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人財の量ではなく質を見える化する未来

皆様テレビがどれくらい見られているかという指標として視聴率というものがあるのはご存知だと思いますが、最近は新たに「視聴質」という新しい指標が使われているそうです。

一般視聴者宅に独自に開発した人体認識アルゴリズムを組み込んだセンサーと機器を設置し、視聴態勢を取得する環境を整えます。

これによって、同じ番組を観たとしても、どのような人に見られたか、
志向や熱心さなど新たな視点で成果を見ることができるようになったと言えます。

・新たに誰が見ているのか(個人特定)
・どのように見ているのか(視聴態勢)

までデータとしてとれるようになったということです。

このような視聴の「質」が重要視されるようになった背景としては、
インターネット番組やyoutubeなど、かならずしも誰にでも好かれなくてもよい、それよりも熱心なファンがついてくれるようなコンテンツこそが、
その後も継続的にお客様となっていただけるという時代になったからだと
言われています。

ターゲットを明確にし、エッジの効いたコンテンツを生むこと
それが競争優位になる時代が本格化しているのを感じます。

その後押しをしているのが様々な数値を簡単に取得分析できるような
IT技術の発展ではないでしょうか。

HRの世界でも今、データアナリティクスは一大テーマです。

これまであいまいだった人の状態、”質”を解像度高く把握できるようになってきていると思います。

代表的なものが従業員エンゲージメント調査で、
これまでは、たとえば年に1回、アンケート用紙を回収して結果をみるというものが、週に1回、簡易的なWEB上の質問に回答をしていくだけで、

組織の状態、そこで働く各個人の変化を細かく、リアルタイムにとれるようになってきました。

細かく個人のコンディションがわかるようになると、たとえば

「Aさんには、こういう働き方の方がパフォーマンスは上がるけど、Bさんはまた違うスタイルがいいのだな」
「AさんにはCさんのような上司の方がやりやすいんだな」


といった、個人個人の特徴にあわせた対応が可能になってきます。

実際、とある会社では

・上司部下間の相性の可視化、
・エンゲージメントの変化と業績(営業の提案数であるとか、売上の伸び)との因果関係

も計測して解析を始めています。

人、カネ、モノ、情報が経営資源と言われますが、カネ、モノ、情報は見える化されて厳密に管理されています。

一方でヒトは財務諸表にものってこず、見える化がされてきませんでした。よい状態なのか、そうでないのか、どう変化しているのかが実にブラックボックスで、そのため、感覚的には組織の中でその資源が頻繁に浪費されているというのがこれまでの状態だったのではないでしょうか。

近い未来、この手つかずだった領域がどうなっていくのか興味深いです。

2019/5/31 VOL.106
sakaguchi yuto

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