特別に作ったテスターグラスで、40種以上もの香りのテイスティングを行うことができる。
お香にキャンドル、ルームスプレーなど、取り扱うラインナップも豊富。自分の生活スタイルに合わせて選べるのが嬉しい。ふだんの暮らしの中に取り入れたい香りをじっくり選んでみてほしい。
GINZA RECORDS & AUDIO KURAMAE|"音"に耳を傾ける時間をつくる
2023年1月、"my listening room"をテーマにオープンした「GINZA RECORDS & AUDIO KURAMAE」。クリエイターや感度の高い人びとが集まり、"東京のブルックリン"と呼ばれる蔵前に構えた店舗は、とあるビルの3階にある。
ビルは全体で一つの複合施設になっており、1階にはカヌレ専門店、2階にはカフェラウンジ、5階にはアートギャラリーが同居している。カフェラウンジでは、ラグジュアリーなオーディオ機器から流れる、普段とはひと味違う音を楽しむことができる。
3階の店内にはLP盤の棚が置かれるほか、視聴スペースも完備。気に入ったレコードをぜひ手に取ってもらいたい。スマホ1つで音楽が聞ける時代だからこそ、わざわざ針を落として音を聴くのが何よりの贅沢になるはずだ。
TEA BAR 聴景居|お茶と"景色"をじっくり味わう
「TEA BAR 聴景居」は、2023年4月にオープンした「ザ・コンランショップ 代官山店」の地階にある。8席のカウンターから成る小さなTea Barのディレクションを務めるのは、東京・青山の日本茶専門店「櫻井焙茶研究所」の櫻井真也氏。
茶葉やスパイスを独自にブレンドしたお茶は、これまで飲んできたものとはまったくの別物。アジアを存分に感じるお茶だが、茶葉はすべて日本の生産者によるものだという。また、サイフォンやトルココーヒーの器具など、お茶の種類によって道具を変えているのも面白い。
ロンドンで始まったインテリアショップ「ザ・コンランショップ」と日本の文化が交わるこのお店は、"景色を聴く"ところ。お茶の味や香りに加え、空間の佇まいや時の流れをゆっくりと味わいたい場所だ。
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