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外部人材の活用について、4類型から考えてみる


外部人材の活用について書いてみたいと思います。

ベイカレント・コンサルティングの田中さんという方が、
外部人材を、そのタイプを単純作業/知恵だしと、
単独型/協働型という2軸で4つに分けて整理しています。

・調査型(単純作業/単独型)
・派遣型(単純作業/協働型)
・提言型(知恵だし/単独型)
・協創型(知恵だし/協働型)

単独型とは、専門家だけで物事の検討を進め、顧客に成果報告するやり方で、協働型は専門家と顧客が密に連携し合いながら議論を重ね、物事の検討を進めていくやり方です。

外部人材と一口にいっても、何をどこまで任せられるか、
イメージがずれていると期待したような成果が得られません。

上記の4つのタイプを上手に使い分けて活用していくことが求められると思います。

たとえば、私が以前いた会社では

①外部分析(市場環境が今後どうなるか未来予測)

②内部分析(同業他社との比較、業務フロー、財務分析等)

③今後の事業計画や施策案づくり

④③の事業計画の実行支援

という4つの業務を請負うことが多かったですが、

①や②のみだと調査型、①~③まで行うと提言型、
④まで一気通貫で行うのは協創型に近いかもしれません。

外部人材活用のメリットは、専門知識や豊富な情報をもとに、
社内では気づかなかった視点を得ることができる点です。

①~③までは外部人材が扱いやすく、価値が出しやすい領域だと思います。

一方で④となると、①~③とは少し異質な専門性が必要となるように思います。
物事を分析する専門知識ではなく、実際に組織を動かしていく力です。

新しい方針を実際に進めていく際には、多かれ少なかれ意見の衝突が起きるものです。
その意見を建設的な方向づけして、改革を前に進めていくことができるかという力が求められます。

このような力を①~③を得意とする外部人材に、調査、分析の延長線上で
そのまま期待してもうまくいかないこともあるように思います。

④を任せられる人材には、ファシリテーションやコーチングのスキルがあるとよいと思います。衝突のファシリテーション技術に長けていることが必要です。

しかしながら、私見ですが、ファシリテーションやコーチングだけでもうまく変革をリードするには力不足のように思います。①~③のような経営の方向性を分析、理解できることと、衝突のファシリテーションの両方があって初めて変革を成功させ、経営の改善につなげていけるのではないでしょうか。

しかし、この両方を持ち合わせた人材や会社はなかなか見当たりません。

こうした現状をみると、今後より一層求められるのは、ある程度の専門性を持ち、物事を分析して提言するスキルと、実際に組織を動かしていくスキルの両方に精通した協創型の専門家ではないかと思います。

2018/4/30 VOL94                                                                                 sakaguchi yuto



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