日大アメフト部の監督は本当に嘘をついているのだろうか?ということ
連日、日大アメフト部の問題がマスコミをにぎわせています。
組織に興味がある私としても、とても関心のある問題です。
特に、両者の意見が食い違っていることに注目しています。
今日、以下のような記事を見つけました。
まさに私が感じていることに近い視点が書かれています。
https://globis.jp/article/6420
文中には下記のような一文があります。
「しかし、前監督と前コーチは本当に嘘をついているのだろうか。多くの人が彼らの言葉を信用していないのは、彼らには嘘をつく動機があるからだ。それは自らの保身である。(中略)しかし、彼らが嘘をついていないという可能性は考えられないだろうか。」
意見が食い違うとき、人はどちらかが正しいと考えます。
(もっと言うと、自分がこっちだと思う正しさを証明したくなります)
この日大のケースの場合でも、意見が食い違うということは、どちらかが嘘をついているはずだというのが暗黙の前提となっているように思います。
そのため、どちらかというと、自分を守りたいという(嘘をつく)動機がある監督側の方が、嘘をついているのでは?という印象が世間の中で大きくなっているように思います。
しかし、本当にどちらかが嘘をついているのでしょうか。
たとえば裁判で争うのならば、法律という絶対的な基準があり、それに違反したかどうかという点で正しい、正しくないとはっきりさせることができます。
ですが、人間関係における意見の違いというときに、自分の意図したことと、相手の受け取ったこと、そこに完全な一致はありえず、正しさは人の数だけあるというのが本質ではないでしょうか。
こうしたときに、どちらかの意見だけを唯一の正しさにして、もう一方の意見は間違っていると断罪した場合、抑えつけられた側の気持ちは解消されません。
それは信頼関係の崩壊につながっていきます。
「あの人はわかってくれない」「話をしても無駄だ」「自分の意見を押し付ける」
という気持ちが残っていくのです。
もちろん今回の件のように、重大な事故につながったことに対して、きちんとした対応は必要です。
しかし、こと人間関係において問題解決をするときに、
どちらかの正しさを決める議論をしても、あまりよい結果にはなりません。
このような行動がなぜ起きてしまったのか。
組織はどうすれば健全になるのかという観点から言うと、
おそらく、この、正しさの押し付けが問題の原因だからです。
組織に必要なのは信頼関係だと思います。
信頼関係を構築する際に大事なのは、どちらが正しいかを決めることではなく、両者の意見が双方に伝わり合う関係性なのだと思います。
また来月もよろしくお願いいたします!
2018/5/31 VOL95 sakaguchi yuto
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