高段者の牌譜で勉強しよう【中級者向け】

 はいどーもゆとりです。

 今回は麻雀の勉強を頑張っていきたい中級者向けです。「打牌理由を聞けない人の牌譜を見ても意味がない」と言われがちですが、要は何をどう勉強するかですよという話になります。

とりあえず「高段者の牌譜を使った勉強」というのは長いので今回は「牌譜閲覧」とでも言い換えますね。

1.やってはいけないこと

 まず初めに、こんなやり方は意味無いですよ、という例を挙げていきます。牌譜閲覧は勉強法として結構優れているのですが、嵌りがちな落とし穴がいくつかあるので注意が必要です。

①自分が何切るか考える前に進めちゃう

 これをやると"ただ眺めてるだけ"になります。眺めながら「この打牌はこういう理由なのかなぁ」と想像してなんか勉強した気になっちゃうパターンです。

まずは実戦と同じように、何ならそれ以上にしっかり自分で考えて答えを出しましょう。

②クイズ大会を始めちゃう

 一問一答クイズのようなノリで打牌選択が割れたときもすぐ次にいってしまうパターンは本当にダメです。一番ダメです。これはウザク本なんかでも同じことが言えるのですが、切る牌や正解を"予想する"だけでは勉強になりません。楽しくやること自体は良いことなんですけどね。

考えるきっかけ、題材を得たときにちゃんと消化する癖が付いてないと恐らくどんな勉強法を試しても良い効果は得られないでしょう。

③盲信しちゃう

 この人は安定段位がすごく高くて周りの人からも強いと評判で...と意識し過ぎてしまうと"同じ選択が出来るようになること"が目標になりがちです。

その目標設定でも強くなる人は強くなると思いますが、"打牌や思考をトレースする"のは何かしらの能力者でもない限りとてつもなく難易度が高い手法なのでお勧めしません。

「〇〇さんはこれ切りそう」という意味の分からない打牌理由が増えてきたら危険サインです。それで模倣できるならすぐに強くなるはずなので、もしそうなっていないのなら方法を見直す必要があります。

2.やるべきこと

 では牌譜閲覧でやるべきことは何か。まず大事なのは目的をハッキリさせておくことです。当たり前といえば当たり前ですが、麻雀の勉強をしようとする人は意外とこれが出来てなかったりします。

多くの中級者にとって麻雀が強くなるというのは、情報の拾い方が上手くなり、処理スピードが上がり、実戦で出来ることが増え、結果的にミスが減っていくという状態です。つまり勉強する際に目標にするべきは"情報を上手く拾えるようにする"か"処理スピードを上げる"かです。

色々な人に麻雀を教えてきた経験上「自分には知識が足りない、何か新しいテクニックを習得すれば強くなるはずだ」と考える人が結構多かったのですが、小手先の知識を増やしてめっちゃ成績上がりました!って例を見たことがないので恐らく意味が無いです。基礎の見直しは大事ですけどね。

牌譜閲覧の目的は"模倣"ではなく"比較要素の抽出力向上"です。高段者と打牌が割れたとき、自分が何か見落としてないか、どの要素の影響力が大きいかと再考するきっかけが生まれます。高段者が実際はどう考えていたかよりも自分なりの理詰めで再度比較することが大事です。

蛇足ですが、直接理由を聞ける環境にあって頻繁に答えを教えてもらうと"勉強する"ではなく"教わる"というステップになってしまいます。そして教わることの目的は模倣です。初心者、初級者のうちはセオリーを教わり模倣するのが上達の近道ですが、中級者(天鳳五〜七段あたり)になると話が変わってきます。セオリーというのはかなり抽象化されているのでパターン数がそれほど多くありませんが、セオリーを外れた選択となると途方もないパターン数になります。それらを全て誰かに聞こうというのは無理がありますし明らかに非効率です。

