平面何切るを実戦に繋げる考え方

はいどーもゆとりです。
今回は「平面何切るなんて役に立たない」という論が何故間違っているのかという話をしつつ結構ガチめな牌理の記事です。

ということでいきなりですが何切る問題を2つ。

①東1南家4巡目ドラ6s
②東1南家4巡目ドラ西

この問題を見ただけで何を言わんとしているのか察しが付きそうですが、今回1つ目は6ブロックの話。

一応何切るの答えとしては、①は3s、7p、4pから、②は1p、5pから選べていればあとはかなり微差なので好みとか場況でといった感じでしょうか。

①は結構面白い問題で、シンプルに5ブロックから完全向聴を目指すと二度受け残りの時に縦フォローが入るので3s切り。7p切りは完全向聴を目指しつつ5pツモ時に打3sとして二度受けを回避できる形。4p切りは縦フォローを消していて一向聴形で弱くなりそうに見えますが、3面張を取りこぼさず、絶対に二度受けが残らないため実は有力。

4p切りの実戦的なメリットとして場況の変化に対応しやすいというのもあるのですが、こういった保留することで得られるメリットが昨今のデジタル麻雀界隈では過小評価されすぎかなと思います。
②の5p切りもそうで、愚形選択を遅らせることで瞬間のリャンメン×2の一向聴を拾いやすくなっているのですが、1p切りから変化を見る方がマジョリティだったかと思います。

今回の二度受け含みのケースに限らず6ブロック打法自体やや過小評価気味に感じていて、その要因としては完全向聴の評価の乖離が挙げられます。
これはSNSや動画などのネットコンテンツや麻雀本の充実によって勉強環境が整ったことで、基本的なセオリーを初心者のうちから知る機会が増えたためにセオリー的打ち筋の過大評価があるというのが一つ。
数理研究によって完全向聴がリャンメン×2に対してどれくらい優位なのかがある程度分かったことで、逆にどれくらいの条件で差がなくなるか、逆転するか、ということに踏み込めるようになってきたというのが一つ。

僕の個人的な意見ではありますが、影響の大きい基礎的な部分を吸収しやすい環境になった分、それ以上を突き詰めて考える人が減った印象があります。

まぁそれはさておき、牌理の話を進めます。

③東1南家5巡目ドラ8m

この手の何切るはオールドセオリーだと6s切りで役牌を最大限活かすのが和了率最大で良しとされていましたが、デジタル麻雀的には中切りで門前固定して完全向聴、平和を狙うのが打点が見込めて良いだろうとされました。
しかし、完全向聴とリャンメン×2+安牌の一向聴で価値があまり変わらないと分かってきたことで、4p切りという保留の6ブロックもかなり有力であると考えられます。
この何切るは鳴きに大きく影響する分岐なので、その性質上点数状況等に依存しやすいため平面でどれが正解というのはあまり意味がないですが、平面的にも6ブロックがかなり有力だと分かっていると実戦でより精度の高い選択ができるかと思います。

④東1南家7巡目ドラ8m

平面何切るで勉強するなら、④のケースで「4p切っても中切っても大した差がない、場況次第の微差判断になる」という話を聞いて満足せずに、その一手前の分岐について考えると上記のような新しい課題が見つかるので有意義な時間を過ごせます。
微差を突き詰めるのではなく、微差を微差だと確定させることでさらに考察できることを探すイメージです。

⑤東1南家8巡目ドラ8m

少し別のルートを考えてみます。③から6s切りの進行でのテンパイ形です。
これは4p切りリーチと3p切りリーチであまり差がないパターンなので、やはり場況や点数状況次第になる何切る問題ですが、役牌ヘッドの両面リーチと役牌シャボリーチが微差というのを前提条件として新しい何切るを考えてみます。
ということで2つ目は役牌シャボについてです。

⑥東1南家5巡目ドラ8m

⑥は形で考えるなら愚形部分にフォローを残す7s切りになり、これはかなり基礎的な何切る問題です。
しかし、上記の役牌シャボリーチの価値を考えると、打7sツモ4pの4枚と打5pツモ6sの4枚の受け入れで大きな差は生じないことがわかります。
つまり、この何切るは7s切りが正解でセオリーの一打ではあるが実はかなり微差で5p切りも有力になっているわけです。
こういった一見一択何切るのような問題でも過度に機械的に処理してしまうと実戦で5pと7sの危険度の差くらいで逆転してしまう可能性があるということに気付けなくなります。

敢えて実戦的な要素を加味しない平面何切るで勉強する最大の利点は、フラットな状態での差を確認することで実戦でのあらゆる付加要素に対応しやすくなることだと考えています。
レベル感によっては形に慣れるというのが最大の利点になることも当然あります。その場合は「悩ましい形」を固定して他の組み合わせを変えてみたりするのも勉強になりやすいです。
重要なのは自分が実戦で出来ることがどれくらい増えているかです。平面何切るを解いて強い人と回答が同じだった、ウザク本の何切るで何問正解出来た、などは殆ど意味のないことだと思ってます。
一つ一つの問題から学びを得ようとする姿勢があれば平面何切るはかなり効率の良い勉強になるはずなので是非トライしてみて下さい。

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