 前置きが長くなりましたが、目的をハッキリさせたところで次は具体的な勉強法についてです。

これから紹介するのは僕が実際にやっていた方法です。用意するものは紙とペンと牌譜のみで、紙は裏紙でもマックのペーパータオルでも何でも大丈夫です。後々見返すことにあまり意味が無いので。

ステップ1:長期安定段位の高い高段者の牌譜を拝借してきます。

 可能であれば序盤の手組みが似ている人を選ぶ方が効率的です。自分が打つときに出現しやすい中終盤の分岐が多くなります。

ステップ2:牌譜再生の設定を「牌山、他家手牌クローズ、待ち牌表示オフ、ツモ切り暗転オン」にします。

 これは打ってる人の視点で見ようということですね。ツモ切り暗転オンにするのは一打に10分以上かけたりするので便宜上というのもありますが、普段拾えていない中でも重要な情報になりやすい手出しを覚えることで、実戦で見ておくべき手出し情報を拾えるようになるというメリットがあります。これは完全な一人称視点再生だとあまり養えない感覚な気がします。※個人の感想です。

「既に切ってる牌の関連牌」や「3s→8mのような逆順の切り出し」を実戦で意識的に見れるようになったのはツモ切り暗転機能のおかげです。(30代男性)

ステップ3:打牌選択が割れたら双方のメリット、デメリットを全て書き上げます。

 メモを四分割して箇条書きで思いつく限り全ての要素を書き出します。あまり関係なさそうと思ってもとりあえず書きます。

何を書けば良いか見当が付かない場合は受け入れ枚数、打点、点数状況、安全度(放銃率)、場況(実質的な受け入れの質)などをざっくり、必要なら理由も添えつつ書いていけばある程度書けるはずです。

次に、影響が大きいと思う要素に○でも✔︎でも良いのでマークを付け、それを踏まえて再比較します。分かりやすい見落としがあれば大体ここで打牌が一致します。

ステップ4:言語化してみます。

 再比較しても打牌が一致しない場合、高段者の打牌がミスだという前提で出来るだけ論理的に何故ミスなのかを自分自身に向けて解説します。これは声に出しても良いですし文章にしても良いですが、"頭の中でなんとなく"はやらないようにします。

微差でよく分からない、論理的に優劣を付けるのが難しい場合は「影響の大きい要素A、B(大体牌効率や安全度)の比較では打3p優位だが、それなりに影響しそうな要素C(点棒状況や他家の速度感)を重く見れば打8mに寄る。」という具合にそれらしい解説をしてみます。それくらい簡単に整理するだけでも漠然と微差っぽいで止まってしまうよりは理解が深まります。

たまに強い人に解説を聞いてもらって明らかに間違っている点が無いか確認すると尚良いです。ツイートとかでも大丈夫です。因みに、アドバイスをもらった場合はなるべく自分で論理的に噛み砕いて消化しましょう。「〇〇さんがそう言ってた」というのは理由ではないので気を付けましょう。

 あくまでも僕はこうやってましたというだけなので全く同じことをする必要はありませんが、"比較"の"勉強"をするという軸をイメージ出来ていれば成果を出しやすく実感もし易いと思います。

3.あとがき的なやつ

 基礎的な知識があって、ある程度応用も効くようになってるのに勝ちきれない中級者の麻雀を見てると"要素が拾えない""比較が出来ない"という瞬間が度々あり、フワッとエグいミスをしていることが多いです。麻雀は持ち時間が少ないゲームなので上級者でも要素が拾えなかったり冷静な比較が出来なかったりする局面はあります。しかし、中級者と比べるとその頻度が圧倒的に少なく、フワッと切った打牌が大きなミスになってないケースも多いです。

よく分からなくなった時に、"分からないなりに理由を探す"精度を上げることが上級者への近道だと僕は考えてます。まぁ近道と言ってもコツコツ地道に勉強するんですけどね。

 中級者向けに自分自身の牌譜検討のやり方も記事にする予定(未定)なのでもし見かけたらそちらも読んでみてください。


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